月夜の下の豹狐様。
#1
物怪の住まうお屋敷
「はぁ、、何で今日に限って花摘みに行くかなぁ、」千里は、そう呟いた。馬車の中に無造作に積まれた、箱の中で。
朝のこと。
「ふぁ〜、眠ぅ、、」
あくびをしながら窓を開け、寒さに少し身震いをした千里は、部屋の隅に置いてある棚にちらっと目を向けた。棚の上には、花瓶が置いてあり、一輪の鈴蘭が植えられていた。
(んー、綺麗だけどなんか寂しいんだよなぁ、、野原でちょいと追加の花積みいこっかなぁ〜、)
そう思い、まだ部屋でごろごろしているであろう母に声を掛けた。
「お母さぁ〜ん、ちょいとそこの野原まで花摘み行ってくるわ〜!」
「はぁ〜い、朝ごはんまでに帰ってきてよぅ〜、、」
「うん!行ってきまーす!!」
家を飛び出し、慣れ親しんだ道を走る。鈴蘭にはどの花があうかと思考し、鳥の囀りを楽しんでいた千里は、背後から近づいてくる怪しい男に気付かなかった。
「ふふ〜ん、やっぱり白い花はいるよなぁ〜、あと黄色の花と〜、アクセントとして赤もいれたいなぁ〜」
怪しい男は千里に気付かれぬよう慎重に、しかし着実に近づいていった。背後まで近づいた男は、睡眠薬を含ませた布を取り出し、千里の口と鼻を覆うように抑えた。
「え、!な、、!?」
千里は抵抗しようと手足を動かすが、すぐに睡眠薬が効き始め、意識が遠のいていった。そして、目を覚ますと、箱の中に閉じ込められていたのだ。
「あー、一体どこに売られたのかなぁ、女の人に買ったならまだ良いんだけどなぁ、、ヤバいとこに売られたら死ぬ気で逃げ出そう」
そう決意すると、馬車の揺れが収まった。
(着いたかな?はてさて買取った人はどんな人か、)
「持ち上げるぞ〜、三、二、一、それっ」
箱の外から声が聞こえる。どうやら外へ運び出しているようだ。
(ほんとに、、どうなる事やら)
そのまま十分ほど運ばれた千里は、先程から馬車の音や人の声が聞こえなくなり、代わりとばかりに鳥の声が聞こえ出している事に気がついた。森に入ったのだろう。(森の奥で住んでる人かぁ、住んでるとも限らないけど)
「よーし、着いたぞ〜。あぁ、重かった、一体何が入っているんだよ、この箱。」
(あれ、この人達知らないんだ。人入ってるって。ていうか知らなくても失礼でしょ、人に、しかも年頃の女の子に重いって、!)
千里が怒りを抑えていると、運んでいた男(以後運搬屋と呼ぶ)は何かをノックし、こう言った。
「荷物、届けに来ましたー!置いておきますねー」
荷物扱いされてるのか、と思っていると、綺麗な声がした。風鈴の音色の様な、儚く、そして凛とした強かさを感じさせる声が。
「はい。ありがとうございます。」
運搬屋はその声に一瞬聞き惚れていたが、我に帰ると不思議そうに去っていった。
「物と同じ感覚で人を買う、だなんてしたくなかったけれども、、、すまないな、人の子よ。」
声の主はそう言い、優しく箱の蓋を開けた。千里が箱に閉じ込められてから初めて見た物は、黒く、長い髪を下ろした美女だった。
「私は瑠璃。よろしくな、人の子よ。」
千里は、少しの間思考停止していた。こんな見るからに優しそうな人が、違法だと分かって、それでも人身売買に手を染めるなんて。そう思ったからだ。
朝のこと。
「ふぁ〜、眠ぅ、、」
あくびをしながら窓を開け、寒さに少し身震いをした千里は、部屋の隅に置いてある棚にちらっと目を向けた。棚の上には、花瓶が置いてあり、一輪の鈴蘭が植えられていた。
(んー、綺麗だけどなんか寂しいんだよなぁ、、野原でちょいと追加の花積みいこっかなぁ〜、)
そう思い、まだ部屋でごろごろしているであろう母に声を掛けた。
「お母さぁ〜ん、ちょいとそこの野原まで花摘み行ってくるわ〜!」
「はぁ〜い、朝ごはんまでに帰ってきてよぅ〜、、」
「うん!行ってきまーす!!」
家を飛び出し、慣れ親しんだ道を走る。鈴蘭にはどの花があうかと思考し、鳥の囀りを楽しんでいた千里は、背後から近づいてくる怪しい男に気付かなかった。
「ふふ〜ん、やっぱり白い花はいるよなぁ〜、あと黄色の花と〜、アクセントとして赤もいれたいなぁ〜」
怪しい男は千里に気付かれぬよう慎重に、しかし着実に近づいていった。背後まで近づいた男は、睡眠薬を含ませた布を取り出し、千里の口と鼻を覆うように抑えた。
「え、!な、、!?」
千里は抵抗しようと手足を動かすが、すぐに睡眠薬が効き始め、意識が遠のいていった。そして、目を覚ますと、箱の中に閉じ込められていたのだ。
「あー、一体どこに売られたのかなぁ、女の人に買ったならまだ良いんだけどなぁ、、ヤバいとこに売られたら死ぬ気で逃げ出そう」
そう決意すると、馬車の揺れが収まった。
(着いたかな?はてさて買取った人はどんな人か、)
「持ち上げるぞ〜、三、二、一、それっ」
箱の外から声が聞こえる。どうやら外へ運び出しているようだ。
(ほんとに、、どうなる事やら)
そのまま十分ほど運ばれた千里は、先程から馬車の音や人の声が聞こえなくなり、代わりとばかりに鳥の声が聞こえ出している事に気がついた。森に入ったのだろう。(森の奥で住んでる人かぁ、住んでるとも限らないけど)
「よーし、着いたぞ〜。あぁ、重かった、一体何が入っているんだよ、この箱。」
(あれ、この人達知らないんだ。人入ってるって。ていうか知らなくても失礼でしょ、人に、しかも年頃の女の子に重いって、!)
千里が怒りを抑えていると、運んでいた男(以後運搬屋と呼ぶ)は何かをノックし、こう言った。
「荷物、届けに来ましたー!置いておきますねー」
荷物扱いされてるのか、と思っていると、綺麗な声がした。風鈴の音色の様な、儚く、そして凛とした強かさを感じさせる声が。
「はい。ありがとうございます。」
運搬屋はその声に一瞬聞き惚れていたが、我に帰ると不思議そうに去っていった。
「物と同じ感覚で人を買う、だなんてしたくなかったけれども、、、すまないな、人の子よ。」
声の主はそう言い、優しく箱の蓋を開けた。千里が箱に閉じ込められてから初めて見た物は、黒く、長い髪を下ろした美女だった。
「私は瑠璃。よろしくな、人の子よ。」
千里は、少しの間思考停止していた。こんな見るからに優しそうな人が、違法だと分かって、それでも人身売買に手を染めるなんて。そう思ったからだ。
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