この恋が終わる頃、また世界が爆破する。
掴まれた腕はそのままに
僕は目の前から目を逸らせずかたまった
喉に突き立てられるナイフ
ちく、と僅かに痛みが走り
流れたであろう血を彼女が舐め取る。
妙な感覚と空間
一気に鳥肌が立つのが分かった。
喉仏にあたる舌の感覚がきもちわるい
逆らうにも殺されてしまいそうで
気分転換がてら視線を彷徨わせてみると
「.....っ....?....」
そこには、立っていたはずのサラリーマンが居なくなって
そこには、血溜まりが出来ていて
そこには、......多すぎる死体が山を成していて。
ぐらりと目眩がした
あ?何が、何が起きてる?
なんで爆発なんか...いやなんで人が死んでる?
したのは爆破だけで、ホームの人は何も。
僕のよく称えられる頭は
この時ばかり回ることはなくて
言い換えるとしたら
理解を拒んでいた。
「ぁ...失礼しました。成瀬です」
「森川くんの世界を作るために生まれてきました」
何も耳に入れたくない
彼女の声なんて論外。最も聞きたくない
うるさい、と力が入っていない拳で彼女を振り払った。
僕自身死体は見慣れてるほうだ。
...だから?
だって、これは話が違うじゃないか。
事故で死ぬのと殺されるのとでは何から何まで違うんだ。
なら彼女はどうして平気そうにしていられる。
「僕は...帰る。きみはもうひとを殺したりしないで」
考えるだけむだだと思った
俗に言うテロ。こんな少女が。
改めて世界の恐ろしさが僕を蝕んでいく。
とにかく疲れた。そう、疲れたんだ。
家に帰れたら消化の良い夢を見よう。
今度こそ掴まれた腕を完全に振り切って
なるべく死体を目に入れないよう歩く。
どうせ眠るんだったら
地獄に近しいこの記憶も夢に溶かしてしまえれば。
都合の良い解釈を広げて
痛むこめかみを抑え込んだ。
僕は目の前から目を逸らせずかたまった
喉に突き立てられるナイフ
ちく、と僅かに痛みが走り
流れたであろう血を彼女が舐め取る。
妙な感覚と空間
一気に鳥肌が立つのが分かった。
喉仏にあたる舌の感覚がきもちわるい
逆らうにも殺されてしまいそうで
気分転換がてら視線を彷徨わせてみると
「.....っ....?....」
そこには、立っていたはずのサラリーマンが居なくなって
そこには、血溜まりが出来ていて
そこには、......多すぎる死体が山を成していて。
ぐらりと目眩がした
あ?何が、何が起きてる?
なんで爆発なんか...いやなんで人が死んでる?
したのは爆破だけで、ホームの人は何も。
僕のよく称えられる頭は
この時ばかり回ることはなくて
言い換えるとしたら
理解を拒んでいた。
「ぁ...失礼しました。成瀬です」
「森川くんの世界を作るために生まれてきました」
何も耳に入れたくない
彼女の声なんて論外。最も聞きたくない
うるさい、と力が入っていない拳で彼女を振り払った。
僕自身死体は見慣れてるほうだ。
...だから?
だって、これは話が違うじゃないか。
事故で死ぬのと殺されるのとでは何から何まで違うんだ。
なら彼女はどうして平気そうにしていられる。
「僕は...帰る。きみはもうひとを殺したりしないで」
考えるだけむだだと思った
俗に言うテロ。こんな少女が。
改めて世界の恐ろしさが僕を蝕んでいく。
とにかく疲れた。そう、疲れたんだ。
家に帰れたら消化の良い夢を見よう。
今度こそ掴まれた腕を完全に振り切って
なるべく死体を目に入れないよう歩く。
どうせ眠るんだったら
地獄に近しいこの記憶も夢に溶かしてしまえれば。
都合の良い解釈を広げて
痛むこめかみを抑え込んだ。