二次創作
短編集②【リクエスト停止】
創作元:終わりのセラフ
キャラ:???
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私は、この日を1度たりとも忘れたことがない。
「みんな!こっちだよ!」
ミカが道の方へと指を指して、少し小声でそう言う。
.........私たち、やっと出れるんだ...この、この牢獄から
皆、少し駆け足で前へと進む
「......○○、やっとだな」
『......うん。早く.........この地獄から抜け出さないとね』
「○○ちゃん.......早くこんなとこから出よう、!」
2人に手を繋がれながら、扉へと皆で足を駆ける
........こんなに、あっさりしてるもんなのかな。少なくとも......私が見てきたあいつら........いや彼奴は.....
心の奥で不信感を覚えて、足が一瞬止まる
......ほんとに、外に出れるの?こんなに、呆気なく?.......嘘だ。こんなにあっさりと出れるなら、逃走者は今まででも何百人と出てきたはず。なのに.......
皆が私の足取りが遅くなったのに気づいて、どうしたの?とでも言いたげに、私を見つめる
『少なくともアイツは.......フェリド・バートリーは.......』
そう呟いてから、はっ、と顔を見上げる
っ......さいあくだ、最悪だ、最悪だ。なんで、なんでこんなことに、
『っ.........みんな引き返して、っ!!!』
なんで、
「やぁ、待ってたよ。哀れな子羊君達.......僕の○○ちゃん」
なんでこんな単純なことに気が付かなかった、.....!?
さらり.......長い白髪を揺らしながら、コツコツ、と歩いて出てきた吸血鬼。........フェリド・バートリー
私は唇を噛み締めて、みんなの前にさっ、と立つ。
なんで、なんでこんな........あいつの、アイツの1番近くにいたはずだったのに、なんでこんなことに気が付かなかった、!?
皆が顔の色を無くして、絶望の表情を浮かべる
「そう........その顔。希望が突然消え去る人間の顔。だからこの遊びは辞められないんだよねぇ」
『っ..........クズが、』
「えぇー。悲しいなぁ.........愛しの○○ちゃんにそんなこと言われて僕泣いちゃいそう」
「あそび、..........」
ミカがそう声を漏らして、はっ、としたように持っていた地図に急いで目を向ける
風が吹いて、地図が飛ぶ。瞬間、目にも見えない速度で亜子がフェリドの腕の中に奪われる
「あぁ、もう死んじゃった」
ばたり、その場に倒れる亜子。
亜子、あこ、しんだ、フェリドに、なんで、......
目の奥が熱くなる。視界が滲みながらも、残りの[漢字]子供[/漢字][ふりがな]かぞく[/ふりがな]達の腕を引っ張る
『、っ.....にげるよ!!!』
「っ......くっそぉぉぉぉ!!!!」
バン、優がフェリドに向かって銃を放つ。
皆、亜子の姿を見て体が動いていない。腕を引っ張っても、引き摺るようにしか動けない
「あれ、それ僕の銃じゃない?地図だけじゃなくて、銃もとったんだ。いいねぇ君達。まだ抵抗できる元気があるんだ」
『っみんな、........おねがい、うごいて、!』
「じゃあ、もう1つ希望をあげよう。実はその地図、本物なんだ。その道を真っ直ぐ走れば元の世界に戻れる。外に出られたら、僕は簡単には追えない」
『っ、はやく.....ねぇ、みんな、!』
「その希望と絶望の狭間で、君達はどんな声で鳴くのかな......?」
『っ、ねぇみんな、!!!!』
私の声は、届かない。皆動けない。私だけが冷静なんだ。はやく、この化け物から、はやく、じゃないと、
優が振り向いて焦った形相で言う
「逃げろッ!!!走れ、っ!!!」
『っ、はやく、!』
バン、優が上に向かって銃を打つ。皆、その音を聞いて、出口に向かって走り出す。ただ1人、ミカを除いて
私は止まったミカの腕を掴んで
『ミカっ、!ねぇ、!!』
「言っただろう」
『はやくしないと、!!!』
私達の間を、白が通り過ぎる
後ろから、血飛沫が飛ぶ。その残酷さを理解するのに、時間は要らなかった。皆が倒れていく。
地面を蹴って、走り出す
「っやめろ、!!!やめてくれッ!!!!」
「....っ、茜ぇっ!!!」
茜の前に立つ、化け物。走る。この足が使える限りの全力で。壊れてもいいから、おねがい、今だけ、今だけあの場所に行かせて、まにあわせて、
手を伸ばす
「僕は君達の絶望した顔が見たいんだ」
化け物の手が横を切る。瞬間、赤に染まる周り
私の手は空を切って、赤く染った。
その場に膝をつく。疲労だろうか、悲しみだろうか、絶望だろうか
「......忘れないで優ちゃん、○○ちゃん。僕らは
______家族だ」
この広い空間に、ミカの幼い声が響く
ミカがぱっ、と優の手から銃を取り上げる
私の肩に手が置かれる
「○○ちゃん..........君は本当に愛されているねぇ。でも.........家族ごっこなんて辞めて、僕のところに__
「その汚い手で○○ちゃんに触るなッ!!!!!」
あっは、ミカエラくん.......君の血は美味しかったなぁ.....」
ミカがこっちに向かって走る
フェリド・バートリーが私から手を離して噛み締めるように腕を組む
そして深く、小さく告げるように
『やめてッ!!!!!』
「ご馳走様」
「ぅあ"ッ......!」
ミカの身体の中心にフェリド・バートリーの腕が刺さる
ミカが銃をフェリドに向かって構える
「う"ッ....!!」
腕が、飛ぶ。
「ゆ、ちゃ、.........」
「ッ.......」
『み、か』
「[打消し]死ね[/打消し]」
バァン、フェリドの頭に打たれたのは優が放った弾だった
フェリドが横に倒れる。同時に、離されたミカも床に倒れる
私は震える腕で、床を蹲うようにミカの元へ走り出す
『っ、ミカ、!!!!』
「っぁ........は、.......ぅ、」
「ミカぁ、!!!」
ミカを支えるように、抱え込んだ。
腕が、ふるえる。ミカが、冷たい、体温が下がっていくような気がする。みか、ミカまで失ったらわたし、
過呼吸になって、焦点が合っていないミカが口を開く
「い、っ.......て、○○、ちゃ........ゆ、ちゃ、ん......はっ......」
「ッいくんだよ!!おまえも!いっしょに!!!」
『みか、っ!みかぁ、っ!!!おねがい、!』
「いやだ、っいやだ、!!!」
優がミカを引きづるようにして出口まで運ぼうとする
「そんなのっ、いやだ!!」
『みかがいないとっ.......』
「おれの、っ家族、!!やっと.....!手にいれたのにぃ、!」
「っ.........くっ、!」
ミカが優を突き飛ばす
「いけよ早く!!ばかぁッ、!!!」
泣きながら、辛そうに掠れた声でミカが叫んだ
あれ程、強い瞳はなかった。ミカのはじめて見た。最初で最後の本気のお願い。
優は堪えるように、辛そうに、ミカを見てから目をぎゅっと閉じて、踵を返して走った
「○○ちゃん、!!!っぁっ、.....はやく、!はや、っく、!!にげて、、、!」
『いやッ........!!!!ミカを置いて逃げるくらいなら、死んだ方がマシよ!!!!』
「ッはやく!!!!!」
『嫌ッ!!!!嫌っ、いや.......いやよ............みかぁ、なんで、』
ミカを抱えてミカの胸で泣く。
私は、ここから動けなかった。いや、動かなかった。ミカを置いていくくらいなら、私も死ぬわ。家族を置いてなんか、行けない
ミカが力を失くしたように、少し意志を固めたように、口を開く
「ごめ、ん、....○○、ちゃん.........ぼく、っぅ、........○○ちゃん、のことっ.........かぞくとして、みれな、かった.........」
『っ、ぇ.........』
「ぼく、っ..........○○ちゃんのこと、っ.....がは、っ...........ひとり、のっ、おんなのこ.......、とし、て......みてっ、る.......すき、すきだよ...........○○ちゃ、ん」
『っ、ぇ........なん、で.......な、んで..........』
「いうのが、おそかった........みたい、.........あの、ね.........っぅぁ、.......」
言葉を発する度にミカが苦しそうに嗚咽する
もう限界なんだ、なのに、なのにこんなに喋って、お願いだから、
神様、おねがい、みかを、ミカだけでも、おねがいだから
『しゃべらなくて、いいから!!!おねがいっ、』
「さいご、のおねがい............」
『いやッ........!!さいごなんていわないで、っ!!!』
「○○ちゃん...........ぼくの、こと........わすれないで、......なんじゅ、うねん.....っ、たって、も.........○○ちゃんの、ことっ........いちばん、この世、で........すき、........あい、して、る、...........」
『ッ...........おねがい......っ、さいごなんて、やめてよ、』
力無さげにミカが私の頬に手を添える
ゆっくりと、力はもう無いはずなのに、ミカが起き上がる
ちゅ、唇に柔らかいものが当たる。
「ぼく、から..........○○ちゃん、への..........さいごの、おまじな、い」
『な、で........なんで、......み、か』
「これ、で........ぼくのこと、っ.......わすれられ、ない.....よ」
『こん、なのっ..........』
「も、っ........おわり、だよ......はや、くしない........と」
ミカが最後の力、と言わんばかりに、ゆっくり私を突き放す
コツコツ、微かに後ろで足音が聞こえる
ミカが少し焦ったように、口を開いて
「、っ.........!、○○ちゃ、ん.........はやく、!!ぼく、の........おねがいは、.......これだ、けだ、から」
『......み、か』
「っ........はやく、ッ!!!」
『ッ.........』
私は勢いのまま後ろに走り出す。あんなの、あんな........ミカのはじめてのお願いなんか、無視できるわけ、ないでしょ.......っ、
私は振り向かずに走ったまま、今ある全力で言葉を叫ぶ
『ッ..........わたしも、!!だいすき!!!!!また、っ........会えるってしんじてるからっ!!!!』
最後に、微かにミカの優しい笑い声が聞こえたところで、私は光に照らされた
駆け寄ってくる黒の髪と、その眩しい光に照らされながら、その場に力を無くしたように座り込んだ
(神様、なんて世界は残酷なんですか)
(僕から君への、最後の[漢字]呪い[/漢字][ふりがな]おまじない[/ふりがな])