夏が終わり、秋が始まろうとする頃。[漢字]蟋蟀[/漢字][ふりがな]コオロギ[/ふりがな]よりもうるさい声で[漢字]鈴々[/漢字][ふりがな]リンリン[/ふりがな]が話し始めた。
「ねぇねぇ[漢字]香華[/漢字][ふりがな]シャンカ[/ふりがな]！今日の夜、近くのところで祭りを開催しているから、一緒に行くよ！」
「う、うん」
急なことでびっくりしてしまった。

月がひょっこり顔を出した頃、ちょうど祭りの会場に着いた。
思ったより人が多く、結構大規模な祭りのようだ。
ちょうど中央に、竹で作られた櫓がある。きっと近くにいる男が、火を持っているので、燃やすのだろう。
何やら、主催者らしき男が何か言っていたようだがこの距離では聞こえない。
櫓に点火された。
その後、ぼんやり見つめていると、鈴々が話しかけてきたのかと思ったが違った。
「ねぇ香華、知ってる？この祭りの意味。」
「？」
そういうと炎が青くなった。
「⁉︎」
「なんで炎が青く？」
「それはね、銅を使ったんだよ。それはね、皇后様が白い人達と、仲良くできるように、取り組んだからね。」
(母様が？白い人[漢字]達[/漢字][ふりがな]・[/ふりがな]？)
「白い人達って、もしかして西に住んでる人の事？[漢字]西明州[/漢字][ふりがな]セイミョンシュウ[/ふりがな]よりもっと西の国では、肌が白い人がいるんだって。そのことかな？」
「そこまでは、知らないなぁ。」
そういった後、炎が元の橙色に戻ったと思ったら、赤色になった。鈴々いわく林檎を使ったらしい。
しばらくして、[漢字]良炎[/漢字][ふりがな]リョウエン[/ふりがな]が戻ってきた。
「香華、あの…一緒に屋台周らない？」
「いいよ！」