幼小中高大一貫!!! 戦国学院
[大文字]パリーン[/大文字]
窓が割れた。
窓の近くに寄って行くと怒声が聞こえた。
「所得を上げさせろ!! 所得倍増計画を条令として出せ!!」
「俺たちの職場はブラック企業ではない!! 社員に嘘の情報を流してくれるな!!!」
しゃがみこんで、窓を割った物体を拾う。───ただの石だ。窓の外を覗く。結構な数の人間だなあ。…アイツは…!
「…家康!!」思わず叫んでしまった。それほどの驚き。
「せ、せせせせ先輩!? なぜ、そこに!?」
声が裏返っている。この驚きようを見ると、家康は何も知らずにここにいることがわかった。
「そりゃー、ここ、俺の自宅だぜ? …おっと、おいテメェ!! 石投げんな!」
「わーい、なんにも出来ねーおぼっちゃまー♪」
てめーら…、今に見てろよォ!!
「兄さん、これから私たち、どうなるの…?」
「大丈夫だ、市。俺はきっと、この家を守る!!」
俺は顔の前でガッツポーズを決めて、市をなだめた。
「兄さん、本当に大丈夫なんでしょうね? 嘘だったら、市が泣くわよ」
鋭い目つきで睨みつけてくるのは、俺の妹で、市の姉である「犬」。犬は俺が嫌いらしい。
「おいおい、俺は家族みんな大好きだ。大好きな家族を死なせるような真似はしねえよ」微笑しながらそう言った。どこまでも力強く、丁寧に、な。
「普通の政治家の家族なら、こんな扱い受けないだろうさ。信長、お前が馬鹿なこと、しとるから」
ギクリ
やっぱり市が言ってやがったか…、いや、市ならもっとキラキラしく言うだろう。まさか…
「犬っ!!」
「何よ! 事実を母さんに言って、何か悪い!?」
「兄さん、姉さん、落ち着いて…!」
激高する犬をたしなめる市。
「兄さん、犬姉さんには何か考えがあって母さんに言ったんだよ。許してあげて?」
いやいや、母さんに怒ってもらおうと思ってんだぜ? 犬の奴!!
「まあ、いいさ。信長、突破口を考えてちょうだいな」
(まさか、俺嫌いの第一人者である母さんが、俺を頼るとは…。女しか居ねえからなこの家)
「はい。ではお昼休憩をする[漢字]彼奴[/漢字][ふりがな]あやつ[/ふりがな]らをバイクで蹴散らして参ります!」
「それで勝てると言うのなら、やっておしまい」
母はその言葉を言い、市と犬を連れて家の奥へ逃げた。
───その日のお昼の時間───
俺は車の免許のついでにバイクの免許も持っている。
今川財閥の長、今川義元が車に乗っていて、ずっとクラクションを鳴らしている。
(……うるせえ!!)
イライラすんだぜ? クラクションて。いつでもどこでも鳴らすっていうもんじゃねえ。
「突っ込んでやらあ!!! どりゃあああー!!!」
「うわあああ!! 信長、信長だー!!」
「きゃあああ! 何が『うつけ』よ!? めちゃくちゃ強い? じゃないのお!!」
「わー! 俺の飯がー!」
「そんなもんどうでもいい! 信長の動きを止めろ!!」
[太字][大文字][漢字]阿鼻叫喚[/漢字][ふりがな]あびきょうかん[/ふりがな]の大地獄。[/大文字][/太字]
傍から見たらそう思うだろう。思われても仕方ない。自分たちで招いた地獄なのだから。他所の人間は関わりたくなかろうな。納得だ。
[太字]ブルルーーーン[/太字]
「チッ! 義元を逃がした。サラリーマンに相手してるせいで!! クソ、待てえ!」
その時だった。倒れている人間の上に乗っかって走ったのは。そのおかげで、バイクは宙を飛んだんだ。そのまま、バイクは今川義元の車に乗った。そして義元はバイクに殺られた。
それは「財閥界一の弓取り」と謳われた男の、あっけない死だった。
窓が割れた。
窓の近くに寄って行くと怒声が聞こえた。
「所得を上げさせろ!! 所得倍増計画を条令として出せ!!」
「俺たちの職場はブラック企業ではない!! 社員に嘘の情報を流してくれるな!!!」
しゃがみこんで、窓を割った物体を拾う。───ただの石だ。窓の外を覗く。結構な数の人間だなあ。…アイツは…!
「…家康!!」思わず叫んでしまった。それほどの驚き。
「せ、せせせせ先輩!? なぜ、そこに!?」
声が裏返っている。この驚きようを見ると、家康は何も知らずにここにいることがわかった。
「そりゃー、ここ、俺の自宅だぜ? …おっと、おいテメェ!! 石投げんな!」
「わーい、なんにも出来ねーおぼっちゃまー♪」
てめーら…、今に見てろよォ!!
「兄さん、これから私たち、どうなるの…?」
「大丈夫だ、市。俺はきっと、この家を守る!!」
俺は顔の前でガッツポーズを決めて、市をなだめた。
「兄さん、本当に大丈夫なんでしょうね? 嘘だったら、市が泣くわよ」
鋭い目つきで睨みつけてくるのは、俺の妹で、市の姉である「犬」。犬は俺が嫌いらしい。
「おいおい、俺は家族みんな大好きだ。大好きな家族を死なせるような真似はしねえよ」微笑しながらそう言った。どこまでも力強く、丁寧に、な。
「普通の政治家の家族なら、こんな扱い受けないだろうさ。信長、お前が馬鹿なこと、しとるから」
ギクリ
やっぱり市が言ってやがったか…、いや、市ならもっとキラキラしく言うだろう。まさか…
「犬っ!!」
「何よ! 事実を母さんに言って、何か悪い!?」
「兄さん、姉さん、落ち着いて…!」
激高する犬をたしなめる市。
「兄さん、犬姉さんには何か考えがあって母さんに言ったんだよ。許してあげて?」
いやいや、母さんに怒ってもらおうと思ってんだぜ? 犬の奴!!
「まあ、いいさ。信長、突破口を考えてちょうだいな」
(まさか、俺嫌いの第一人者である母さんが、俺を頼るとは…。女しか居ねえからなこの家)
「はい。ではお昼休憩をする[漢字]彼奴[/漢字][ふりがな]あやつ[/ふりがな]らをバイクで蹴散らして参ります!」
「それで勝てると言うのなら、やっておしまい」
母はその言葉を言い、市と犬を連れて家の奥へ逃げた。
───その日のお昼の時間───
俺は車の免許のついでにバイクの免許も持っている。
今川財閥の長、今川義元が車に乗っていて、ずっとクラクションを鳴らしている。
(……うるせえ!!)
イライラすんだぜ? クラクションて。いつでもどこでも鳴らすっていうもんじゃねえ。
「突っ込んでやらあ!!! どりゃあああー!!!」
「うわあああ!! 信長、信長だー!!」
「きゃあああ! 何が『うつけ』よ!? めちゃくちゃ強い? じゃないのお!!」
「わー! 俺の飯がー!」
「そんなもんどうでもいい! 信長の動きを止めろ!!」
[太字][大文字][漢字]阿鼻叫喚[/漢字][ふりがな]あびきょうかん[/ふりがな]の大地獄。[/大文字][/太字]
傍から見たらそう思うだろう。思われても仕方ない。自分たちで招いた地獄なのだから。他所の人間は関わりたくなかろうな。納得だ。
[太字]ブルルーーーン[/太字]
「チッ! 義元を逃がした。サラリーマンに相手してるせいで!! クソ、待てえ!」
その時だった。倒れている人間の上に乗っかって走ったのは。そのおかげで、バイクは宙を飛んだんだ。そのまま、バイクは今川義元の車に乗った。そして義元はバイクに殺られた。
それは「財閥界一の弓取り」と謳われた男の、あっけない死だった。