新しい花が咲く頃に
「お前、なんっ........で、」
顔を歪め、今にも泣き出しそうなその顔に、ズキリと心が痛む
懐かしい声、懐かしい顔、懐かしい雰囲気。そして、変わってしまった制服。私とは違う、灰色のブレザー。
まだ一年しか、いや一年も貴方と居なかったから、とても懐かしく感じてしまう
「......っな、ぁ。白藍、なんでお前.....!!」
"そこに居るんだよ"と苦しく告げられた言葉に、私は下を向くしかなかった
ごめんね。ごめんね、はる。......赤瀬晴誠くん。私は、貴方と一緒では、居られなかった
洸先輩も見てる。なにがなんだか分からないって、困ってるはず。私もね、今頭がパンクしそうで、ついていけてないんです。
「........白藍ちゃん」
『........っ洸先輩、すみません.....先に、帰っててもらっても.....いい、ですか』
......うん、分かった。またね、先輩の口から怒りを含んだ声色が出てきた
コツ.....と、2つの足音が重なり、一つは遠ざかり、一つは近づいた
洸先輩、すみません。すみません........私が、
「なぁ、白藍。
お前に山ほど聞きたいことあるんだよ」
『........場所、変えよう』
おう、と小さく聞こえたその声に、私は感情を読み取れなかった
(お願いだから、夢なら醒めて欲しい)
…セツブンソウ「拒絶」