放課後になって帰りのチャイムが鳴った。それと同時に僕は教室を出よう足した時だった。
「おい、まり！」
振り返ると廊下で手招きしながら、悪そうな顔している克樹がいた。
なんとなくわかっている。あの感じで笑っている時はだいたい死ぬ

「ちょっと体育館裏に来い」
「え、」

体育館裏って、一体どこの不良漫画だよ…？憧れているのかな。もしかして中二病か？勘弁してくれよ。
しかたなく後ろについては行くが…大体わかる何が起こるかっていうとどうせ今日のやり返しだろ。こりないやつだよ。

(今日は夕陽が綺麗だな…)
太陽がしずむにつれて、体育館が見えてきた。何回も言うけどどこの不良漫画だよ。どうせ呼ばれるなら綺麗な女の子がよかったな。

克樹が足を止めてこっちに体を向けると、そこから人がだんだん増えてきた。
(ああ、そういう感じか。)

克樹の取り巻きか？まあ、立派な軍隊であることよ…ちなみにこの中学校は治安が悪いわけでもないし、頭が悪いでもない。なんなら進学校である。

「俺、お前嫌いだわ」克樹は一言僕に言った。
「うん、僕も君が嫌いだし近づきたくない。それに、2度と顔も見たくない」
本音を言っただけだ。

「それは好都合だね、じゃあ、」
どうやったらそんな笑顔で人を抑えつけて、アッパーの準備ができるだろうか。
「なんかいうことある？誤ってくれたら、何もしないけど」

「はははは、よくいうよ？謝るのはそっちだろ？バカザルが。口でも言い返せないから今こうやって暴力でしかやり返せないんだろ？」

「お前、、、！？」

『ドッコン！ドッス、ドン！』鈍い打撃音だけが耳に響いていた。
10分だろうかボコボコに殴られた続けた。

抵抗はしなかった。ただやられるままに、不思議と痛くはなかった。まあ、父親の拳よりはマシだった。一応これは虐待ではない。僕が完全に悪かったんだ。
初めて僕はあの時、父親の拳をくらったんだよな。

「じゃあ、2度と俺の前にくるな」
そう言ってかっちゃんは僕を置いて消えていった。はああ…死にたいな。
「
痛い、ヒリヒリするなあ。殴られた時より、後の方が痛いんだな」


[太字] [大文字]「クソやらあああああああああああ！！！」[/大文字][/太字]

僕は大声で言った。多分今までで1番声が出ていたと思う。大粒の涙を流していた。泣いたのっていつぶりだろうか…なんだよ、僕が一体何をしたんだよ。
止まらない涙。溢れ出でてくる。

校舎裏で一人大の字で中学2年生が号泣している姿をいったい誰が想像するだろうか。
誰かが、近づいてくる足音が聞こえる。

「まり、くん？だ、大丈夫！？」仰向けになっているぼくの顔をのぞいてきた。
みなだったのか、
「み、な？」
「あ〜、えーと忘れ物して、帰ってたらたまたま…」
「いいよ、放っておいて。」
「それはできないよ！」
みなは体を支えて、起こしてくれた。なんて女神だろうか…

「あのね、まり君？そのあの時は、ありがとね」
「え？あの時って？」
「ほら？田中君を守ってくれたじゃん？」
いやそれは違う、、
田中を守ったわけじゃない、多分僕は美奈を守りたかったんだ。
…なんで僕は守りたいって思ったのだろうか？

「ねえ、まり君今度の日曜日、遊ばない？」
いやあ、タイミングを考えてくれよ…僕は今殴られてギャン泣き状態だよ
「それ、今言うことかな？」
「いや、それは、そうだけど、、、」
「いいよ。」
「え？」
「だからOKだよ」
そうして今度の今度の日曜は遊ぶことになった。
変な形で決まったけどね。

その後入ったお風呂がめっちゃ痛かった。