私が消えたこの世界
「ケイは大体ここら辺にいると思う。」宙さんはマップに円を書き、指を指して言う。
見つけたらどうするのか、ふと疑問に思ったので問いかけた。
その疑問に対し宙さんは「……倒す。」と哀しげに答えた。
もう一つ聞きたいことがあったので、「姿は……?」とボリュームを下げて尋ねた。
「厄介な事に、年によって変わるんだ。」
姿も分からずに探せるのかな、と思ったが「雰囲気で分かる」と宙さんは私が考えている事が分かったかのように言った。
「プロが言う言葉ですね」と私はくすっと笑った。
「いいや。君でも分かるくらい雰囲気が悪い。」と宙さんは表情を変えずに言った。
私は返事に困り、「そうなんですね」と一言言った。
宙さんがマップの中に書き込んだ場所に向かう。
「あ……」
そこには見慣れた建物があった。
私が通ってた学校だ。
校門前には二人の同級生がいた。
何か話している。
「ねぇねぇ。あの制服って……」
「だよね。同じ学校の子だよね。しかも同学年。」
制服の胸元に着いていたバッヂで分かったのだろう。
だけど“私”という存在はない。無視無視。
「だけどそんな子いた?」
「なんか見た事あるような……えっと……名前。」
無視したい。だけど気になって無視できない。
私は思わず「あのっ!」と二人に向かって言った。
「私のこと──」
「行くぞ」と宙さんか遮った。
「え?」
「でも、名前だけ!」
宙さんは「はぁ」っと深いため息を吐いて「分かった」と言った。
「私は岡久ユキ。」
「おかひさ……」
「ゆき……?」
と二人は首を傾げた。
やっぱりダメか。と思った瞬間、私の服を引っ張り「それじゃあ」と宙さんは話を切り上げて言った。
「なんでそんなに急ぐんですか」と私はむすっとした顔で言った。
「早く戻したいだろう。」
「……」
私は黙り込んだ。
確かにそうだけれど、何故かこのままでも良いという気持ちがあった。
爽やかな風が吹く。
今、家族はどうしているのだろう。
友達はどうしているのだろう。
私の悩んでいる顔を見て「大丈夫?」と宙さんが声をかけてくれた。
「はい。」
「お腹減った?」
私は首を振る。すると、計算されていたかのようにぐーっとお腹が鳴った。
「あ……」
私は恥ずかしくなり、顔を赤く染めた。
「じゃあ、あそこに寄ろう。」とスーパーマーケットを指を差して言った。
「好きなの選んで。」と言われた。
「いいんですか⁈」私は目を輝かせながら言った。
「えっと……これ!」
私が取ったのは安いヨーグルトだ。
宙さんはあまりにも安すぎて「え⁈それで大丈夫なの⁈」と驚いていた。
「大丈夫です!これ、とても美味しいので!」
「……じゃあ俺も。」
外に出て座って食べる。
「やっぱこの味!」
「確かに美味しい。」
一個百円という安さと意外と美味しいという理由で宙さんは驚いていた。
食べ終わった後、再びケイがいる場所に向かう。
地図で見たよりも遥か遠い。
もう太陽も西に傾いている。
「家から大分遠いけれど大丈夫なんですか?」
「ホテルとかあるから大丈夫だろう。」と宙さんが言った。
歩いていると、「ホテル」という大きな看板が現れた。
「あ」と私は思わず声を上げた。
「ここ、ビジネスホテルだけど大丈夫?」
「全然!」
「じゃあ、決まりだな。」
そう言って私たちは中に入った。
見つけたらどうするのか、ふと疑問に思ったので問いかけた。
その疑問に対し宙さんは「……倒す。」と哀しげに答えた。
もう一つ聞きたいことがあったので、「姿は……?」とボリュームを下げて尋ねた。
「厄介な事に、年によって変わるんだ。」
姿も分からずに探せるのかな、と思ったが「雰囲気で分かる」と宙さんは私が考えている事が分かったかのように言った。
「プロが言う言葉ですね」と私はくすっと笑った。
「いいや。君でも分かるくらい雰囲気が悪い。」と宙さんは表情を変えずに言った。
私は返事に困り、「そうなんですね」と一言言った。
宙さんがマップの中に書き込んだ場所に向かう。
「あ……」
そこには見慣れた建物があった。
私が通ってた学校だ。
校門前には二人の同級生がいた。
何か話している。
「ねぇねぇ。あの制服って……」
「だよね。同じ学校の子だよね。しかも同学年。」
制服の胸元に着いていたバッヂで分かったのだろう。
だけど“私”という存在はない。無視無視。
「だけどそんな子いた?」
「なんか見た事あるような……えっと……名前。」
無視したい。だけど気になって無視できない。
私は思わず「あのっ!」と二人に向かって言った。
「私のこと──」
「行くぞ」と宙さんか遮った。
「え?」
「でも、名前だけ!」
宙さんは「はぁ」っと深いため息を吐いて「分かった」と言った。
「私は岡久ユキ。」
「おかひさ……」
「ゆき……?」
と二人は首を傾げた。
やっぱりダメか。と思った瞬間、私の服を引っ張り「それじゃあ」と宙さんは話を切り上げて言った。
「なんでそんなに急ぐんですか」と私はむすっとした顔で言った。
「早く戻したいだろう。」
「……」
私は黙り込んだ。
確かにそうだけれど、何故かこのままでも良いという気持ちがあった。
爽やかな風が吹く。
今、家族はどうしているのだろう。
友達はどうしているのだろう。
私の悩んでいる顔を見て「大丈夫?」と宙さんが声をかけてくれた。
「はい。」
「お腹減った?」
私は首を振る。すると、計算されていたかのようにぐーっとお腹が鳴った。
「あ……」
私は恥ずかしくなり、顔を赤く染めた。
「じゃあ、あそこに寄ろう。」とスーパーマーケットを指を差して言った。
「好きなの選んで。」と言われた。
「いいんですか⁈」私は目を輝かせながら言った。
「えっと……これ!」
私が取ったのは安いヨーグルトだ。
宙さんはあまりにも安すぎて「え⁈それで大丈夫なの⁈」と驚いていた。
「大丈夫です!これ、とても美味しいので!」
「……じゃあ俺も。」
外に出て座って食べる。
「やっぱこの味!」
「確かに美味しい。」
一個百円という安さと意外と美味しいという理由で宙さんは驚いていた。
食べ終わった後、再びケイがいる場所に向かう。
地図で見たよりも遥か遠い。
もう太陽も西に傾いている。
「家から大分遠いけれど大丈夫なんですか?」
「ホテルとかあるから大丈夫だろう。」と宙さんが言った。
歩いていると、「ホテル」という大きな看板が現れた。
「あ」と私は思わず声を上げた。
「ここ、ビジネスホテルだけど大丈夫?」
「全然!」
「じゃあ、決まりだな。」
そう言って私たちは中に入った。