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※物語のパクリ・文章の無断転載等一切しておりません。ご了承ください。
主人公ちゃんの名前が「星野 月(ほしの ゆえ)」なのですが、ゆえちゃんの別名は「アイ」(トルコ語で月という意味)で、名字と合わせると「星野 アイ」でかの有名なあの伝説のアイドルと名被りしてますがこれは決して意図したものではないです!!ほんとに!!紛らわしくてごめんなさい。

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前代未聞の最強総長、今日も一途に執心中。

#5

はやてくんとみなちゃん

「ゆ.....え....?」
間違いない。重低音で低めの声だけど、その低さがどこか心地良い優しい声色。
わたしがその声を、聞き間違えるはずがなかった。
「みなちゃんっ.....!」
みなちゃん......本名は『[漢字]桐生[/漢字][ふりがな]きりゅう[/ふりがな][漢字]水雲[/漢字][ふりがな]みなも[/ふりがな]』。
「ど、どうして...塾の冬期講習以来、だよね....?」
みなちゃんは本当に心の底から驚いているのか、挙動不審な様子でそう言った。
塾の冬期講習、か......
懐かしいな...よく、みなちゃんと帰りに寄り道していた事を思い出す。今思えば、多分塾の校則には反してたんだろうけど...あれが楽しくって塾に通っていたくらいだから、思い入れはとてもじゃないが手だけでは数え切れない。

「うんっ..!みなちゃん、すっごくかっこよくなったね.....!」
講習中、わたしは普通の公立の中学校に入学する高校受験コースというものを選択していたけど、どうやらみなちゃんは中学受験コースを選択していたみたい。
じゃなかったら、こんな秀才学園入れないよねっ.....
わたしはお母さんからのスパルタ英才教育があったからなんとかこの学園にやってこれたけど.....
とにかくわたしはそう言って、最後に会った日と目線が違うなあと思わず噛み締めてしまった。

「.......ううん、月こそ....すごくかわいくなってるよ。」
.........え?みなちゃん、今なんて____

「お前、抜け駆けすんなよ。」
戸惑うわたしの前にざっとあらわれたのは、ついさっき窓から教室へ入ってきたはやてくん。
「.....そうかな。ごめんね。」
「お前....俺の事馬鹿にしてんのか、表出ろよ...!!」
はやてくんっ....!?
ついさっき、わたしに見せてくれた優しい笑顔とは裏腹に、はやてくんはとんでもない形相をしてみなちゃんを睨んでいた。それにすっごく物騒な言葉を口にしていたような.....
そして、みなちゃんはそれに一切怯えていない様子。
この状況をどうにかしたくて、わたしは担任の先生へと目をやるけど、見ないふりをしているつもりなのか、一切こちらへ視線をうつしてくれなかった。
ど、どうしようっ......

「.......うるさいよ、番犬。」
わたしが戸惑っているところを察知してくれたのか、翔ちゃんはそう言った。
翔ちゃんっ.......!
....ん?ば、番犬ってなんだろう.....あとで聞いてみよう....
兎に角、わたしは翔ちゃんに対して心のなかでお礼を言いつつ、はやてくんに言葉を投げかけた。
「は、はやてくん...!わたし、はやてくんとみなちゃんが一緒に仲良くしてくれる方が嬉しいな...!」
無意味かもしれないけど、何も言わないほうがだめだよね。
そう思い、かなり投げやりな言葉だったと思うけど、はやてくんは意外にもきちんと受け取ってくれた。
「......っ、ご、ごめん.....わかった仲良くする...だから、嫌いにならないで....」
するとはやてくんは、今すぐにでも泣き出しそうな表情を浮かべながらそう言った。
ええっ、そ、そんなにひどいこと言っちゃったかな...
はやてくんを嫌いになるなんて、そんな事絶対ないのに....!
「だ、大丈夫だよ...!わたしがはやてくんを嫌いになる事なんてないから安心して...!」
わたしはそう言って、その場をなんとかしのぐことができた。

[水平線]
幸いにも1限目が総合の時間だった為、特に何の進歩もなくわたしは総合の時間をやり通し、休み時間へと突入した。
総合の時間は一体何をするんだろうと思ったけど....
驚いた事に、先生の指示なしにクラスメイトだけで自主的に物事を進めていくというものだった。
課題のやり残し、委員会会議、自主的に生徒だけで先に授業内容の予習をするなど、内容はあまり濃く決まってはいないらしい。

チャイムが鳴ると同時に、はやてくん、みなちゃん、翔ちゃんを含めたクラスメイトの人たちが一斉にわたしの席へと集まってきた。
「前はどの学校に居たの?」 「なんで編入してきたの?」 「めっちゃかわいいー!」 「LINE交換しない?」
あまりに大勢の男の子たちに囲まれてしまって、正直戸惑ってしまう。
昔から武術を習うにあたって、男の子の多い環境に必然的にはいたけれど...
さすがにこれは予想外だった。
あまりの勢いに驚きながらも、わたしは答えられるものには返事をしていった。

「ま、前は轟中で、その前は皇中にいたよ...!LINEのアプリは入れてないの..!ごめんね......」
そう言うと、あたりはしんと静まった。そして、少しずつ男の子たちは自分の席へと引いていく。
.......あ、あれ...わたし、今なにか変な事言っちゃったかな...?

一気に不安へと落ち込むわたしをすくい上げてくれたのは、3人だった。

「ゆえねえ大丈夫だよ。みんな、まさかあの轟からの編入生だと思わなかったんでしょ。」
「そうそう。俺も皇出身って言うだけで周りのガヤが一瞬で消えた。」
「何も月が心配する事はないよ。俺達と一緒に居ればいいだけだからね。」
翔ちゃん....はやてくんに、みなちゃんも......
今のわたしには、ありがとうと返事をするだけで精一杯だった。

「あ.....そういえば前、ゆえねえが好きそうなパンケーキ屋見つけたんだ。一緒に行く?」
翔ちゃんはそう言って、お店のホームページらしきものを見せてくれた。
そのお店は、モチーフをリボンとピンク色で彩っていて、いかにも女の子のかわいいお店っていう感じ。
.....す、すっごく行きたい.....!
けど、翔ちゃんに付き合ってもらうのは申し訳ないな....今度1人で行こう。
「せっかくだけど、付き合ってもらうのは申し訳ないよ。」そう言おうとしたとき、はやてくんが口を開いた。
「.........ふん、狂犬と月を2人にさせてたまるかよ。俺も行く。」
.....ええ、はやてくん!?
わ、わたしまだ行くとは一言も言ってないんだけど.....
「じゃあ俺も行こうかな。せっかくの機会だもんね。」
みなちゃんまで!?もしかしてみんな、このお店に興味があったりするのかな...?
あ.....そうだよね。男の子だけで行くの、緊張しちゃうもんね....
結果的に自分の中でまとめた答えを参考に、わたしは「わたしもみんなと行きたい!」と言った。

「.........ゆえねえしか誘ってないんだけど。」
「今月がなんて言ったか聞いてなかったのかあ?"みんな"と行きてえっつったんだよ!」
なぜかはわからないけど、ちょっと不機嫌そうなはやてくんはそう言った。
.......きょ、今日は機嫌が悪い日なのかな....

「......不登校の分際で、お前何言って_______
「それ以上喋ったらシメんぞ。」
....え?翔ちゃん、今...
「月、気にしなくていいよ。それよりもう予鈴なるから席つこっか。」
うまくみなちゃんになごされてしまったけれど、聞こえた"不登校"という単語をわたしは聞き逃さなかった。

[水平線]
side 水雲

塾の冬期講習4回目を最後に、月は姿を表さなくなった。
塾側も、あれほどの逸材を逃すもんかとでも言うばかりに月にだけは甘かったし、何よりクラスのやつらも全員月の虜だった。
そして当時、唯一仲良くなったのが俺。

あまり大勢の人数と勉強する事が不慣れだったのか、やたらと隣の席だった俺に話しかけてくれた。
「どのくらいの速度で問題解けばいいの?」とか「みんなについていけるかな...」とか、そんな他愛もない会話をしていた記憶が大いにある。
通っていた塾では、S2・S1・SS2・SS1という4つのクラスが存在していた。もちろん、俺は1番レベルの高いSS1のクラスに居た。

そして小6の冬期講習中。月はSS1クラスへやってきた。
しかも1番後ろの席、俺の隣。
席は後ろにいけばいくほど偏差値が高いという仕組みになっているため、一体どんな手を使ってここにやってきたんだ...と思っていたが、それは紛れもなく月の努力の証だった。
どんな難問を投げつけられても秒で即答する月に、その圧倒的なビジュアルと性格。クラスにとどまらず、塾内からも圧倒的人気だった。
他学年の塾生からも、月を一目見たいという理由で塾通いを始めるやつが多く居たと思う。

だが講習4回目。月は唐突に、俺達の前から消え去った。
まだあと講習は3回も残っているというのに、だ。

もちろん塾内は大発狂の嵐。
その当時仲の良かった俺でさえワケもわからないままだったのに、周りのやつらがしつこく月様はどこいったと聞いてくる事に、非常に腹が立ったことをよく覚えている。

月、どこにいるの。
昔よく塾の帰りに寄り道しておいしいものたべたよね。お店に入ったりしたよね。
月はもう、俺にあきちゃった?俺が嫌いになった?
そのまま、俺は"生きる希望"というものを失い、ただ無意味に勉学に励む日々だった。
今思えば、どうして連絡先を交換していなかったんだと虚しくなる。

「ほ、星野月です...!今日からこのクラスに編入する事になりました、よろしくお願いしますっ......!」

だがその"生きる希望"というものは唐突に現れて。まるで心臓をえぐられたようだった。
あの時と、何も変わっていない。背丈も、顔つきも、髪色も瞳の色も。
月だ、月がいる。
俺のすべて....俺の死ぬ気で探し求めてきた"生きる希望"は今、目の前に居る。
いつでも触れられる距離に居る。
その現実を受け入れる覚悟ができず、俺は放心状態だった。

「ゆ.....え....?」
久々に声にした君の名前は、誰のどんな名前よりも美しいと、ここに断言する。

side 颯

理解が色々と追いつかない。
元々皇に居たのは4月いっぱいだったはずの月が、どうして6月に突入してから星ノ宮へ編入してきたのかが正直謎だった。
だがしかし、とんでもない事実を本人から聞いた。
「ま、前は轟中で、その前は皇中にいたよ...!LINEのアプリは入れてないの..!ごめんね......」
クラスのやつのしつこい質問に丁寧に答える月に再度好きだなあと思ったが、それ以上に驚いたのは、皇からの転校先は轟だったという事。
皇は、言うまでもなく名門私立校。そして轟なんて、日本難関中学校のうちの1つだ。

一体月、どれだけの学力を持っているんだ........
本当に、底知れない。

そしてもう1つ。
狂犬.......いや星野翔。あいつ、月の事を「ゆえねえ」と呼んでいた。
.....そんなのもう、確実にきょうだいじゃねえか。でも同学年って事は、年子か義理の可能性が高い。
......待て、星野翔...あいつたしか、双子じゃなかったか。光が丘に、片割れが居るという噂を聞いた事がある。

__________待て待てそういう辻褄でいくと、Ita史上最強総長と恐れられている星野海ともきょうだいという事になるではないか。

ただえさえ狂犬と桐生だけでもうざったいというのに、Itaの総長までもがきょうだいだなんて、もうどうにかなりそうだった。

色々とキャパオーバーだった俺も、月と桐生に習ってしぶしぶ席へとついた。

作者メッセージ

水雲くんかっこいいですよね.....
颯くんや翔さん、海さんに空くんと違って大人びてるので扱いが楽というかなんというか....((

近い内にゆえちゃんの運命の御相手様は登場する予定なので、お楽しみにしていてください(ᐡ ̳ᴗ ᴗ)ᴗ ᴗ ̳ᐡ)💞

あとわたし‼️これでも一応おんせんめぐりてゃの相方なんです。・゚꜀( ꜆>-< ̥)꜆゚・。💧

よかったら‼️この作品だけじゃなくてこれ以外のものぞいてくださいそして話しかけてくださいさみしいですとっても‼️

2025/02/06 20:53

なろっこさっきー ID:≫ipB8eroXHA3fE
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