二次創作
短編集②【リクエスト停止】
創作元:未来日記
キャラ:秋瀬或
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『........秋瀬くんはさ、私のストーカーでしょ?』
「愛の探偵、と言って貰いたいかな」
目の前に座って、にこりと微笑む秋瀬くんに、そう問いかけた
ズズ......と、残り少ないオレンジジュースを飲みながら、秋瀬くんを見つめる
それで、どうしたんだい?と澄んだ赤の瞳に言われて、「......なんでもない」と目を逸らす
ジジジ.......と私の携帯から、ノイズ音が聞こえる
「○○、隠し事はバレるよ」
『........なにを調べたの』
ポケットから自身の携帯を取り出して、ゆっくりと画面を開ける
今の時刻は「3時47分」。携帯に表示された「3時50分」の日記に目をやる。
........これはちょっと、まずいかも
焦る気持ちを秋瀬くんに察されないよう、努力をする
「何を調べたって.........人聞きが悪いなぁ」
『そう思われる行動ばっかしてるからでしょ』
会話をしながら少しずつ、秋瀬くんから距離を取る
ここが畳で助かった。少し距離を置いても、あまりバレない
だけど相手が相手.........油断はしないように行動を慎む
「さっき、僕のことを"ストーカー"って言ったけど、僕達は少し種類が違うだろう?」
『"僕達"って.......一括りにしないでもらえる?』
私の言葉を無視して、僕達は心が繋がっているじゃないか。と、さも当然のように平気で言ってみせた秋瀬くん
それに間入れず、「一方通行だからね、勘違いしないで」と秋瀬くんを遠ざける
勘違いじゃないはずだよ?と、私に近づくように腕を伸ばして、体重を掛けた
チクタク、と時計の針が音を奏でた
「僕は、友達という[漢字]線[/漢字][ふりがな]ライン[/ふりがな]を超えて、ちゃんと好きなんだ。」
『.......っ、それは勘違いなの、』
真剣な瞳で見つめられて、揺れる心から目を逸らす
何も勘違いじゃないよ、と少し怒りを含んだ声に、私は口を開く
『.....秋瀬くんが私に対する気持ちは、"新しい玩具を誰かに取られたくなくて、側に置きたい"。そういうことなんだよ』
「......」
黙って此方を見る秋瀬くんに構わず、淡々と話を続ける
そして、勘違いさせる羽目になった"種"を思い出しながら、気持ちを整理する
《秋瀬くんは、充分探偵だよ》
《.......●●ちゃんのことは調べ足りないかな》
《秋瀬くんの好きにすれば良い》
《世界を変えても、僕に着いてきてくれるのかい?》
《.......べつに、嫌いって言ってないけど》
《全く........君の"感情"は素直じゃないね》
《秋瀬或くん。君を助けに来ました》
《......少し、誤算だったなぁ.....》
《じゃあさ........秋瀬くんの"意思"で、私と友達になるか決めて?》
《○○と友達には、なれない》
「秋瀬くんは私に助けられて、"好き"って勘違いしちゃったんだよ」
私の瞳から零れ落ちた涙は、誰にも拭われないまま、綺麗に消えていった
(なにも、わかっていない)
(秋瀬くんの感情なんか、知りたくもないから)