後宮の妖女はいつか花をさかせる
「ちょうど前ここにいた子が出て行ったから、部屋が空いているんだ。そこを使うといいよ」
とそう言ったおばさんは、梨紫(リーシ)と名乗った。自分も名乗っておいた。
そういって貸して貰った部屋は3畳程の狭い部屋だったが全然使える部屋だった。家の中を案内してもらった。厨房や風呂もあり、庭もあった。王都でもあるため多少貴族でなくとも裕福なのだろう。
そんなことで始まった生活は居候させていただくということで家事をやらせていただくことにした。ただずっと侍女がいたため、最初のうちはなれなかったが母に似て仕事の覚えがはやかったため不自由はなかった。そして服を干し終わった後に庭でのんびりするのが一番なのだ。こうしてしばらく経った頃の夜なかなか眠れなかったためまだ寒さが残る季節だがしっかり寝間着を着込んでいたため大丈夫だろう。そうして外へ出ようと思い廊下を歩いていると何やら部屋から蝋燭の灯りが見えた。何やら梨紫は誰かと話していた。そっと耳を壁に当てると、
「…の……すめ…………香華(シャンカ)……は」
その言葉に香華ははっとした。
とそう言ったおばさんは、梨紫(リーシ)と名乗った。自分も名乗っておいた。
そういって貸して貰った部屋は3畳程の狭い部屋だったが全然使える部屋だった。家の中を案内してもらった。厨房や風呂もあり、庭もあった。王都でもあるため多少貴族でなくとも裕福なのだろう。
そんなことで始まった生活は居候させていただくということで家事をやらせていただくことにした。ただずっと侍女がいたため、最初のうちはなれなかったが母に似て仕事の覚えがはやかったため不自由はなかった。そして服を干し終わった後に庭でのんびりするのが一番なのだ。こうしてしばらく経った頃の夜なかなか眠れなかったためまだ寒さが残る季節だがしっかり寝間着を着込んでいたため大丈夫だろう。そうして外へ出ようと思い廊下を歩いていると何やら部屋から蝋燭の灯りが見えた。何やら梨紫は誰かと話していた。そっと耳を壁に当てると、
「…の……すめ…………香華(シャンカ)……は」
その言葉に香華ははっとした。