【短編集】書きたいこと書くだけ短編集。【リクエストOKだよ】
『先生』という立場の人間が言っていい事じゃないとは思っている。
[太字]..........学校が好きじゃないんだ。[/太字]
好きじゃないとぼやかしてはいるけど、もう嫌いと言い切ってしまった方がいい。
学校という小さな小さな箱庭には、いい思い出なんてこれっぽっちもない。
.............いや、違う。
俺は、分かってるはずだ。
[太字]いい思い出がないんじゃなくて、トラウマになった記憶に全部塗りつぶされただけだ。[/太字]
[太字]俺が3回目に見捨てた、中学生の頃のお話。[/太字]
[水平線]
1人目はすぐ隣で銃殺された親父、2人目は扉の向こう側にいた弟の幸唄。
[太字]俺の言った『3人目』は、中学で同じクラスになった一人の生徒だった。[/太字]
その子は、特段変なことをするような人柄ではなかった。
むしろ、その時必死で努力をしていた俺よりも成績が良かったと思う。
どれくらいすごかったかはもう曖昧だが、きっと、馬鹿馬鹿しいとも思えるくらいに。
でもそれが気に食わなかった人が少なからずいたのは事実だった。
[太字].............いじめられるようになったんだ、その人は。[/太字]
『 █████! 』
『 █████████████████ 』
『 █████、██!! 』
悪魔のような笑顔で、殴る、蹴る、汚す。
その場にないと罵詈雑言でかき消されていく泣き声。
[太字]______俺は見てるだけだった。[/太字]
〝 あいつはいじめられて当然 〟
〝 お前もあいつの事が嫌いなんだからいいだろ? 〟
〝 お前もそう思ってるんだから別にいいよな?なぁ??? 〟
『............』
別に、クラスメイトから何か言われたわけじゃない。
でも、この教室という箱庭そのものが、まとめて全部あの子にとっての敵だった。
[太字]『いじめられて当たり前』という環境を作っていた。[/太字]
俺だってその一端を背負わされていた。
俺は何もできなかった。
同調圧力に身動きを封じられて見てるだけだった。
[太字].............いじめられていたその子は、後に綺麗な逆花火になって死んでしまった。[/太字]
アスファルトに、血の跡が花火のように残っていた。
[太字]中学の頃の思い出は、全部その花火に焼き払われてしまったんだ。[/太字]