最強魔女様は、公爵令嬢に転生したので再び最強を目指します。
「公爵様ぁー」
重厚感のある扉が開いた先には広くきらびやかな広間があり、その部屋の中央には兵士たちと一緒に何か、話し合っているアトリアの姿があった。
アトリアはノックもなしに突然部屋に入ってきたワイスを注意しようとこちらを見て、ワイスの後ろに立っているミザールとエルナトに視線が向いた。
「・・・・・・何故、貴様らはここに?」
「さあ?公爵様に御用があるみたいですよぉ?ですよねぇ、お嬢」
ワイスはにこやかな笑みで後ろのミザールを見つめる。
普段から感情が全く読めないワイスだが、やはりこの時も、彼の金色の瞳にどんな感情が宿っているのか、ミザールにはとても分からなかった。
ミザールは自分を見つめてくるワイスに一瞬だけ目をやり、それからすぐにこちらを見下ろすアトリアに、瞳を向け、
「ええ、父様のお仕事中の姿を見てみたいと思いまして。突然押しかけて申し訳ないですが、お邪魔になるようなことはしないと誓います」
スカートの裾を指先でちょんと持ち上げながら、ミザールはそうアトリアに言う。
そんな娘をアトリアはしばらくの間見つめて、ゆっくりと息を吐くと、
「_________なるべくワイスとエルナトの近くは離れないという条件付きならば、許可しよう」
「ありがとうございます、父様」
* * * * *
アトリアの後を着いていき、ミザール達がやって来たのは屋敷から少し離れたところにある塔だ。
派手な装飾もなく、そこに実用性以外は求めていないような塔を見て、ミザールは少しだけ嬉しげに瞳を細める。
「このくらいのデザインなら私も嬉しいんだけどな・・・・・・ヴァイト家の屋敷は、少し派手すぎるから」
「文句はおやめ下さいませ、お嬢様」
エルナトの言葉を適当に聞き流しながら、ミザールは塔の中へと入っていく。
中も想像した通り、ただシンプルな部屋らしき所と頂上へと続く長い螺旋階段が見えるだけ。
「うっわー・・・・・・すんごい長い階段。頂上が見えないや」
「ちなみにぃ、この階段にはたくさんの[漢字]罠[/漢字][ふりがな]トラップ[/ふりがな]が仕掛けてあるんですよぉ。一番楽に死ねるのはあそこから出るレーザーで、一番楽に生け捕りにできるのが壁と天井から一気に出てくる鎖ですかねぇ」
「分かりましたからこの塔の仕組みを嬉々として説明しないでください。普通に恐ろしいので」
白い頬を紅く染めて説明するワイスに、エルナトは後ろからそう言う。
そんな彼らを見ながら、ミザールは前を行くアトリアに聞いた。
「この階段で上まで上がるのですか?随分と時間がかかりますが・・・・・・」
「そのような面倒な手は使わん。まあ、そこにいろ」
アトリアはそうミザールに言いながら、掌をかざした。
すると、アトリアを中心とした円が床に広がり、輝く。ミザールは床に広がる円形_______[漢字]金色[/漢字][ふりがな]こんじき[/ふりがな]に輝く魔法陣を見つめた。
「転移魔法・・・」
ミザールは小さくそう呟いた。
アトリアが発動したのは転移魔法『べヴェーゲン』。自らの[漢字]魔[/漢字][ふりがな]マナ[/ふりがな]でマークした場所に移動する魔法であり、前世の『魔女』の時にはよく使っていた魔法だ。
昔の世界では魔法自体が発展していなかったのもあるが、公爵家の人間でも使える人間はいなかったと、ミザールは記憶していた。
だが________
「まあ、もう何百年も経ってるもんね。魔法も使える人間が増えるはずか」
ミザールはそう誰にも聞こえないように小声で言いながら、その光る魔法陣の中へと足を踏み入れた。そんな彼女に着いていき、エルナトとワイスも魔法陣の中に入る。
全員が中に入ったのを確認すると、アトリアはその形の良い唇を震わし、
「『べヴェーゲン』」
その詠唱と共に、四人の姿が光に包まれて消えた。
重厚感のある扉が開いた先には広くきらびやかな広間があり、その部屋の中央には兵士たちと一緒に何か、話し合っているアトリアの姿があった。
アトリアはノックもなしに突然部屋に入ってきたワイスを注意しようとこちらを見て、ワイスの後ろに立っているミザールとエルナトに視線が向いた。
「・・・・・・何故、貴様らはここに?」
「さあ?公爵様に御用があるみたいですよぉ?ですよねぇ、お嬢」
ワイスはにこやかな笑みで後ろのミザールを見つめる。
普段から感情が全く読めないワイスだが、やはりこの時も、彼の金色の瞳にどんな感情が宿っているのか、ミザールにはとても分からなかった。
ミザールは自分を見つめてくるワイスに一瞬だけ目をやり、それからすぐにこちらを見下ろすアトリアに、瞳を向け、
「ええ、父様のお仕事中の姿を見てみたいと思いまして。突然押しかけて申し訳ないですが、お邪魔になるようなことはしないと誓います」
スカートの裾を指先でちょんと持ち上げながら、ミザールはそうアトリアに言う。
そんな娘をアトリアはしばらくの間見つめて、ゆっくりと息を吐くと、
「_________なるべくワイスとエルナトの近くは離れないという条件付きならば、許可しよう」
「ありがとうございます、父様」
* * * * *
アトリアの後を着いていき、ミザール達がやって来たのは屋敷から少し離れたところにある塔だ。
派手な装飾もなく、そこに実用性以外は求めていないような塔を見て、ミザールは少しだけ嬉しげに瞳を細める。
「このくらいのデザインなら私も嬉しいんだけどな・・・・・・ヴァイト家の屋敷は、少し派手すぎるから」
「文句はおやめ下さいませ、お嬢様」
エルナトの言葉を適当に聞き流しながら、ミザールは塔の中へと入っていく。
中も想像した通り、ただシンプルな部屋らしき所と頂上へと続く長い螺旋階段が見えるだけ。
「うっわー・・・・・・すんごい長い階段。頂上が見えないや」
「ちなみにぃ、この階段にはたくさんの[漢字]罠[/漢字][ふりがな]トラップ[/ふりがな]が仕掛けてあるんですよぉ。一番楽に死ねるのはあそこから出るレーザーで、一番楽に生け捕りにできるのが壁と天井から一気に出てくる鎖ですかねぇ」
「分かりましたからこの塔の仕組みを嬉々として説明しないでください。普通に恐ろしいので」
白い頬を紅く染めて説明するワイスに、エルナトは後ろからそう言う。
そんな彼らを見ながら、ミザールは前を行くアトリアに聞いた。
「この階段で上まで上がるのですか?随分と時間がかかりますが・・・・・・」
「そのような面倒な手は使わん。まあ、そこにいろ」
アトリアはそうミザールに言いながら、掌をかざした。
すると、アトリアを中心とした円が床に広がり、輝く。ミザールは床に広がる円形_______[漢字]金色[/漢字][ふりがな]こんじき[/ふりがな]に輝く魔法陣を見つめた。
「転移魔法・・・」
ミザールは小さくそう呟いた。
アトリアが発動したのは転移魔法『べヴェーゲン』。自らの[漢字]魔[/漢字][ふりがな]マナ[/ふりがな]でマークした場所に移動する魔法であり、前世の『魔女』の時にはよく使っていた魔法だ。
昔の世界では魔法自体が発展していなかったのもあるが、公爵家の人間でも使える人間はいなかったと、ミザールは記憶していた。
だが________
「まあ、もう何百年も経ってるもんね。魔法も使える人間が増えるはずか」
ミザールはそう誰にも聞こえないように小声で言いながら、その光る魔法陣の中へと足を踏み入れた。そんな彼女に着いていき、エルナトとワイスも魔法陣の中に入る。
全員が中に入ったのを確認すると、アトリアはその形の良い唇を震わし、
「『べヴェーゲン』」
その詠唱と共に、四人の姿が光に包まれて消えた。