國
彼ラハ旅ニ出タ。
アルカモ分カラナイ「最後ノ國」ヲ探スタメニ。
コノ先何ガアルカ分カラナイ。
彼ラハソレモ承知デ旅ニ出タ。
何故?如何シテ?ソレハマダ分カラナイ。
ダカラコソ彼ラハ歩ヲ止メナイ。進ミ続ケルタメニ。
_____________________________________________________________________
マズハ壱ノ國を探ソウ。
壱ノ國ハ別名「日ノ國」ト呼バレテイル。
コノ世界デ壱番太陽ニ近イ國。ソレガ壱ノ國デアル。
地震ガ多ク大変危険ダガ、
其ノ代ワリニ外側ノ人間ヲ快ク受ケ入レテクレルヨウダ。
其ノ國ハ東ニ或ル
_____________________________________________________________________
ー或ル日ノ朝ー
「おはよう!レイ、レン!」
それは良く晴れた冬の日の事だった。いつものようにセツナが朝早くに俺たちの元へ駆けてくる。だが、その日は何か違った。セツナがなんというか、恐ろしいほど笑顔だったのだ。
「おはようセツナ」
いつものようにセツナに挨拶を返すレンと先ほどまで見ていた夢の内容を思い出しながらぼーっとしている俺を見て、急にセツナがこんな事を言い出した。
「ねぇねぇ!二人とも!一緒に旅に出ようよ!」
旅、夢の内容のこともあるし少し気になってはいたがまさかセツナが旅に出ようなんて誘ってくるとは思いもしなかった。
「旅ぃ!?なんでそんな急なこと言ってんだよ」
きっとレンの反応が普通なのだろう。だが、どうしてもあの夢を見たせいで旅に出なければいけない気がしてならなかった
「俺は、いいと思うな、」
「レイ!?どうしたんだお前まで!」
レンにまで驚かれてしまったようだ。それでも、どうしても旅に出なきゃいけない気がした。提案してきたセツナはと言うと、俺が賛成してくれるとは思っても見なかったのか目を見開いてとても驚いている。
「さっすがレイ!じゃあ早速出p「ちょっと待て」
セツナが今すぐにでも行こうとするのをレンが止める
「行くのはまぁいいにしても最低限の準備しなきゃだろ!?」
確かに最もだ、俺たちは各自荷物を家から持ち寄りすぐさま出発することにした
「じゃ、二人とも忘れ物ないな?」
レンが最後の確認をする。とりあえずの目的地は俺が夢で見た「壱ノ國」と言われる場所だ。東というざっくりとした表現しかわからないが当分俺たちの故郷「零ノ國」とはお別れになるだろう。
「じゃっ!行こっか!」
セツナは目的地も決まりるんるんで歩き始める国境付近までは馬車が出ているようで俺たちはそれに乗り込んだ。国境付近に着くまでに、また変な夢を見た。
_____________________________________________________________________
壱ノ國デハ現在、戦争ガ行ワレテイル
其ノ為外ノ人間ノ出入リヲ規制シテイル
壱ノ國ヘ入ル為ニハ、「郷ニ入ッテハ郷ニ従へ」
トイウ言葉ノ通リニセヨ。
サスレバ道ハ開カレルデアロウ。
______________________________________________________________________
「、、、て、、、きて、、、起きて!!!!」
あまりの声の大きさに驚き飛び起きるとセツナが顔を覗かせていた
「どうする?レイ、壱ノ國、今参ノ國と戦争中で俺ら入れないってよ」
眠い目を擦りながら起きると先ほど夢の中で書いた筈の内容をレンが話していた。そういえば夢の中ではなんて言ってたっけ、確か、、、
「郷ニ入ッテハ郷ニ従へだったかな、」
思わず考えてた内容が口に出てしまい急いで口を手で覆い隠した。セツナもレンも我慢を浮かべた顔をしている。すると、
「兄ちゃん、中々良い言葉を知ってるねぇ」
門の前に座り込んでいた男の人に声をかけられた。今良い言葉と言っていたが、この言葉の意味を知っているのだろうか?そもそもこの人は誰なのだろうか?頭の中にたくさんの疑問が浮かぶ。そんな疑問を感じ取ったのか、その人がこう言った。
「俺は江っちゅうもんだ、ここ、壱ノ國の住人で物売りをしてる。郷に入っては郷に従へはなここ、壱ノ國の言葉なんだよ」
江さんはとても丁寧に教えてくれた。そしてこんな提案をしてくれた。
「お前らの為に身分証作ってやろうか?偽造品だが壱ノ國に滞在するぐらいならできる」
江さんの提案に俺たちはとても困惑した。これ以外に入る方法があるかどうか、と訊かれると何も思い浮かばない。だが、夢の中の内容がなんとも気掛かりで俺は江さんに聞いてみることにした。
「江さん、俺「郷ニ入ッテハ郷ニ従へと言う言葉通りにせよ」って夢の中で言われたんですけど、何か知りませんか?」
「言葉通りにせよ、かと言うことは俺の身分証偽造はあながち言葉通りかもな」
俺は身分証偽造が言葉通りという事に驚きを隠さなかった。普通だったらそれは「やってはいけないこと」だし何か秘密でもあるんだろうか、
「驚いてんな?まぁそりゃそうか、普通の状況ならダメだもんな、今「壱ノ國」では外部の人間の身分証偽造を政府が見逃してる状況にあるんだ。元々外の人間でもどんどん受け入れるって政治だったからな、参ノ國の住人じゃない限り身分証偽造して入っても罪には問われないんだよ」
そんなことあっても良いのかわからなかったが、周りの人たちも江さんの話を聞いて続々と身分証の偽造を始めていた。レンとセツナに聞いてみたら旅の初めで犯罪者も案外面白いだろと言われたので江さんにお願いすることにした。
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「おい、兄ちゃんたち!できたぞ」
名前 零
齢 十六
名前 刹那
齢 十八
名前 蓮
齢 二十
「こんな簡略的な者で良いんですか?」
身分証があまりにも簡略化され過ぎていた為流石にこれで良いのか心配になり江さんに聞いてみた
「壱ノ國の身分証なんてこんなもんだよ」
これこそ郷に行っては郷に従えと言う者なのだろうか、刹那は新しい身分証に興味津々で蓮もどことなく口角が上がっている気がする
「じゃ、行ってこい。」
俺たちは江さんに後押しされ「壱ノ國」に入っていった。
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壱ノ國は戦争していると聞いていたが入ってみると其のような雰囲気はなく皆楽しそうに生活していた。とりあえず宿を探そうと思っていた矢先とある老夫婦にこえをかけられた。
「あなた達旅の者かい?よかったらうちの宿に泊まって行ってくださいな」
何故俺たちが外部の人間だと分かったのかがわからず目を見開き立ち尽くしていると、
「旅の者か、と聞かれるとなんとも言えませんが宿を探していたので助かります」
蓮が先に老夫婦に返事をした。門から宿までは少し距離があるようでその間二人は様々なことを話してくれた。二人も元々旅人だったこと,2年前たまたま故郷である壱ノ國に帰ってきたら戦争が始まってしまったこと,自分達も様々な國を旅したこと,他にも多くの話をしてくれた。そうこうしているうちに二人が経営していると言う宿に到着した。
「何泊されて行きますか?一泊銀貨2枚となっております」
一泊で銀貨2枚とはかなり良心的だ。零ノ國の宿でも一泊銀貨5枚は取るだろう。
「んー、、、二人ともどうする?」
刹那が俺たちの方を向きながら質問を投げかけてくる。
「3泊ぐらいで良いんじゃないかな?」
確かに、俺たちはあまり一つの國に長居するつもりがない、其の為何処の國に行っても最高5泊までにしようと零ノ國を出る時に三人で話していたのだ。
「では3泊分で銀貨6枚ですね。延長もできますので後でお申し付けください」
とても優しい口調で受付をしてくれているのは桜さんと言うらしい。桜さんは旦那さんと十八の時に出会い、一緒に旅を続け結婚したらしい。
「では、本日はもう遅いですし部屋でお休みになられますか?」
「そうしよそうしよ!」
桜さんの質問に刹那が食い気味で答え、今日はここまでにしよう、と言うことになった。
アルカモ分カラナイ「最後ノ國」ヲ探スタメニ。
コノ先何ガアルカ分カラナイ。
彼ラハソレモ承知デ旅ニ出タ。
何故?如何シテ?ソレハマダ分カラナイ。
ダカラコソ彼ラハ歩ヲ止メナイ。進ミ続ケルタメニ。
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マズハ壱ノ國を探ソウ。
壱ノ國ハ別名「日ノ國」ト呼バレテイル。
コノ世界デ壱番太陽ニ近イ國。ソレガ壱ノ國デアル。
地震ガ多ク大変危険ダガ、
其ノ代ワリニ外側ノ人間ヲ快ク受ケ入レテクレルヨウダ。
其ノ國ハ東ニ或ル
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ー或ル日ノ朝ー
「おはよう!レイ、レン!」
それは良く晴れた冬の日の事だった。いつものようにセツナが朝早くに俺たちの元へ駆けてくる。だが、その日は何か違った。セツナがなんというか、恐ろしいほど笑顔だったのだ。
「おはようセツナ」
いつものようにセツナに挨拶を返すレンと先ほどまで見ていた夢の内容を思い出しながらぼーっとしている俺を見て、急にセツナがこんな事を言い出した。
「ねぇねぇ!二人とも!一緒に旅に出ようよ!」
旅、夢の内容のこともあるし少し気になってはいたがまさかセツナが旅に出ようなんて誘ってくるとは思いもしなかった。
「旅ぃ!?なんでそんな急なこと言ってんだよ」
きっとレンの反応が普通なのだろう。だが、どうしてもあの夢を見たせいで旅に出なければいけない気がしてならなかった
「俺は、いいと思うな、」
「レイ!?どうしたんだお前まで!」
レンにまで驚かれてしまったようだ。それでも、どうしても旅に出なきゃいけない気がした。提案してきたセツナはと言うと、俺が賛成してくれるとは思っても見なかったのか目を見開いてとても驚いている。
「さっすがレイ!じゃあ早速出p「ちょっと待て」
セツナが今すぐにでも行こうとするのをレンが止める
「行くのはまぁいいにしても最低限の準備しなきゃだろ!?」
確かに最もだ、俺たちは各自荷物を家から持ち寄りすぐさま出発することにした
「じゃ、二人とも忘れ物ないな?」
レンが最後の確認をする。とりあえずの目的地は俺が夢で見た「壱ノ國」と言われる場所だ。東というざっくりとした表現しかわからないが当分俺たちの故郷「零ノ國」とはお別れになるだろう。
「じゃっ!行こっか!」
セツナは目的地も決まりるんるんで歩き始める国境付近までは馬車が出ているようで俺たちはそれに乗り込んだ。国境付近に着くまでに、また変な夢を見た。
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壱ノ國デハ現在、戦争ガ行ワレテイル
其ノ為外ノ人間ノ出入リヲ規制シテイル
壱ノ國ヘ入ル為ニハ、「郷ニ入ッテハ郷ニ従へ」
トイウ言葉ノ通リニセヨ。
サスレバ道ハ開カレルデアロウ。
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「、、、て、、、きて、、、起きて!!!!」
あまりの声の大きさに驚き飛び起きるとセツナが顔を覗かせていた
「どうする?レイ、壱ノ國、今参ノ國と戦争中で俺ら入れないってよ」
眠い目を擦りながら起きると先ほど夢の中で書いた筈の内容をレンが話していた。そういえば夢の中ではなんて言ってたっけ、確か、、、
「郷ニ入ッテハ郷ニ従へだったかな、」
思わず考えてた内容が口に出てしまい急いで口を手で覆い隠した。セツナもレンも我慢を浮かべた顔をしている。すると、
「兄ちゃん、中々良い言葉を知ってるねぇ」
門の前に座り込んでいた男の人に声をかけられた。今良い言葉と言っていたが、この言葉の意味を知っているのだろうか?そもそもこの人は誰なのだろうか?頭の中にたくさんの疑問が浮かぶ。そんな疑問を感じ取ったのか、その人がこう言った。
「俺は江っちゅうもんだ、ここ、壱ノ國の住人で物売りをしてる。郷に入っては郷に従へはなここ、壱ノ國の言葉なんだよ」
江さんはとても丁寧に教えてくれた。そしてこんな提案をしてくれた。
「お前らの為に身分証作ってやろうか?偽造品だが壱ノ國に滞在するぐらいならできる」
江さんの提案に俺たちはとても困惑した。これ以外に入る方法があるかどうか、と訊かれると何も思い浮かばない。だが、夢の中の内容がなんとも気掛かりで俺は江さんに聞いてみることにした。
「江さん、俺「郷ニ入ッテハ郷ニ従へと言う言葉通りにせよ」って夢の中で言われたんですけど、何か知りませんか?」
「言葉通りにせよ、かと言うことは俺の身分証偽造はあながち言葉通りかもな」
俺は身分証偽造が言葉通りという事に驚きを隠さなかった。普通だったらそれは「やってはいけないこと」だし何か秘密でもあるんだろうか、
「驚いてんな?まぁそりゃそうか、普通の状況ならダメだもんな、今「壱ノ國」では外部の人間の身分証偽造を政府が見逃してる状況にあるんだ。元々外の人間でもどんどん受け入れるって政治だったからな、参ノ國の住人じゃない限り身分証偽造して入っても罪には問われないんだよ」
そんなことあっても良いのかわからなかったが、周りの人たちも江さんの話を聞いて続々と身分証の偽造を始めていた。レンとセツナに聞いてみたら旅の初めで犯罪者も案外面白いだろと言われたので江さんにお願いすることにした。
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「おい、兄ちゃんたち!できたぞ」
名前 零
齢 十六
名前 刹那
齢 十八
名前 蓮
齢 二十
「こんな簡略的な者で良いんですか?」
身分証があまりにも簡略化され過ぎていた為流石にこれで良いのか心配になり江さんに聞いてみた
「壱ノ國の身分証なんてこんなもんだよ」
これこそ郷に行っては郷に従えと言う者なのだろうか、刹那は新しい身分証に興味津々で蓮もどことなく口角が上がっている気がする
「じゃ、行ってこい。」
俺たちは江さんに後押しされ「壱ノ國」に入っていった。
______________________________________________________________________
壱ノ國は戦争していると聞いていたが入ってみると其のような雰囲気はなく皆楽しそうに生活していた。とりあえず宿を探そうと思っていた矢先とある老夫婦にこえをかけられた。
「あなた達旅の者かい?よかったらうちの宿に泊まって行ってくださいな」
何故俺たちが外部の人間だと分かったのかがわからず目を見開き立ち尽くしていると、
「旅の者か、と聞かれるとなんとも言えませんが宿を探していたので助かります」
蓮が先に老夫婦に返事をした。門から宿までは少し距離があるようでその間二人は様々なことを話してくれた。二人も元々旅人だったこと,2年前たまたま故郷である壱ノ國に帰ってきたら戦争が始まってしまったこと,自分達も様々な國を旅したこと,他にも多くの話をしてくれた。そうこうしているうちに二人が経営していると言う宿に到着した。
「何泊されて行きますか?一泊銀貨2枚となっております」
一泊で銀貨2枚とはかなり良心的だ。零ノ國の宿でも一泊銀貨5枚は取るだろう。
「んー、、、二人ともどうする?」
刹那が俺たちの方を向きながら質問を投げかけてくる。
「3泊ぐらいで良いんじゃないかな?」
確かに、俺たちはあまり一つの國に長居するつもりがない、其の為何処の國に行っても最高5泊までにしようと零ノ國を出る時に三人で話していたのだ。
「では3泊分で銀貨6枚ですね。延長もできますので後でお申し付けください」
とても優しい口調で受付をしてくれているのは桜さんと言うらしい。桜さんは旦那さんと十八の時に出会い、一緒に旅を続け結婚したらしい。
「では、本日はもう遅いですし部屋でお休みになられますか?」
「そうしよそうしよ!」
桜さんの質問に刹那が食い気味で答え、今日はここまでにしよう、と言うことになった。