その後、放課後に、ほのかはグチグチと愚痴を零しながら家に帰宅していく。
「あいつなになに最近‼虐め十連発ぐらい失敗するとか……マジあり得ないんだけど、なんなのあいつ最近…！調子乗りやがっ…」
玄関を開けると、母親が父親と夫婦喧嘩を繰り返していた。
「だから！お前そんな金にもならないアルバイトしてんじゃねえよ！」
「だって…！キャバクラ通いのあなたはどうなんです！私がアルバイトでお金を稼いでいなければ、この家庭はすぐに崩壊しているんですよ!?」
父は毎日怒り、母は毎日泣き続ける。
地獄絵図の居心地の悪い複雑な家庭環境。
父親が涼架の母親と仲良くなってから、家庭環境が崩壊し、それに追い詰められていた母親からは一時的に虐待を受けていたのである。
そのせいで涼架を憎んだほのかは、涼架を惨殺すれば家庭環境を取り戻せるという歪んだ空想を思い浮かべていたのであった。
「俺が苦労して稼いだ金何に使おうが勝手だろうがっ！」
父親は母親を怒鳴り付け、更には離婚調停。
一人っ子であるほのかをどちらに回そうか悩んでいたところだ。
「ふざけんなっ！」
「痛いです、あなた落ち着いてください！わかりました、私が悪いというのなら来月にアルバイト辞めますよ…！だから落ち着いてください！」
「来月じゃなくて今日辞めろ！図々しんだよお前はよぉ！」
その後、父親は怒鳴って二階に逃げ込んでいく。
そして、母親は左手の指にはめられた指輪を外そうとした瞬間、ほのかが帰ってきていることに気付いて、ハッとして微笑む。
「……ほのちゃんももう少し、早く帰ってきてくれればいいのに。ママまた一人で怒られちゃった。ほのちゃんは……ママの味方だよね。ママのお話……聞いてくれるよね……？」
「うん……」








「ほのちゃーん、ご飯よ！」
「は～い。」
「今日は、ほのちゃんの大好きなハンバーグを作ったの。」
「パパは？」
「……パパは、涼架ちゃんのお母さんと飲みに行ってるみたいだから。」
「そっか……」
そして席に座り、ハンバーグを頬張る。
「んー、美味しいよママ！」
「それはよかった、ねえほのちゃん、パパってほのちゃんにとって何なの？」
「…え、大切なパパ……だけど…」
「…そう。パパとママね、もうそういうのやめることにしたの。離婚するから、ほのちゃんはママについてきてくれるよね……？」
「…うん……」




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