ゲシュタルト崩壊~Kaede's Day~
#1
一日目
ある日の放課後、僕は廃病院に行った。
肝試しをするわけでも、大事な用事があったわけじゃない。ただ、誰にも見られず本を読める空間が欲しかった。
中に入り、ほこりをかぶった階段を上がっていく。
最上階につき、屋上へのドアを開ける。
広さは3畳くらいで、女性が柵に座っていた。足をぶらぶらとさせているため、今にも落ちそうだ。
女性の体が前に傾く。
「危ない!!」
僕は言うより先に女性を引き上げ、地面に倒れこんだ。
地面はコンクリートだったため、ものすごく痛かった。
「だ、大丈夫ですか?」
声をかけながら僕の上に乗るような状態の女性を見ると、何故かきょとんとした顔をし、
「大丈夫って…何が?」
と聞いてきた。
「何がって…落ちそうだったんですよ!?」
僕の言葉を聞いた女性は数秒考え、
「あぁ、あれね。あれは私にとって遊びなの。わざと落ちかけてスリルを楽しむ…的な?」
と笑いながら言ってきた。
信じられない。あれが遊び?
「一歩間違えたら死ぬかもしれないんですよ!?」
「う~ん、まぁ、その時はその時で」
驚きを通り越してもはや呆れまで感じてきた。
「どっかで見たことある顔だね~名前は?」
「…………山橋楓。」
なんて楽観的なんだ。
「へぇ、楓くんか~」
一泊おき、
「私は中川千晴!よろしくね!」
自分の名を言った。
「中川千晴…?」
聞いたことは…ないな。
「ねぇ、楓くん」
「この世に飽きてない?」
肝試しをするわけでも、大事な用事があったわけじゃない。ただ、誰にも見られず本を読める空間が欲しかった。
中に入り、ほこりをかぶった階段を上がっていく。
最上階につき、屋上へのドアを開ける。
広さは3畳くらいで、女性が柵に座っていた。足をぶらぶらとさせているため、今にも落ちそうだ。
女性の体が前に傾く。
「危ない!!」
僕は言うより先に女性を引き上げ、地面に倒れこんだ。
地面はコンクリートだったため、ものすごく痛かった。
「だ、大丈夫ですか?」
声をかけながら僕の上に乗るような状態の女性を見ると、何故かきょとんとした顔をし、
「大丈夫って…何が?」
と聞いてきた。
「何がって…落ちそうだったんですよ!?」
僕の言葉を聞いた女性は数秒考え、
「あぁ、あれね。あれは私にとって遊びなの。わざと落ちかけてスリルを楽しむ…的な?」
と笑いながら言ってきた。
信じられない。あれが遊び?
「一歩間違えたら死ぬかもしれないんですよ!?」
「う~ん、まぁ、その時はその時で」
驚きを通り越してもはや呆れまで感じてきた。
「どっかで見たことある顔だね~名前は?」
「…………山橋楓。」
なんて楽観的なんだ。
「へぇ、楓くんか~」
一泊おき、
「私は中川千晴!よろしくね!」
自分の名を言った。
「中川千晴…?」
聞いたことは…ないな。
「ねぇ、楓くん」
「この世に飽きてない?」
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