幼小中高大一貫!!! 戦国学院
「ねえ、信長様」
「なんだよ?濃」
くっついて歩く濃。頬をほんのりと赤らめている。学院最強の女傑とは到底思えない。
「あの…同居してもいい?」
ブッ!!! ゴホゴホッ!
いきなりすぎて吹き出してしまった。
「どうしたんだよ! いきなり」
「あのね…兄が、父さまを殺してしまって…。兄は逮捕。母は実家に帰ってしまってね。私、居場所がないのよね」
きゅっと自分の手を握って話す。いつもは鷹のような女子なのに、今は鷹に狩られる方の動物みたいだ。
「…でも、兄は3人いたはずだろ? 残り2人はどうしたんだ? えー、次兄の孫四郎と、三兄の喜平次だったか?」
「孫四郎兄さまはK大、喜平次兄さまはS大に行きましたよ。どちらの大学も、かなりの高倍率だったようです」
「学費はどうする気なんだ?」
「2人とも特待生ですの!」
え? マジで!? K大とS大の、特待生!? マジ賢さんじゃねーか!?
「分かってもらえたかしら? 同居OK?」
「良いけど…本当に良いのか?」
「毎日市さまに会えます!! とても幸せです!! サルの悔しがる姿が、目に浮かんで…。気持ちがいいです!! スカッと」
なんだコイツ、Sか…?
「じゃあ、母さんと父さんに話つけとくわ」
「今からでも行っていいですか?」
今から!? 早くねえか!?
───父と母に話をすると、顔を合わせて、
「別に、女の子1人増えたところで変わることはない」
って言った。つまり良いってワケだな。
濃を家に連れて行くと、母さんが
「帰蝶さん。自分家で暮らしたくないかしら?」
なんて言ってきた。
自分家? どういうことだかさっぱりだが。
「いえ、もう暮らしたくないです」
キッパリと言い張ったその姿は、弱肉ではなく、鷹の目をした、女傑だった。
「あなたは…市と、とても仲良くしてくれているようね。ありがとう。信長とは、カップルだとか」
「!? …ええ、そうです。信長様は私を愛していると言ってくださいました。本当に尊敬しています」
はは…。
俺は目を逸らす。これまで恥ずかしくて言ってなかったのに、彼女に暴露された。まあ、彼女側からしたら、嬉しさの塊でしかない言葉だ。俺から見たら羞恥の塊だ。
「帰蝶さん。美濃区の家は私たち織田家が保護するわ。帰蝶さんは、信長と美濃区の家で暮らさない?」
は…? 母さんは何をいっているんだ?
「母さん! 私も一緒に暮らしたい!! 兄さんだけじゃなくて、濃さんもいるんでしょ? 絶対楽しいよ!」
市がはしゃぐ。もう決まった話のように。
「市さまがいらっしゃるのなら…喜んで」
え!?
「なんだよ?濃」
くっついて歩く濃。頬をほんのりと赤らめている。学院最強の女傑とは到底思えない。
「あの…同居してもいい?」
ブッ!!! ゴホゴホッ!
いきなりすぎて吹き出してしまった。
「どうしたんだよ! いきなり」
「あのね…兄が、父さまを殺してしまって…。兄は逮捕。母は実家に帰ってしまってね。私、居場所がないのよね」
きゅっと自分の手を握って話す。いつもは鷹のような女子なのに、今は鷹に狩られる方の動物みたいだ。
「…でも、兄は3人いたはずだろ? 残り2人はどうしたんだ? えー、次兄の孫四郎と、三兄の喜平次だったか?」
「孫四郎兄さまはK大、喜平次兄さまはS大に行きましたよ。どちらの大学も、かなりの高倍率だったようです」
「学費はどうする気なんだ?」
「2人とも特待生ですの!」
え? マジで!? K大とS大の、特待生!? マジ賢さんじゃねーか!?
「分かってもらえたかしら? 同居OK?」
「良いけど…本当に良いのか?」
「毎日市さまに会えます!! とても幸せです!! サルの悔しがる姿が、目に浮かんで…。気持ちがいいです!! スカッと」
なんだコイツ、Sか…?
「じゃあ、母さんと父さんに話つけとくわ」
「今からでも行っていいですか?」
今から!? 早くねえか!?
───父と母に話をすると、顔を合わせて、
「別に、女の子1人増えたところで変わることはない」
って言った。つまり良いってワケだな。
濃を家に連れて行くと、母さんが
「帰蝶さん。自分家で暮らしたくないかしら?」
なんて言ってきた。
自分家? どういうことだかさっぱりだが。
「いえ、もう暮らしたくないです」
キッパリと言い張ったその姿は、弱肉ではなく、鷹の目をした、女傑だった。
「あなたは…市と、とても仲良くしてくれているようね。ありがとう。信長とは、カップルだとか」
「!? …ええ、そうです。信長様は私を愛していると言ってくださいました。本当に尊敬しています」
はは…。
俺は目を逸らす。これまで恥ずかしくて言ってなかったのに、彼女に暴露された。まあ、彼女側からしたら、嬉しさの塊でしかない言葉だ。俺から見たら羞恥の塊だ。
「帰蝶さん。美濃区の家は私たち織田家が保護するわ。帰蝶さんは、信長と美濃区の家で暮らさない?」
は…? 母さんは何をいっているんだ?
「母さん! 私も一緒に暮らしたい!! 兄さんだけじゃなくて、濃さんもいるんでしょ? 絶対楽しいよ!」
市がはしゃぐ。もう決まった話のように。
「市さまがいらっしゃるのなら…喜んで」
え!?