画面に映るのは広大な農園。背景には青空が広がり、穏やかな風が流れている。しかし、その静けさを打ち破るように、「トラクトロン・オート・ハーベスト」のロゴが画面中央に現れ、次に小さな画面でその姿が映し出される。ロボット風の外観を持つVtuberが、視聴者に向けて微笑んでいる。

配信が始まると、視聴者はコメント欄で「今日も農作業だ！」や「頑張って！」などの応援コメントを送っている。その後、カメラが切り替わり、トラクトロンが身に着けた農作業服の姿とともに、大きなトラクターが映し出される。トラクトロンは農作業を行うためにトラクターに乗り込む準備を始める。

トラクトロンはゆっくりとトラクターに乗り込み、カメラがその様子を捉える。少し戸惑いながらも、操作パネルを触ってエンジンを始動。エンジンが静かに唸りを上げ、トラクターが動き出すと、視聴者からは歓喜のコメントが続々と流れる。

トラクターは畑の端から順に収穫を始め、トラクトロンは安心して操作を続ける。しかし、エンジン音が少し大きくなり、振動も強く感じられるようになった。トラクターが前進する速度が上がり、トラクトロンはちょっと焦った様子で操作を見つめる。ハンドルを切るもトラクターは反応しなかった。

トラクターは、予期せぬ動きを始める。スピードを上げ、畑の地面を激しく揺らしながら進んでいく。収穫機が振動し、作物が乱暴に引き裂かれ、地面に投げ出される。トラクトロンは必死に手元のパネルを操作してトラクターを止めようとするが、機械の動きはどんどん暴力的になっていく。

視聴者からのコメントは一気に焦りの声で埋め尽くされる。「WWW」「何やってんの？」といった声が次々に流れ、その焦燥感が画面に伝わってくる。

トラクターはますます速度を増し、畑を荒らしながら進んでいく。作物が次々と踏みつけられ、地面が抉られていく。大きな音と共に、トラクターは果樹園に突っ込む。その木々が次々に倒れ、果実が地面に散らばる。収穫機が無慈悲に回転し、周囲のすべてを引き裂いていく。

トラクトロンは必死にトラクターの操作を続けようとするが、ハンドルはすでに全く機能していない。トラクターは次々と畑の端を越え、今度は農場の中枢へと向かって進んでいく。巨大な機械が暴れ、土が舞い上がり、農園の美しい景色は完全に壊れ去っていく。

トラクターはついに農園の中心に差し掛かり、止めようとするトラクトロンの手はすでに震え、力を失っている。トラクターはそのまま暴走を続け、ついには機械の一部が外れて地面に落ちる。最後に大きな音と共に、トラクターは完全に破壊される寸前まで進んでいく。

その瞬間、トラクターは急停止し、トラクトロンが座っていた席のすぐ前で収穫機が停止する。次の瞬間、トラクターが爆発的に破裂し、その破片が飛び散る。その瞬間、トラクトロンの姿は粉々になり、完全に消滅する。

画面が静まり返り、コメント欄は完全に凍りつく。破片が飛び散る中、トラクターの残骸と、そこに残された無人のシートだけが映し出される。静寂が広がり、何も残らない農園の風景が画面に広がる。