乃琉楽side

空が赤色にに染まっている頃、私は帰る準備をしていた。いつもよりきれいに荷物をカバンの中に入れる。
私はこの学園の生徒の1人……というより、なぜか学園長が勝手にここに入学することを決められた1人だ。
Cクラスにはまだ人が10人ぐらいいるが、私は喋るのが下手だからクラスメイトが話している輪の中に入らない。
ため息をつき、賑やかな街を見ていると突然ドアが開いた。
担任の卯都先生だ。
彼はいつも笑顔でいる感情が読めない関西弁の先生。
気づくとこの教室にいるのは私と先生、そして不思議な雰囲気がある子だ。

「先生、お菓子欲しい」

そう微笑みながらその子は言った。先生は手に持っていた鞄からお菓子を探した。
私はその子の名前を思い出す。確か……白星心々。
不老不死の子だ。彼女は先生からお菓子をもらいニコニコしている。

「ほな、はよ帰ってな」

先生はいつもの笑顔を向けて去っていった。
そして彼女がこちらに向かって歩いてくる。

「君、乃琉楽君だっけ？宜しく」

「宜しく。心々」

私は微笑みながら言った。

「僕と君は友達ね」

友達という言葉に少し目が輝いた。友達があまりいなかったから。私は彼女を見ると彼女は私の表情を見て笑っているようだった。笑い合えることががとても嬉しかった。