パート1 最終話〈ヴァンパイアの苦悩〉

どこで手に入れたのか、分からない銃で菅原を撃ったブルース。
「自分…何モンや？チッ！痛ったいのう！腹の立つ！いてもうたろか！われ！コラ！」
「俺も吸血鬼さ！すごい殺気だ。面白いな、殺せるだったら、殺せ」

拾った刀で、ブルースの元へ向かう菅原。
ブルースの高速移動について行くので、必死の菅原。菅原は一方的に殴られる。菅原はブルースの太ももを傷つけるが、
顎をブルースに蹴られる。この時、菅原は家族のことを思い出した。
「大したことないやつだ。だが、根性はある。
本来だったら仲間にするが、トミーがいるんでな」

クックック、とタバコを咥えながら奇妙な笑みを浮かべる菅原。
「何がおかしい？気持ちの悪いやつだ」
「おたく、まだ俺のこと分かってへん、のと違うか？俺は大したことある人間や」
そう言うと、タバコに火をつけた。
ブルースは感じた。こいつまさか！と。
逃げるブルースを必死に掴んだ管原。
離せと叫ぶブルースを無視して、菅原は。
「あつこ！迷惑かけてすまん。子供は任せたで」
大きな爆発音と共にヤクザ菅原は死亡した。

爆発に驚いたトミーだったが、切り替えてアレンの元へ行った。
今から殺してやろう。というような殺気で、アレンを見る。

アレンは片手でトミーに銃を向けた。
「頼む！死んでくれ！子供の借金返さなきゃダメなんだよ！俺だって事情があるんだよ！」
しかし、トミーは聞かない。無言で近づくトミー。頼む！何度も叫ぶアレンにトミーは、
「わざわざ、なんで俺なんだ！平和に暮らさせてくれよ！」

殺そうとするトミーは、どんどん逃げるアレンを追いかける。すると、ポチッ！と音がした。
聞いたことがある音だった。
トミーは戦争の記憶がフラッシュバックした。
トミーが踏んだのは地雷だった。
「は、やったぜ！化け物め、俺だって平和に暮らしたいんだよ！息子とな！死にやがれ！」
アレンは銃を撃つ。倒れるトミー。そして、ボカーン！と地雷が発動した。

トミーは爆発の影響で腕が無くなった。目が覚めた、自分は生きている、メアリーは！
メアリー！必死に叫ぶトミー。すると、
トミー！と返事が返ってきた。
しかし、なぜ自分は生きているのか？
振り向くと、ブルースの体が上半身しか無くなっていた。庇ったのはブルースだった。
「はぁはぁ俺が…死ぬのか…トミー！お前を吸血鬼にして…すまなかった」
「ブルース！死ぬな！くそ！」
運悪く、トミーは生きていたことを知るアレン。
「くそ！なんでまだ生きてやがる！まさか…女か！」
「違う！ブルースだ！なんて事をしてくれたんだ！」
トミーはアレンを、気が済むまで、殴った。
そして、残酷に殺した。
そして、ブルースは死亡した。

トミーはもう動けなかった。メアリーのとこへ行くと、メアリーは爆発の影響で死にかけていた。トミーを助けに行こうとしたのだ。
「メアリー今すぐ吸血鬼に…」
「大丈夫…よ。どう…せ、もう死ぬ。私の血を飲んで」
トミーはとても後悔した。あの時メアリーが吸血鬼にして。と言った時に言うとおりにしておけば。そもそもにおいて、吸血鬼にならなければ、良かった。
もう死にそうになるメアリー。トミーは覚悟を決めて、メアリーの血を飲んだ。

復活したトミー。しかし、メアリーは死んだ。
激しく泣き叫ぶトミー。
ブルースを森に埋め、菅原、アレン、リチャードも森に埋めた。
トミーは生きる意味を失った。

トミーは町に行って、太陽の光で死のうとする。しかし、裏道で殴られている子がいた。
トミーは無視することができなかった。
殴ってるやつを後遺症が残らない程度に襲い、
殴られている子を助けた。

すると、町の人がやってくる。トミーは人前で自分が吸血鬼である事を話した。
「私は吸血鬼トミーだ！吸血鬼は何人もいる。
試しにこのガキの血を飲もうか？」
トミーはその場を離れた。トミーは自分の正体をバラし、いつか、自分を殺す奴を現れる事を待ち遠しく待った。
メアリーへ愛しているよ。僕が死ぬまでの長い間ずっと。