この恋が終わる頃、また世界が爆破する。
この頃毎日がおかしい
大学に入ってどうしようもないため息を付く。
誰も僕と目が合わない。
隣の女が同期生として認識されている。
終わってる。僕は何になったっていうんだ。
遅刻ギリギリだったのが悪いっていうのか。
じゃあ、なんだ。
この女子高生が元々同期生だったってか。
「な、成瀬?...え?お前んな格好してどうした、さすがにキツ...」
「黙って」
ニコリともせず、僕の友人と会話を交える。
その友人も僕を見ていない。
胃が、痛い。
いままでの日常であれば
天地をひっくり返したとでも言わなきゃ
説明がつかないようなありえない対応だった。
僕が廊下を通ると必ず視線が集まって
女の歓声がうるさく響く。
そして隣には当たり前かのように
肩を組む、目の前のコイツの姿があって。
「森川くん、どうして私が逮捕されないか分かりますか?」
くるりと向き直って
薄気味悪さが顕著にあふれる笑顔が僕を見つめた。
「...痛い」
キリキリと、痛む。
「...森川くん?」
「___森川くん!?」
こめかみがまた、嫌な音を立てて割れた。
・・・
「蒼汰!」
「ん、ぁゆめちゃん...?」
次目を開けたとき
寝転ぶ俺を覗き込む優芽の顔があった。
その幼さが残る童顔な顔つきが
大好きだった覚えがある。
「ゆうすけが蒼汰を呼んでほしいらしくて、そこでゆめがパシられたの」
「報酬の100円がゆめを待ってる。起きて!」
そう、そうやって自分の名前を
甘く発音するくせも大好きだった。
俺の名前ははっきり言えるのに
それ以外はうまく言えないんだっけ。
「......あー...かわいいなぁ」
きゅう、と心臓が締め付けられて
変わらず覗き込んだままの君に手を伸ばした。
その手は届くはずもなく、空振って
ゴトリと鈍い音を立てつつ千切れた。
腕は赤が滲む包帯でいっぱいだった。
どういうことか確認する前に
”僕”は、ゆめから目を覚ました。
大学に入ってどうしようもないため息を付く。
誰も僕と目が合わない。
隣の女が同期生として認識されている。
終わってる。僕は何になったっていうんだ。
遅刻ギリギリだったのが悪いっていうのか。
じゃあ、なんだ。
この女子高生が元々同期生だったってか。
「な、成瀬?...え?お前んな格好してどうした、さすがにキツ...」
「黙って」
ニコリともせず、僕の友人と会話を交える。
その友人も僕を見ていない。
胃が、痛い。
いままでの日常であれば
天地をひっくり返したとでも言わなきゃ
説明がつかないようなありえない対応だった。
僕が廊下を通ると必ず視線が集まって
女の歓声がうるさく響く。
そして隣には当たり前かのように
肩を組む、目の前のコイツの姿があって。
「森川くん、どうして私が逮捕されないか分かりますか?」
くるりと向き直って
薄気味悪さが顕著にあふれる笑顔が僕を見つめた。
「...痛い」
キリキリと、痛む。
「...森川くん?」
「___森川くん!?」
こめかみがまた、嫌な音を立てて割れた。
・・・
「蒼汰!」
「ん、ぁゆめちゃん...?」
次目を開けたとき
寝転ぶ俺を覗き込む優芽の顔があった。
その幼さが残る童顔な顔つきが
大好きだった覚えがある。
「ゆうすけが蒼汰を呼んでほしいらしくて、そこでゆめがパシられたの」
「報酬の100円がゆめを待ってる。起きて!」
そう、そうやって自分の名前を
甘く発音するくせも大好きだった。
俺の名前ははっきり言えるのに
それ以外はうまく言えないんだっけ。
「......あー...かわいいなぁ」
きゅう、と心臓が締め付けられて
変わらず覗き込んだままの君に手を伸ばした。
その手は届くはずもなく、空振って
ゴトリと鈍い音を立てつつ千切れた。
腕は赤が滲む包帯でいっぱいだった。
どういうことか確認する前に
”僕”は、ゆめから目を覚ました。