何もかも、嫌になった。

あの日、あの時、少しだけ違う選択をしていたら…。そんな後悔が、まるで澱のように心の中に溜まっていく。仕事は山積み、人間関係はギスギスしている。恋人もいない。友達と呼べる人も、ほとんどいない。 成功者と呼ばれる人たちをSNSで見かける度に、胸が締め付けられる。自分には何が残っているのか。虚無感だけが、私を覆いつくす。

疲れた。本当に疲れた。

毎日、歯を磨くことすら億劫で、シャワーを浴びるのも、食事をするのも、すべてが重荷に感じられる。朝起きるのも、夜眠るのも、苦痛だ。笑うことさえ忘れてしまった。感情の波すら、静止しているような、そんな感覚。まるで、自分が自分ではないかのような。

窓の外には、夜空が広がっている。無数の星が、静かに瞬いている。まるで、私を見守っているかのよう。でも、その静寂さえ、私を窒息させる。

今日は、この苦しみから解放されよう。

準備は既に済んでいる。遺書も書いた。大切な人、なんていないけれど、それでも、一言だけでも伝えたくて。

深呼吸をして、目を閉じた。

「おやすみ…」

静かに、ゆっくりと、意識が遠ざかっていく。長い旅の終わりに、やっと辿り着いた安らぎ。もう二度と、目覚めることはない。何もかも、終わりだ。 これで、やっと解放される。 これで、やっと眠れる。