幼小中高大一貫!!! 戦国学院
[大文字][太字]義元公、死去。[/太字][/大文字]
新聞の1枚目にどデカく書いてある。ニュースでもトップニュースだ。跡継ぎはいるようだが、まだ成人していない。
[太字][大文字]織田信長、逮捕。[/大文字][/太字]
…はない。
俺は逮捕されなかった。警察の人に助けを求めた。窓を割られたと、馬鹿にされたと、そして、石を当てて来たと。そうしたら、なんと逮捕されなかった。家康の証言もあってだと、母は言う。
「やっぱり、後輩は大切にするものねえ」
しみじみ言われても困る。
俺は学校へと向かった。
「先輩!」
話しかけてきたのはなんと、今川財閥の秘書の息子、徳川家康だった。コイツは本当に真面目で優しい奴だ。
「どうした? 家康。……んんん?」
コイツ、女と手を繋いでいる。身なりからして、中学生だ。
「えっと…、あの、僕の…えっと…その…」
「彼女です! 織田先輩、おはようございます。犬先輩にお世話になっております! 関口 瀬名です」
関口…!?
「もしかして、関口 親永殿の娘か?」
「…Yes!! so?」
嫌がらせだ。俺は英語が分からない。
「そうです。でしたら、なんでしょうか?」
聞きなれた、上品で毒のある声。関口の娘でも、家康でも、妹たちの声でもない。
濃の声だった。スポーツ万能、勤勉秀才、戦国学院最強の女傑だ。
「あっ、帰蝶先輩!?」
「お久しぶり。瀬名さん。英語、上達したようね」
「英語ペラ子ですが、中国語ペラ子でもあります! それもこれも、帰蝶先輩のおかげです」
女同士の会話はレベルが違う。ずっと上の方を行く。家康も同じように、ぽけ〜としている。いや、アイツはいつでもそうか。
「信長様、瀬名に罪はないのです。ただ、可愛がられていたというだけで」
関口家は今川家の遠い親戚だ。だから怪しんだ。しかし、関口家はこの前の桶狭間の戦い? にはいなかったので、目をつぶることにした。
「ああ、大丈夫だ」
「私は義元公を心から慕っておりましたが、氏真は好きではありません。今川財閥はもう嫌です…」
ついこぼしてしまった愚痴のようだ。
「瀬名、先輩側につかないか?」
家康がついに口を開けた。それは今川からすれば裏切りとなる行為である。
「…ブラック企業ではないと言い張るけれど…、会社員に対して、パワハラするわ、カスハラするわで、ブラック要素しかないのが、今川財閥の現状。…織田先輩さえ良いのなら、是非ともそうさせて欲しいです」
家康を抱きしめてそう言った。
「なんか、意外と…ラブラブか?」
「かしらね。…私も早くしなきゃね…」
何かつぶやいていたが、よく聞き取れなかった。誰か気になる男でもいるんだろうか。尻に敷かれるなよ。
新聞の1枚目にどデカく書いてある。ニュースでもトップニュースだ。跡継ぎはいるようだが、まだ成人していない。
[太字][大文字]織田信長、逮捕。[/大文字][/太字]
…はない。
俺は逮捕されなかった。警察の人に助けを求めた。窓を割られたと、馬鹿にされたと、そして、石を当てて来たと。そうしたら、なんと逮捕されなかった。家康の証言もあってだと、母は言う。
「やっぱり、後輩は大切にするものねえ」
しみじみ言われても困る。
俺は学校へと向かった。
「先輩!」
話しかけてきたのはなんと、今川財閥の秘書の息子、徳川家康だった。コイツは本当に真面目で優しい奴だ。
「どうした? 家康。……んんん?」
コイツ、女と手を繋いでいる。身なりからして、中学生だ。
「えっと…、あの、僕の…えっと…その…」
「彼女です! 織田先輩、おはようございます。犬先輩にお世話になっております! 関口 瀬名です」
関口…!?
「もしかして、関口 親永殿の娘か?」
「…Yes!! so?」
嫌がらせだ。俺は英語が分からない。
「そうです。でしたら、なんでしょうか?」
聞きなれた、上品で毒のある声。関口の娘でも、家康でも、妹たちの声でもない。
濃の声だった。スポーツ万能、勤勉秀才、戦国学院最強の女傑だ。
「あっ、帰蝶先輩!?」
「お久しぶり。瀬名さん。英語、上達したようね」
「英語ペラ子ですが、中国語ペラ子でもあります! それもこれも、帰蝶先輩のおかげです」
女同士の会話はレベルが違う。ずっと上の方を行く。家康も同じように、ぽけ〜としている。いや、アイツはいつでもそうか。
「信長様、瀬名に罪はないのです。ただ、可愛がられていたというだけで」
関口家は今川家の遠い親戚だ。だから怪しんだ。しかし、関口家はこの前の桶狭間の戦い? にはいなかったので、目をつぶることにした。
「ああ、大丈夫だ」
「私は義元公を心から慕っておりましたが、氏真は好きではありません。今川財閥はもう嫌です…」
ついこぼしてしまった愚痴のようだ。
「瀬名、先輩側につかないか?」
家康がついに口を開けた。それは今川からすれば裏切りとなる行為である。
「…ブラック企業ではないと言い張るけれど…、会社員に対して、パワハラするわ、カスハラするわで、ブラック要素しかないのが、今川財閥の現状。…織田先輩さえ良いのなら、是非ともそうさせて欲しいです」
家康を抱きしめてそう言った。
「なんか、意外と…ラブラブか?」
「かしらね。…私も早くしなきゃね…」
何かつぶやいていたが、よく聞き取れなかった。誰か気になる男でもいるんだろうか。尻に敷かれるなよ。