新しい花が咲く頃に
『.........ん、?』
「どうしたの?白藍ちゃん」
『........いえ!なんでもないです!』
一瞬、空気が変わった気がした。まるで、運命の人と出会ったみたいな
気のせいだよなぁ........ささ、クラス表混んじゃう!
その時は、特に気に留めずにただ前だけを向いて、歩いた
-----------------
『恵林寺白藍..........え...えり.........おっ、』
「俺はあったよ。白藍ちゃんも見つかった感じかな?」
『はい、私は2組でした!先輩はどこでしたか?』
「俺は1組だよ。クラス分かったし、中入ろっか」
そうですね、と返事をし先輩の揺れる髪を眺めた
---------------
洸先輩とは、階数が違うところで別れた
「2-2」と書かれた、まだ真新しい看板から視線を落とし、ドアをガラリと開ける
開けた瞬間、少し明るい光が私を出迎える
うぅ........やっぱ新学期は緊張するなぁ
「おっ、恵林寺じゃん!今年もよろしくぅー!」
『"蛭ケ島"くん!ひゃーっ......蛭ケ島くんがいると安心ー!』
「えーうれしーっ!」
「蛭ケ島 時雨(ひるがし しう)」くん。去年同じクラスで、クラスのムードメーカー的存在で、凄い明るい普通の男の子。
蛭ケ島くんが居るならこのクラスも、楽しくなる.......
『.......それで、新学期になったけど"浅間先輩"とは、どうなんですかっ!』
「うえっ、!まずそれ聞いちゃいます〜.......?」
『んふふ、ほらほら聞かせて!』
少し後ずさる蛭ケ島くんを逃すまい、と詰め寄る
そう、こう見えても私達はとても仲がいいのだ。だから、蛭ケ島くんが去年から好きな、男子バレー部マネの「浅間 紫翠(あさま しすい)」先輩の相談を受けている
彼は、男子バスケ部で、隣のコートの先輩を見ていくうちに.......。というものだ
「っぇーと.........その、ですね.....」
『んー、なになに?』
「一緒に出かける約束、はしましたね.......はい.....」
『うぇー!!ひゃー!』
うるせぇ!バカ!と、少し顔が赤くなった蛭ケ島くんが叫ぶ
蛭ケ島くんのがうるさいよ〜!と言いたくなる気持ちを抑えて、浅間先輩との関係性について深く聞く
『で、で!?事の発達は!なに!?』
「........勉強、分かんないとこ聞いたら、"今度一緒に勉強しよっか"って.......」
『うんうん、そんで!?』
「そんで、"週末とか一緒に出掛けて勉強しませんか"っつって......OK貰った」
『ファー!よくやったね〜!蛭ケ島くんー!!』
蛭ケ島くんの髪の毛をくしゃっとガサツに撫でると、俺の髪がぁーっ!と叫ばれた。蛭ケ島くん、そこは照れるとこだよ
それにしても、蛭ケ島くん一歩出たなぁ........くぅっ!私が見ないうちになんか成長してる!
ワンチャン、浅間先輩、蛭ケ島くんのこともう好きなんじゃ........?
そんな、在り来たりな考察を浮かべて、蛭ケ島くんを褒め続ける
教室に2人、友情の匂いと微かな波乱の香りがした
(そろそろ人くるからやめろ!!)
(蛭ケ島くんが、私離れしちゃう......!!)
…ローゼンタ「変わらぬ思い」「終わりのない友情」