二次創作
短編集②【リクエスト可】
創作元:WT
キャラ:出水公平
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『........』
いつもの匂いに、見慣れた部屋
私はキャリーケース片手に、その部屋を見渡す。それから、手紙へと視線を落とす。
目の前に置いてある、生暖かい手紙から視線を外す
『......いずみくん、』
愛らしい顔で、すやすやと眠る出水くんを見て玄関へと向かう。
私は靴を履いて、身なりを整える。ドアノブに手を掛けて、扉を開ける
扉を静かに、ゆっくりと閉めて、優しく鍵を掛ける。
『.....っ、』
合鍵をポストに入れる手が震える。
本当に、これを入れちゃったらもう........
[明朝体]分かってるよ、決めた心が揺らいでたら[/明朝体]
まだ、出水くんと関係を断つことに対して躊躇している私の頬を引っ叩く
『.......よし』
さっきまでが嘘のように、躊躇なくポストへと合鍵を入れる
心なしか、少しだけ重たい踵をくるりと返す
[明朝体]ここから一歩も進めないから[/明朝体]
私は罪悪感を残して、一歩踏み出した
(A sweet sensation? A bitter sensation?)