文字サイズ変更

お隣の花屋さんと僕

#4

家へ




(黒瀬家へ)


家に帰ってきて、改めて自分の姿は酷いものだった。

取り敢えず風呂に入ろうと、ダイニングテーブルに花束と手紙を置いた。





[水平線]

(風呂後)



「ふぅ...」

やっと人心地が着いた。

濡れた服を着ているのは矢張り落ち着かないものだ。

ふとスマホに視線を落とすと、時刻はお昼を回っていた。

「腹減ったな...」

しかし、ダイニングテーブルには、抱えないと持てない大きさの花束がおいてある。

(花って、どうやって飾るんだろう...?)

困ったものだ。

ふと、榎本さんからもらった手紙に気づいた。

開いてみると、今の僕の心情を見透かしたような文章が綴られていた。














[水平線]












『黒瀬家の皆様』

こんにちは。お隣に引っ越してきました、榎本と申します。以後お見知りを。

さて、今朝、御宅の息子さんに花束を預けました。

楽しんでいただけると幸いです。

又、誠にご勝手ながら、花の飾り方も書かさせていただきます。


――花の飾り方――

1、花瓶を用意します。

2、包まれている包装紙を外します。

3、其の儘花瓶へ入れます。

4、水を8分目まで入れます。

※水は2日に一回変えてください。











[水平線]





成程。それにしても榎本さんはこのようなことまで見越していたのか。


僕はそう思いながら、古い記憶をたどり、花瓶を探し始めた。








数十分後









「あった...!」

ようやく見つけることができた。

僕が子供の頃に一度だけ見たことのある、細長く、丸いフォルムをした、空色の花瓶だ。

早速、手紙に書かれた手順通りに、花を飾ってみる。


[水平線]


「まあまあ良いんじゃない?」

不器用な僕にしてはきちんと飾れたと思う。

腹が減っていることを思い出したので、調理に取り掛かる。

手先は不器用だけれど、料理は周りよりかはできる方だった。

冷蔵庫の中身を見て、今日の昼食を決める。

「米、鮭、、、今日は和食でいいかな...!」

早速鮭を塩焼きにして、軽く味噌汁を作る。

これぐらいならば、ものの十数分でできた。



「いただきますッ!」


モグモグ




カラッ



「御馳走様でした。」

我ながら上手い(美味い)出来だったと思う。


さて、やることのなくなった僕だが、何をしようか。





......そういえば、この花の名前、何というのだろうか。


Go◯gleレンズを駆使して、検索を掛けていく。




あの花束を中心に飾っていた白色の綺麗な花。




それは、ダリアの花だった。

その花の香りは、榎本さんの店で香った香りと良く似ていた。




「...花には、花言葉があったんだっけ...?」

それも含めて検索をかけてみる。








白いダリアの花言葉は、








感謝









だった。





(次回へ)

作者メッセージ

お早う御座います。若しくはこんばんわ。きつねそばです。

ダリアの花言葉には、「豊かな感情」や、「不安定」という言葉もあるそうですが、今回は考えなくてもらっていただけたら、、、、!


次回も宜しくお願いします。

2025/01/28 18:52

―:きつねそば:― ID:≫.5bOh3UWWE1ho
続きを執筆
小説を編集

パスワードをおぼえている場合はご自分で小説を削除してください。(削除方法
自分で削除するのは面倒くさい、忍びない、自分の責任にしたくない、などの理由で削除を依頼するのは絶対におやめください。

→本当に小説のパスワードを忘れてしまった
▼小説の削除を依頼する

小説削除依頼フォーム

お名前 ※必須
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
削除の理由 ※必須

なぜこの小説の削除を依頼したいですか

ご自分で投稿した小説ですか? ※必須

この小説は、あなたが投稿した小説で間違いありませんか?

削除後に復旧はできません※必須

削除したあとに復旧はできません。クレームも受け付けません。

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
小説のタイトル
小説のURL
/ 5

コメント
[0]

小説通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

盗作されたと思われる作品のタイトル

※できるだけ具体的に記入してください。
特に盗作投稿については、どういった部分が元作品と類似しているかを具体的にお伝え下さい。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
小説のタイトル
小説のURL