二次創作
短編集②【リクエスト可】
創作元:WT
キャラ:出水公平
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《大丈夫。私が出水くんを[漢字]愛[/漢字][ふりがな]保護[/ふりがな]してあげる》
「..........ん、」
懐かしい、夢を見ていた気がする。
だけど、なにかは思い出せない。少しすっきりしない心に、モヤモヤする
外の明るい光が漏れ、小鳥のさえずりが聞こえてくる。
やけに静かな自分の部屋に、響き渡るその音に違和感を感じて、ベットから出る
ペタ、と台所へと足を踏み出すと、一つの紙きれが置いてあった
すごく嫌な予感がして、鼓動が早まる。
「まさか、な........」
やけに静かな部屋、どこか広くなったように感じる部屋、目の前の紙切れ。
状況を把握するには十分過ぎたが、脳がそれを拒んでくる
俺は、嫌に早まる鼓動と、重くなる足を無視して、紙切れを掴んだ。
ペラ、と紙が擦れる音がする。俺は、見覚えしかない字を黙読する
[中央寄せ]出水くんへ
ごめんなさい。私は、この家から出て行きます。合鍵は、ポストに入れました。
理由は言えないけど、これを機に、出水くんとは関係を断ちたいです。
身勝手で、一方的で、ごめんなさい。
"出水くんを捨てない"だなんて言ったくせに、自分勝手に、ごめんなさい。ほんとに、ごめんね。
○○より。[/中央寄せ]
頭に、ドンと石が落ちてきたような感覚がした。それくらい、衝撃的だった
なんとなく、気づいちゃったけど、でもやっぱり........
くしゃっ、と紙を歪ませて机に顔を突っ伏す
最後の、「ほんとに、ごめんね。」の部分にシミが出来ていて、その匂いは俺が知っている、"○○の涙の匂い"だった
なんで........泣くくらいなら、罪悪感感じてんなら、別れんなよ
なんで、俺にはおまえしかいないのに、
なんでっ、!
「捨てるくらいだったら、俺を愛したんだよっ..........」
その紙切れにまた一つ、似た匂いが重なった。
(一つの後悔と、一つの罪悪感と、二つの涙)