二次創作
短編集②【リクエスト停止】
創作元:HQ
キャラ:白布/二口
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3月4日、卒業間近の電車
習慣になった電車通学。でも、高校も電車通学なので、また三年間お世話になる
時刻は8時4分。あと1分もすれば電車が来る
『堅治と私も、もう卒業かぁ〜』
「名残惜しいのかよ?」
『そりゃね』
他愛もない会話を○○と繰り広げる
いつも、黄色い線の後ろにいる俺たち。電車に近い位置で、いつも席に座れている。
カチ、と時計の音が鳴る気がした。7時5分。あと数秒すれば電車が来る
その数秒で、俺と○○の人生に、思いがけない変化が起きた
『んー、でもさ?高校生活楽しみってのはあるかな!』
片足を上げてこちらに振り向いて笑顔でそう言った○○に、誰かの腕が伸びる
とんっ、と音すら鳴らない小さな接触だった
『え、』
「、っは」
でも、片足だけに重心を乗せていて、不安定な体勢だった彼女にはそれだけで十分な接触だった。
電車が見えると同時に、○○の体が、ホームに傾く。
『ったすけ、!』
「○○っ!!」
○○が手を伸ばす
俺の腕が彼女の手へと伸びるが、それより先に、彼女にの手を誰かが捕らえた
パシッ、手の接触の音だった。
「......っと、あぶねぇ.....大丈夫か?」
『.......っあ、』
手を取ったクリーム色の彼と、手を取られた純白の彼女の瞳が合わさる
それに反して、本当ならば、彼女の手を取っていた俺の腕は行き場を失っていた
○○の頬が染まる
『あ、ありがとうございます......』
「今後は気を付けとけ」
一言言った彼は、来た電車に乗ってしまった
クリーム色の彼の後ろ姿を見て○○が一言。
それが
『かっこい.........』
俺が、人と人の、特別な出会いを見た瞬間だった
(.........あ、電車乗らなきゃっ!堅治くん乗ろ?)
(......おー、)