- 閲覧前にご確認ください -

こちらの小説はヘタリアの二次創作です。
作者がちょっとにわかなので少々手が荒いところがありますがご容赦ください。

7話に「フェリルー」「フラアサ」「ロヴィ菊」、
10~11話「朝菊」要素があります。地雷さんグッバイ。

文字サイズ変更

二次創作
静かにできない国々たち

#11

朝菊でずぅっといっしょ!②


俺は、もう少し普通に悲しいことを「悲しい」と言えればよかったんだ。



誰かの助けに素直になっていれば、こんなに苦労することなかったんだ。



菊が俺の元を離れていったとき、こう言われた。



「せいぜい一生懸命に生きてくださいね」



お前を殺す、そんな目のくせに、どうして薔薇のように可憐に笑うんだよ。



その時から俺は、いろんな国々と戦って死にたがった。



あんな声の言いなりにならない、という子供のような意地だった。

思えばあの日から、俺はすでに菊の虜だったのかもしれない。

[水平線]



アーサー「これは降られたな…」



イギリスだったらこんなこと大した問題じゃないが、目の前の雨嵐にひどく狼狽した。



アーサー「しまった、傘持って来てねぇよ…仕方ねえ、どっかで買うか…」



俺は日本に来ていた。


…菊に会うため。



「菊だけ俺の元を離れて、知らないうちに幸せになるなんて許さない」



重すぎる、惨すぎる感情だった。



ただ、その気持ちはすぐに消えてしまう。



菊「アーサーさん!?こんなところでどうしたんですか、傘もささずに!」



背後から待ってたはずの声がする。



アーサー「菊…?」



菊「びしゃびしゃじゃないですか!貴方は顔はいいんだから、大事にしないと…」




ちょっと待て、顔はってなんだ。顔以外もいいとこあるだろ…



菊「近くに私の家がありますので、上がってください。」



アーサー「お、おい!?」




濡れた俺の腕を引っ張っていく菊の姿を見て、どうしようもなく胸が高鳴る。



さっきの気持ちは、この時点でごみ箱行きだった。

[水平線]


菊「どうして傘を持ち歩かなかったんですか?」



アーサー「いや…」


菊「風邪をひいたらどうするんです、国民にも風邪が大流行するんですよ!?」


ひたすらに俺を心配しながら、頭をタオルで乾かしてくれる。


そんな姿に俺はもうどうしようもなく、壊れてしまった。



アーサー「…悪い、菊」


…本当にごめん、菊。


菊「謝ってほしいんじゃないんですよ…ただ、あなたは…」



アーサー「お前が好きだ」



菊「…はっ…?」


アーサー「俺たちが二人、相棒だと笑いあった日から、俺はずっとお前が好きだ」


菊「…」



アーサー「こんなこと間違いだってわかってる。…言わせてくれ」



アーサー「[太字]俺とずっと一緒にいてくれ![/太字]」


言葉を言い終わると、うるさい心臓の音の中に、こんな声が返ってきた。


菊「…まったく、とんでもない間違いですよ」



菊「[太字]私も貴方が好きです。アーサーさん。[/太字]」



アーサー「……!」



菊「けれど…私たち、一緒になっていいんでしょうか?」



菊「あの日から私、何も変わってない。…また貴方と離れるかもしれない。

…そのぐらいなら私は、はじめから___」



語尾を発する前に、菊の唇を奪う。



アーサー「…大丈夫だ。…今度は絶対、離れさせてやらねえから」


菊「…っ…」


アーサー「安心して間違えようぜ?」



その言葉のあと、見せた菊の笑顔は、俺が知る中で一番キレイな笑顔だった。

[水平線]


アーサー「…クソ」


早朝3時。俺はそんな夢に起こされて寝付けなくなっていた。



菊「すぅ…すぅ…」



隣で眠る菊は本当にかわいらしくて、今こうして傍にいられることが幸せだ。




アーサー「…[小文字]菊は、俺のことかっこいいって言ったからな?[/小文字]




言質を取ったといわんばかりに、そうつぶやく。



アーサー「俺は、[漢字]お前の一生の後悔として添い遂げるよ[/漢字][ふりがな]お前を離さない[/ふりがな]」



こうして繋がれて外れなくなってしまったからにはな。



___[明朝体]せいぜい一生懸命に生きてくださいね[/明朝体]



何度でもあの暗い笑顔がフラッシュバックしてる、最低だ。



あの日を迎えるまでのほうが俺、…



アーサー「[太字]かわいかったなあ![/太字]」


そう吐き出したその時だった。



[水平線]



菊「…今更何を言っているのですか?」



アーサー「わぁっ!?き、菊、起きてたのか…」



菊「私だって、あなたの一生の後悔として添い遂げるつもりですが?」



アーサー「…へ?」



そう返してくれる菊の言葉が、俺の心にユリノキを生やす。



心の中にいる、弱い子供はこう言った。



「おれの大切なもの…それは…」


それに俺はこう返す。


「[漢字]今無くしたそれ[/漢字][ふりがな]孤独[/ふりがな]だ」

って。


菊「雨の中、[漢字]私と間違いを犯した日[/漢字][ふりがな]あなたが告白してきた日[/ふりがな]から、もう取返しはつきません」



アーサー「…それは…」



菊「健やかなるときも病めるときも。」



菊「たとえほかの誰かと眠っていても。」



菊「お揃いの悪夢の中でずぅっといっしょです。」



アーサー「…」



アーサー「あぁ、そうだな。…ずぅっといっしょに居ような、菊」




暗い部屋。お互いの顔だけ視界に入れながら、軽いリップ音と共に、もう一度眠りについた。



作者メッセージ

歌詞を借りた楽曲「ずぅっといっしょ!」キタニタツヤ様

2025/03/09 15:01

おとうふ ID:≫ 311FhI4lyBsAA
続きを執筆
小説を編集

パスワードをおぼえている場合はご自分で小説を削除してください。(削除方法
自分で削除するのは面倒くさい、忍びない、自分の責任にしたくない、などの理由で削除を依頼するのは絶対におやめください。

→本当に小説のパスワードを忘れてしまった
▼小説の削除を依頼する

小説削除依頼フォーム

お名前 ※必須
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
削除の理由 ※必須

なぜこの小説の削除を依頼したいですか

ご自分で投稿した小説ですか? ※必須

この小説は、あなたが投稿した小説で間違いありませんか?

削除後に復旧はできません※必須

削除したあとに復旧はできません。クレームも受け付けません。

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
小説のタイトル
小説のURL
/ 13

コメント
[8]

小説通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

盗作されたと思われる作品のタイトル

※できるだけ具体的に記入してください。
特に盗作投稿については、どういった部分が元作品と類似しているかを具体的にお伝え下さい。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
小説のタイトル
小説のURL