満月の夜、僕は彼女に＿＿＿をした。そのとき君が泣いたのは、嬉しかったのか、悲しかったのか分からない。けれど君はある花の名前を言ってきた。その花の意味を知ったとき、僕は崩れ落ち、泣いた。このとき夜の闇が僕らを包み込んで、月の光がスポットライトのように優しく照らしていた。

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僕は奈緒。普通の高校生だが、そんな僕には幼馴染がいる。その人は華織。そして彼女は花の名前で喋ることしかできない。そのせいでいじめに遭っていたが、今は僕が見ている限り、幸せそうに生活していると思う。僕達は今、夏休みに入っていて、今日で後2日で夏休みが終わってしまうのに、出かけもせず家でのんびりテレビを見ている。時計を見ると、丁度正午だった。僕はテレビを切り、家に親はいないから食パンを一枚トースターで焼いた。ちなみに1200Wで3分焼くのが1番お気に入り。カリッ、フワッという食感があって美味しい。3分が経ち、僕は食パンを皿に乗せて食べた。パンから香ばしい香りがしてとても美味しかった。パンを食べ終え、皿を洗い、テレビをまたつけて見ると、地域の夏祭りのことがニュースで流れていた。夏祭りか……。昔よく行ったけど今は行かなくなった。友達は彼女と一緒に行くとか言って、親は仕事で忙しいし。そして両親2人とも出張でここ数日間帰ってこない。だからと言ってテレビをずっと見て過ごすのも飽きるから少し散歩に行くことにした。僕はスニーカーを履き、鍵をもち、ドアを開けた。……うん、いつも通り暑い。そう思いながらドアに鍵をかけ、歩いて行くと、小学生が公園でサッカーをしていたり、犬がこっちを見つめてきたりした。すると、前から華織が歩いてきた。彼女は僕に向かってノートを見せてきながら歩いてきた。ノートを見ると、こんにちは、と書いてあった。僕は挨拶を返すと、彼岸花と言ってきた。確か、彼岸花はまた会う日を楽しみにだった気がするから手を振って彼女と別れた。彼女はなぜか少し悲しそうな顔をしていた。どうしてだろうと思い、家に帰り、ベッドにダイブし、ゴロゴロしたり寝ているとあっという間に夜の11時になってしまった。夜ご飯を食べなくても良いっか。僕はお風呂に30分間入り、もう一回スマホを見てゴロゴロしていたら、一件の通知が来た。彼女からのメッセージだ。僕はメッセージを見るととても驚いた。メッセージにはある花の名前と海岸の名前が送られてきた。それはゴジアオイ、花言葉は

『私は明日死ぬだろう』

今は夜11時45分、僕は家を飛び出した。多分、彼女は後15分で死のうとしている。そのことで頭がいっぱいになり、疲れなど感じなかった。早く海岸に向かわなきゃいけない。早く、早く……！







海岸に着き無事、彼女を見つけれた。が、彼女は海に入ろうとしている。僕は手を伸ばしながら彼女を引き止めようとして腕を掴んだ。そのとき、僕は彼女が本当に死んでしまうと思い、この気持ちを伝えれないまま伝えられないなんて嫌だから、彼女にキスをした。すると、彼女は驚いて、そして泣いていた。安心した顔で彼女はアイビーと言った。僕は分からないからスマホを取り出そうとすると、彼女がスマホを取り出すのをやめさせ、彼女は僕の耳元で初めて、「愛してる」、そう言った。僕はこの言葉を聞いたとき、嬉しい、それだけ思い、泣き崩れた。そして、彼女が花の名前以外を話せているという感動が後から一気にきた。彼女は泣き崩れている僕をそっと抱きしめた。その時の[太字][下線][漢字]月[/漢字][ふりがな]彼女[/ふりがな][/下線][/太字]がとても1番、悲しいほどに、うっとりするぐらいに、





綺麗だった。