二次創作
短編集②【リクエスト停止】
創作元:HQ
キャラ:黒尾鉄朗
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[太字]希死念慮の少女と[/太字]
起きた瞬間、ふいに「消えてなくなりたい」、と思う
生きたいわけではないけど、死にたいわけじゃない。
生きる勇気もないし、死ぬ勇気もない。
だから私はいつも、身近のようで他人な"自分"の仮面をかぶる
『行ってきまーす』
「はい、いってらー」
今日も何も変わらず、何も感じない
でも、今日は変わっていて、何かを感じている
それが"生きている"ということなんだろう
生きるも死ぬも、定義がよく分からない。それに、生きることは、死ぬことは、私には重すぎる
だからいっそ、静かに消えてなくなりたい
誰にも見つからず、誰にも邪魔されず、静かに、自然に、消えてなくなりたい
とんっ、と軽く肩がぶつかり、体の重心がふらつく
『あっ、すみません』
「いや、こっちもすみません」
勝手に出た気持ちのこもっていない謝罪は、癖、というものだろう
会釈をして、横を通り過ぎる。その時、誰かの服が揺れる
「..........」
この出会いが、私に生きる理由を与えてくれることは、また別のお話____。
(生きたいとも、死にたいとも感じない)