二次創作
短編集②【リクエスト停止】
創作元:名探偵コナン
キャラ:降谷零
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「昨日零がその..........さりげなく、ね.......恋人繋ぎをしてくれて......」
頬を薄紅色に染めて、幸せそうにうっとりとした表情で彼氏、降谷零の話をする[漢字]飛香[/漢字][ふりがな]あすか[/ふりがな]
その表情を見て胸の奥底からきゅ、っと締め付けられる感覚に陥る
[斜体][明朝体]私の中の咲かない恋を[/明朝体][/斜体]
『さっすがー!降谷ってばやるね?もー、飛香も幸せオーラ隠しきれてないしっ!』
「ええっ、!?そ、うかしら......!」
『うんっ、頬緩みっぱなし』
「ひゃ、!........たしかにしあわせね」
緩みっぱなしの頬をつん、とつつくとびっくりした表情をして、また心底幸せそうに呟く
ああ、[漢字]かわいいな[/漢字][ふりがな]憎たらしいな[/ふりがな]
『ほら、もう授業はじまっちゃうよ?』
「わ、もうそんな時間に.........じゃあまた後でね」
高めに結われたポニーテールを揺らしながら、前へ向く飛香
後ろの席から見えるその美しい項に思わず手が伸びる
『[小文字]ぁすか、[/小文字]』
掻き消されそうなその小さな声には、どれだけの想いが詰まってるなんか知らずに、真っ直ぐに前へと視線を向ける飛香から手を引く
『[小文字]すきだよ、だれよりも[/小文字]』
[斜体][明朝体]打ち明けるほど未熟じゃないわ[/明朝体][/斜体]
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『でさ、これが..........』
「ええそうね。 私もそう思うわ」
『だよね。問題はここなんだけど.........』
チクタク、と時計の針が進む音だけがやけに鳴り響く図書館
チラ、と視線を外すと、凛とした姿勢で真剣な顔をしながら教科書を見て口を動かす飛香が居た
真剣な顔、綺麗だな。[漢字]降谷零[/漢字][ふりがな]あいつ[/ふりがな]が来るまでは、こんな顔しか見たこと無かったのにな
『..........』
私がもしこの想いを伝えたら、どんな顔してくれる?
泣いちゃう?困っちゃう?失望しちゃう?呆れちゃう?それとも、嬉しくなっちゃう........?でも飛香なら、
なんて淡い期待を考えていると、ぱちっ、と飛香と視線が交わる
[斜体][明朝体]そのすました眉毛の動くとこ[/明朝体][/斜体]
「どうかした?」
『.......んーん、なんでも』
きっと困って、でも真剣に断っちゃうよね
[斜体][明朝体]見てみたいと思いはしますが[/明朝体][/斜体]
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『そうなんだよね!もうほんと、』
「飛香」
「っ、れい!」
『っ..........!』
飛香と話している最中、急に私の憎くて堪らない世界で1番大嫌いな声が飛んできた
その声に反応して私の首が動くと同時に、愛しい人の声で「零」と呼ばれるその男
綺麗な蒼の瞳と目が合わさり、眉を顰めて視線を外す
「.........飛香、今週の"デート"のことなんだけど......今大丈夫か?」
「ぇっ.........○○、その.....少しだけ零と話してきてもいいかしら、?」
デート、という言葉を皮肉ながらに強調させて、不安げに首を傾げる男
飛香はそれを見て、申し訳なさそうに私に尋ねてくる
............ここでダメ、って言ったら飛香は私の傍でまた話してくれるのかな
[斜体][明朝体]ああ この熱が[/明朝体][/斜体]
『.........うんっ、もちろん!私の事なんか気にせず二人で仲良く話してきて!ね!』
........なーんて、こんな私の言葉1つでほっ、として安堵した様子を見せる飛香に、言えるわけなんかないよね
[斜体][明朝体]伝わってしまうような気がして[/明朝体][/斜体]
飛香は、「なるべく早めに終わらせるから」と申し訳なさそうにこちらへ言って、降谷の隣を歩き出す
2人の後ろ姿、さらりと繋がれた飛香の白い細い指と降谷の男らしい褐色肌の手を見てぎゅ、と唇を噛み締める
さっきまでは私と笑いあってたはずなのに、私にだけ向けられてた視線だったのに.........降谷零が来た途端こんなにも大きく変わってしまった飛香の意識
それを今一度感じて、どろり、と自分の奥底から醜い感情が芽生えてくる
『..........っ、まっ.........!』
思わずその飛香の美しい背中に手を伸ばす
[斜体][明朝体]その指先に触れることも[/明朝体][/斜体]
ダメ、まって、私の、私のあすかなの、ねえ、やめて
お願いだから、私から飛香を
『っ...........』
飛香の背中を追いかけた腕は空を切る
"とらないで"。そう言いかけた言葉は喉の奥で焼けるようにつっかえて言葉に出来なかった
はっ、としたように行き場の無くなって、空を掴んだ腕を開いて拳の中身を確認する。開いた拳の中身は、私の心とおなじ
『っはは.........元々、私のものでもないんだもんなぁ、』
空っぽだった
[斜体][明朝体]まだ 億劫億劫です[/明朝体][/斜体]
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「..........ええ、まぁ、ねその........」
「零と、観覧車で"きす"、したの」
は、と微かに漏れた声は、2人きりの教室に強く響いた
ガツン、頭を打たれるような衝撃が脳内に走る。あ、やばいどうしよう泣きそう
目頭に熱が集まって視界が滲むが何とか堪えて、笑顔で飛香に「ほんと!?」と喜んだ様子を見せる
[斜体][明朝体]二人に交わる想いは無い[/明朝体][/斜体]
『大進展じゃん!もー、そこまで行ってるんだぁ〜、!ファーストキス?』
「ええ、そうね.........初めてだったわ」
『.......そっか、良かったねっ』
「ええ、初めてが零で良かったわ.......!」
安心したような、幸せそうに乙女の顔をした飛香がふわり、と笑ってそう言う
その表情に思わず胸が高鳴る。.........わたしに向けられたものじゃないのになぁ
[斜体][明朝体]あなたの恋する瞳が好きです[/明朝体][/斜体]
『そっかあ.........!飛香は幸せ者だねっ、私まで嬉しくなっちゃうよ』
「ええ、ほんとに幸せ者よ.........」
恍惚とした表情でか細く幸せを噛み締めるかのように、口元を緩める飛香
ほんとに憎らしいな、もう、嫌になってくる。私も、[漢字]降谷零[/漢字][ふりがな]あいつ[/ふりがな]も
ふわっ、と笑って「でもね」と私の目を見て口を動かす
「こんなに素敵な"親友"と出会えたことが、私の一番の幸せよっ!」
『........っ、そ、っか』
私もしあわせだよ、と告げた声は思ったよりも震えていた
目の奥からじんじん、と熱くなって視界が滲む
ああ、分かってたのになぁ........私はこの子の親友であって友達に過ぎないことなんか
この想いは一方通行なことくらい、分かってたはずなんだけど
[斜体][明朝体]わたしの想いは救われない[/明朝体][/斜体]
「、○○......?どうした、」
『ごめんね』
ガタ、どこからかそんな音がしたと同時に、私は彼女の頬に手を添えて、目を瞑った
ぽたり、雫が垂れる
ごめんね、好きだよ。だいすき。........ごめんね、
「っ.........!?」
夕陽に映し出された1つの影は、とても哀しそうに揺れていた
[斜体][明朝体]友達なんかになりたくないのになあ[/明朝体][/斜体]
(私の瞳に映し出された彼女の顔は、困惑に染まっていた)