二次創作
いろいろある短編集【リクOK】
あれは、8月15日の午後12時半くらいのこと。その日は天気が良くて、病気になりそうなほどの眩しい日差しが差し込んでいた。
「今日も暑いな…」
「それな…ロボロ、アイス奢ってくれん?」
「なんでや?!嫌に決まっとるやろ!」
「えぇ〜…あ、ロボロ!猫がいるよ」
「ほんまや!ほらほら、おいで…えぇ子やな」
「ロボロ、猫好きなんやったけ」
「…まぁ、夏は嫌いやけど」
猫を撫でながら、君はふてぶてしく呟いた。しばらくぼんやりとベンチに腰掛ける。
「…あっ」
ふと、ロボロが小さく声を漏らす。視線をずらすと先程の猫が走り去っていた。ロボロは腰を浮かし、猫を追いかける。
「ちょ、ロボロ…」
俺は慌てて止めようとするも、すでにかなり距離が開いていた。諦めかけた俺の視界に、絶望的な色が飛び込んでくる。
[中央寄せ]彼が飛び出した先にあったのは、赤の信号機――…[/中央寄せ]
「[大文字]――ッッ、ロボロ!![/大文字]」
待って、という言葉は声にならなかった。バッと通ったトラックが、君を轢きずって泣き叫ぶ。飛び散る血飛沫が君の香りと混ざり合って、思わずむせ返った。
(嘘…だろ?)
ぐらりと視界が揺れる。全てが夢のようだった。…でも、陽炎が「嘘じゃないぞ」って嗤ってる。
「――あ、あぁ…ロボロ…!!」
夏の水色と、かき回すような蝉の音に全て眩んだ――…
ピピピピッ…という目覚ましの音が、頭の中にぼんやりと響く。俺は飛び起きると、目を覚ましたベッドの上で慌てて時計を確認した。…8月14日の、午前12時過ぎくらいを指している。
(さっきのは…夢?)
汗をぐっしょりと掻いている…。やけに煩い蝉の声を覚えていた。
「……」
「…で、オレが死ぬ夢を見たと?」
昨日夢で見た公園と同じ場所で、俺はロボロに夢のことを話していた。
「そうなんだよね…」
(でも、なんであんな夢を見たんやろ…少し、不思議だなぁ)
そんなことをぼんやりと思った後、早くこの悪夢を記憶から消そうと首を振る。
「…ロボロ、もう今日は帰ろうか」
そう言いながら道を抜けた、その時。周りの人は皆上を見上げ、口を開いていた。嫌な予感がして、思わず立ち止まる。…しかし、ロボロは気にせずさっさと歩いていってしまった。
「何しとるんやペ神、はよ帰ろ…」
[中央寄せ]…それが彼の、最後の言葉だった。[/中央寄せ]
「ッッ――、なんで…」
落下してきた鉄柱が、君を貫いて突き刺さる。劈く悲鳴と風鈴の音が、木々の隙間で空廻りした。昨日の夢が脳裏にちらつく。
「嘘や…こんなの…」
ぐらり、と目眩を感じた。ワザとらしい陽炎が、「嘘じゃないぞ」って嗤ってる。
眩む視界に映った君の横顔が、笑っていたような気がした――…
何度世界が眩んでも、陽炎が嗤って奪い去る。それを何回も何十年も繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して――…!!何度君を、失ったのだろう。
(…本当は、もうとっくに気づいてたろ)
何度目かわからない世界で、自分自身に言い聞かせる。こんなよくある話なら結末はきっと1つだけ。
「…もう、終わりにしよう」
――繰り返した夏の日の向こうへ、飛び込んでいった。
走り去っていく猫を追いかけて、ロボロは赤信号の道路へ飛び出そうとする。そんな君を…俺は、バッと押しのけた。
「――え、ペ神…?」
ロボロの小さく呟く声が聞こえる。次の瞬間、
[中央寄せ]俺の身体は、トラックにぶち当たった。[/中央寄せ]
「[大文字]――ッッ、ペ神!![/大文字]」
ロボロが駆け寄ってきた。何度見たかわからない血飛沫の色。君の瞳と軋む身体に乱反射する。文句ありげな陽炎に「ざまぁみろよ」って笑ってやった。
(ロボロを…お前なんかに、やるかよ――…!)
――実によく在る夏の日のこと。そんな何かが、ここで終わった。
目を覚ましたのは8月14日のベッドの上。"彼"はただ、
「…またダメやったわ」
と一人、猫を抱きかかえていた――…
[右寄せ]―END―[/右寄せ]
「今日も暑いな…」
「それな…ロボロ、アイス奢ってくれん?」
「なんでや?!嫌に決まっとるやろ!」
「えぇ〜…あ、ロボロ!猫がいるよ」
「ほんまや!ほらほら、おいで…えぇ子やな」
「ロボロ、猫好きなんやったけ」
「…まぁ、夏は嫌いやけど」
猫を撫でながら、君はふてぶてしく呟いた。しばらくぼんやりとベンチに腰掛ける。
「…あっ」
ふと、ロボロが小さく声を漏らす。視線をずらすと先程の猫が走り去っていた。ロボロは腰を浮かし、猫を追いかける。
「ちょ、ロボロ…」
俺は慌てて止めようとするも、すでにかなり距離が開いていた。諦めかけた俺の視界に、絶望的な色が飛び込んでくる。
[中央寄せ]彼が飛び出した先にあったのは、赤の信号機――…[/中央寄せ]
「[大文字]――ッッ、ロボロ!![/大文字]」
待って、という言葉は声にならなかった。バッと通ったトラックが、君を轢きずって泣き叫ぶ。飛び散る血飛沫が君の香りと混ざり合って、思わずむせ返った。
(嘘…だろ?)
ぐらりと視界が揺れる。全てが夢のようだった。…でも、陽炎が「嘘じゃないぞ」って嗤ってる。
「――あ、あぁ…ロボロ…!!」
夏の水色と、かき回すような蝉の音に全て眩んだ――…
ピピピピッ…という目覚ましの音が、頭の中にぼんやりと響く。俺は飛び起きると、目を覚ましたベッドの上で慌てて時計を確認した。…8月14日の、午前12時過ぎくらいを指している。
(さっきのは…夢?)
汗をぐっしょりと掻いている…。やけに煩い蝉の声を覚えていた。
「……」
「…で、オレが死ぬ夢を見たと?」
昨日夢で見た公園と同じ場所で、俺はロボロに夢のことを話していた。
「そうなんだよね…」
(でも、なんであんな夢を見たんやろ…少し、不思議だなぁ)
そんなことをぼんやりと思った後、早くこの悪夢を記憶から消そうと首を振る。
「…ロボロ、もう今日は帰ろうか」
そう言いながら道を抜けた、その時。周りの人は皆上を見上げ、口を開いていた。嫌な予感がして、思わず立ち止まる。…しかし、ロボロは気にせずさっさと歩いていってしまった。
「何しとるんやペ神、はよ帰ろ…」
[中央寄せ]…それが彼の、最後の言葉だった。[/中央寄せ]
「ッッ――、なんで…」
落下してきた鉄柱が、君を貫いて突き刺さる。劈く悲鳴と風鈴の音が、木々の隙間で空廻りした。昨日の夢が脳裏にちらつく。
「嘘や…こんなの…」
ぐらり、と目眩を感じた。ワザとらしい陽炎が、「嘘じゃないぞ」って嗤ってる。
眩む視界に映った君の横顔が、笑っていたような気がした――…
何度世界が眩んでも、陽炎が嗤って奪い去る。それを何回も何十年も繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して――…!!何度君を、失ったのだろう。
(…本当は、もうとっくに気づいてたろ)
何度目かわからない世界で、自分自身に言い聞かせる。こんなよくある話なら結末はきっと1つだけ。
「…もう、終わりにしよう」
――繰り返した夏の日の向こうへ、飛び込んでいった。
走り去っていく猫を追いかけて、ロボロは赤信号の道路へ飛び出そうとする。そんな君を…俺は、バッと押しのけた。
「――え、ペ神…?」
ロボロの小さく呟く声が聞こえる。次の瞬間、
[中央寄せ]俺の身体は、トラックにぶち当たった。[/中央寄せ]
「[大文字]――ッッ、ペ神!![/大文字]」
ロボロが駆け寄ってきた。何度見たかわからない血飛沫の色。君の瞳と軋む身体に乱反射する。文句ありげな陽炎に「ざまぁみろよ」って笑ってやった。
(ロボロを…お前なんかに、やるかよ――…!)
――実によく在る夏の日のこと。そんな何かが、ここで終わった。
目を覚ましたのは8月14日のベッドの上。"彼"はただ、
「…またダメやったわ」
と一人、猫を抱きかかえていた――…
[右寄せ]―END―[/右寄せ]