新しい花が咲く頃に
『........あーあ、』
やだなぁ、と1人呟く
ふわっとするベッドに寝転がりながら、今日を振り返る
色々ありすぎだ、今日は
大イベントは、「はると会ったこと」だけど、もう一つ気になることがある
『浅間先輩........なんでなんだろ』
もちろん、こっちを見ていたことも気になるけど、浅間先輩ってあんな、あんな威圧感ある人だったか?
うーん、と頭を捻らせる。
そりゃあ、浅間先輩とはあんまり喋ったことないし、あんまり分かんないところもあるし、気のせいな可能性が高い
.......でも、あまりにも気のせいだと思えない。"気のせい"だと思うことを体が拒否している
あの時感じた寒気は、棘は、
『........考えても、か』
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「あちゃ、一番乗りじゃねーや」
『残念だったね!』
「すっげー、ムカつく」
ドアをガラリと開けられた音の先には蛭ケ島くんがいた
ムカつく、そう言われて髪をくしゃっと乱される
んもぉ、蛭ケ島くん.......女の子になんてことをしてくれるんだ!
「.......お前、なんかテンション低くね?」
『え、..........髪ぐしゃぐしゃにされたから?』
「悪ぃとは思ってねぇよ」
いや思えよ、と蛭ケ島くんにツッコミを入れたところで、少し笑いが溢れる
.......んふふ、ずっと "悪い" "ごめん" "残念" って言われてきたから、蛭ケ島くんのこのノリは好きだ
深めにわらった私に「恵林寺......テンションどうした.....」と蛭ケ島くんが哀れみの目で言う
『ん〜?いやなんでも?』
それより、と詳しいであろう蛭ケ島くんに、今の悩みの種を聞く
『浅間先輩って、どんな人?』
「どんな人っつわれても..........」
うーん、と頭を捻らせながら視線をあさっての方へ飛ばす蛭ケ島くん
私は少し、探りの目と期待を込めて蛭ケ島くんを見つめる
意見がまとまったように蛭ケ島くんが、........そうだな、と話し始めた
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『蛭ケ島くん、鬼か?私には無理だ』
「知らねーよ、さっさと行ってこい」
無理無理と嘆く私に、蛭ケ島くんはやや押し込むようにある人へと近付ける
お腹すいた!気まずい!ねむい!色んな思想が飛び交う中、一つ、ソプラノ音が響いた
「あれ、蛭ケ島くん..........?」
(っエ"、!)
(.......やば、)
…サイネリア「望みある悩み」「悩める喜び」「恋の悩み」