二次創作
概念的なショタおに……のはず
#1
景虎♂×病弱晴信シリーズだったりする
晴信がカルデアに召喚されてひと月ほどが経ち、色々と勝手が分かってきたことによって晴信の体調を安定させることが出来るようになってきた。それによって晴信もある程度の連戦が出来るようになり、景虎の念願叶ってシュミレーターでの模擬戦闘も再開されたのだった。
生前と同じく全力で晴信と力をぶつけ合うことが再び出来るようになったことで初めて「嬉しい」という感情を正しく味わった景虎だったが、一つだけ新たな問題が生じることとなった。
「やってくれましたね……」
「それはこちらのセリフだ阿呆。臓腑を病んでる人間の鳩尾に槍の柄をめり込ませやがって……げほっ」
互いに締めの一撃を叩き込み、景虎は鼻の頭に軍配が掠って軽く切れ、晴信はセリフの通り鳩尾を強かに打ったせいで背中を丸めながらむせ込んでいた。
「くそっ、あと少しで横っ面をぶっ叩けたんだが……」
「まぁ、確かにヒヤッとしましたね~だから思わず」
「そーかよ」
少し痛みが引いたのか、がしゃ……と甲冑を鳴らしながらようやく上体を起こした晴信はそこで景虎の顔面についた傷から血が出ていたことに気付いた。しばらく無言でその傷を見ていたかと思うと、晴信は徐に景虎の方へと歩を進めた。
「……」
「……どうかしかました? まさかどこか調子が悪いとか……にゃっ!?」
男になったことで生前よりも少し背の高い景虎をジッと見つめていた晴信を訝しんで景虎が声をかけた瞬間、晴信が彼の肩を掴んだかと思えば唐突に顔を寄せて傷口からわずかに滲んでいる血をベロリと舐めた。
「い、いきなり何を……、っ」
予想だにしない事態に流石に景虎も焦りを見せて晴信から顔を遠ざける。しかし今度は両手でそっと景虎の頬を包んだ晴信はさわさわと耳たぶやこめかみ、首筋を優しく撫で始めた。
最近景虎が直面している問題、というのが正に今彼が置かれている状況だった。というもの、ふとしたタイミングに晴信と二人きりになるとしなだれかかる様に身を寄せられたり、皮膚の薄い箇所を弱い力で撫でてくるようになったのだ。
人間の感情に極端に疎い景虎には晴信のこれらの行動の意図が全く読めず、晴信も一切真意を話さないので景虎は謎の行動を繰り返す、永遠の好敵手であり唯一執着する男にどうアクションを起こせばいいのか全く分からないのだ。
「……晴信。いつまでこれ続けるんです……?」
このような状況に陥ると思わず視線を下に移す癖がついてしまった景虎は、晴信に疑問を投げかけながら顔を上げた。
「ん?」
その声も、表情も、纏う空気でさえ、そこに居るのは見慣れた甲冑を纏った晴信の筈なのに。
景虎は目を細めて穏やかに微笑みかける晴信の姿に菩薩のような温かみと、甘ったるい香を噎せ返るほど焚きしめたようなどろりと重い雰囲気—色香を同時に見出した。
「ぁ…………」
途端に頭の中がカッと熱くなり、一瞬視界が明滅したかと思えば景虎は目を見開いたまま鼻から鮮血を垂らしていた。
「……ほぉ」
それを見た晴信は周囲の雰囲気を変えぬまま笑みを深めると再び景虎に顔を近づけると、ポタポタと滴り続けている血で濡れた人中に軽く吸い付いた。
―ちゅっ、……じゅる、くちゃ……
頭と腹の底から湧き上がる熱に思考がまともに働くなった景虎が知覚出来るのは、晴信が血を啜る音とどこか湿っぽさを感じる吐息、そして耳や項を撫でられる感触のみだった。どれだけ時間が流れたのか分からなくなっていたが「ようやく止まったか」という晴信の呟きでようやく意識を現実に引き戻すことが出来た。
「ほら行くぞ、もうすぐシュミレータールームの使用時間が終わる」
まるで何事も無かったかのようにいつもの調子に戻っていた晴信は踵を返して出口に足を向けた。しかしそれは景虎が彼の腕を掴んだことによって阻まれた。
あ? と若干不機嫌そうな声を上げながら振り返った晴信の目に映ったのは、顔を真っ赤に染めて悔しそうな顔でこちらを睨みつける景虎だった。
「……部屋に来れば、お前の口で続きをしてやってもいいが?」
再びうっそりと微笑んだ晴信に尋ねられた景虎は眉間に皺を寄せながら無言でその後ろについていく事しか出来なかった。
生前と同じく全力で晴信と力をぶつけ合うことが再び出来るようになったことで初めて「嬉しい」という感情を正しく味わった景虎だったが、一つだけ新たな問題が生じることとなった。
「やってくれましたね……」
「それはこちらのセリフだ阿呆。臓腑を病んでる人間の鳩尾に槍の柄をめり込ませやがって……げほっ」
互いに締めの一撃を叩き込み、景虎は鼻の頭に軍配が掠って軽く切れ、晴信はセリフの通り鳩尾を強かに打ったせいで背中を丸めながらむせ込んでいた。
「くそっ、あと少しで横っ面をぶっ叩けたんだが……」
「まぁ、確かにヒヤッとしましたね~だから思わず」
「そーかよ」
少し痛みが引いたのか、がしゃ……と甲冑を鳴らしながらようやく上体を起こした晴信はそこで景虎の顔面についた傷から血が出ていたことに気付いた。しばらく無言でその傷を見ていたかと思うと、晴信は徐に景虎の方へと歩を進めた。
「……」
「……どうかしかました? まさかどこか調子が悪いとか……にゃっ!?」
男になったことで生前よりも少し背の高い景虎をジッと見つめていた晴信を訝しんで景虎が声をかけた瞬間、晴信が彼の肩を掴んだかと思えば唐突に顔を寄せて傷口からわずかに滲んでいる血をベロリと舐めた。
「い、いきなり何を……、っ」
予想だにしない事態に流石に景虎も焦りを見せて晴信から顔を遠ざける。しかし今度は両手でそっと景虎の頬を包んだ晴信はさわさわと耳たぶやこめかみ、首筋を優しく撫で始めた。
最近景虎が直面している問題、というのが正に今彼が置かれている状況だった。というもの、ふとしたタイミングに晴信と二人きりになるとしなだれかかる様に身を寄せられたり、皮膚の薄い箇所を弱い力で撫でてくるようになったのだ。
人間の感情に極端に疎い景虎には晴信のこれらの行動の意図が全く読めず、晴信も一切真意を話さないので景虎は謎の行動を繰り返す、永遠の好敵手であり唯一執着する男にどうアクションを起こせばいいのか全く分からないのだ。
「……晴信。いつまでこれ続けるんです……?」
このような状況に陥ると思わず視線を下に移す癖がついてしまった景虎は、晴信に疑問を投げかけながら顔を上げた。
「ん?」
その声も、表情も、纏う空気でさえ、そこに居るのは見慣れた甲冑を纏った晴信の筈なのに。
景虎は目を細めて穏やかに微笑みかける晴信の姿に菩薩のような温かみと、甘ったるい香を噎せ返るほど焚きしめたようなどろりと重い雰囲気—色香を同時に見出した。
「ぁ…………」
途端に頭の中がカッと熱くなり、一瞬視界が明滅したかと思えば景虎は目を見開いたまま鼻から鮮血を垂らしていた。
「……ほぉ」
それを見た晴信は周囲の雰囲気を変えぬまま笑みを深めると再び景虎に顔を近づけると、ポタポタと滴り続けている血で濡れた人中に軽く吸い付いた。
―ちゅっ、……じゅる、くちゃ……
頭と腹の底から湧き上がる熱に思考がまともに働くなった景虎が知覚出来るのは、晴信が血を啜る音とどこか湿っぽさを感じる吐息、そして耳や項を撫でられる感触のみだった。どれだけ時間が流れたのか分からなくなっていたが「ようやく止まったか」という晴信の呟きでようやく意識を現実に引き戻すことが出来た。
「ほら行くぞ、もうすぐシュミレータールームの使用時間が終わる」
まるで何事も無かったかのようにいつもの調子に戻っていた晴信は踵を返して出口に足を向けた。しかしそれは景虎が彼の腕を掴んだことによって阻まれた。
あ? と若干不機嫌そうな声を上げながら振り返った晴信の目に映ったのは、顔を真っ赤に染めて悔しそうな顔でこちらを睨みつける景虎だった。
「……部屋に来れば、お前の口で続きをしてやってもいいが?」
再びうっそりと微笑んだ晴信に尋ねられた景虎は眉間に皺を寄せながら無言でその後ろについていく事しか出来なかった。
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