【参加〆】47人の代表者
荒い息のまま、晴翔と綺羅楽は東京本部を出た。
「妾は北の方行くさかい、晴翔はこの辺探索しとって!」
「分かりました!!」
綺羅楽は、走り去っていった。
「([斜体]このまま一人で行動するのは危ないな、、、[/斜体])」
「あれ、、、こんな所にまだ人がいるなんて」
晴翔が後ろを振り向くと、そこには
白い髪に、白いダボダボの服に黒い短パンの中性的な見た目をした
少女、、、だろうか???
「、、、あなたは??」
「僕は、「[漢字]白星[/漢字][ふりがな]しろぼし[/ふりがな] [漢字]心々[/漢字][ふりがな]みみ[/ふりがな]」。兵庫県の代表。」
「熊本県の代表の山野晴翔です、、、」
「あぁ、代表なんだ。なら一緒に行動しない?」
ふわふわした印象のまま、心々は晴翔に近付きながら言う。
「、、、分かりました。1人で行動するよりは2人で行動した方がいいですもんね」
「ん、よろしく〜」
心々と晴翔は、ゆっくりと歩き出した。
10分ぐらい歩いた後、晴翔は「[漢字]違和感[/漢字][ふりがな]デジャヴ[/ふりがな]」を感じとった。
少し冷や汗をかきながら、晴翔は心々に言う。
「さっきから、、、同じ所ぐるぐる回ってませんか?」
「僕も思った。試しに、、、ここに傷でもつけとこう」
「え、えぇ!?良いんですか、、、??」
驚く晴翔をよそ目に、
心々は街路樹にナイフでバツ印を描いた。
「僕達にも理由があるし。仕方ないでしょ。」
「、、、そうですかぁ、、、」
2人は歩く。
街路樹が目に入る。そこにはバツ印がしっかりと残っていた。
「ドンピシャだね」
「悪霊の影響でしょうね、、、」
「多分A級だろうしね」
「A級!?、、、大丈夫ですかね、、、??」
A級。これは「A級の代表が討伐できる」という意味ではなく、
「A級の代表3人で討伐できる」という意味合いがある。
簡単に思うが、実際には「S級1人とA級1人で勝てるかどうか」ぐらいである。
ぞっ、と嫌な予感がした。
「[大文字]心々さん後ろッ!!![/大文字]」
「っ!!?」
心々が上半身だけを屈めると、その上を斬撃が通る。
「っ、、、!!!」
2人の視線の先には、いつもの黒いモヤモヤではない、
人のような姿をした悪霊がいた。
心々は目を細めて呟く。
「ヒトガタか、、、」
ヒトガタ。
いわゆるほかの悪霊よりも知能、能力が高い個体のことを指す。
すると、D級悪霊もうじゃうじゃ湧いてきた。
「手下かよ、、、っ」
嫌そうな顔をしたまま晴翔は走り、斬撃を繰り出す。
「【[明朝体][太字]蒼刀一閃[/太字][/明朝体]】!!」
その斬撃は、D級悪霊を軽々薙ぎ倒しヒトガタまで届く。
ヒトガタは真っ二つになった。
晴翔が荒い息のままそのヒトガタを見つめていると、
ゆっくりと再生して繋がった。
「防御力チートの次は再生力チートかよ、、、っ!!」
「ズいブん手荒なマねをシてくれルナ」
「喋れるみたいだね」
心々はふう、吐息を吐くと言い放った。
「《[明朝体]御神妖來[/明朝体]》【[明朝体][太字]お化けの呪い[/太字][/明朝体]】」
道路がシーンと静まりかえる。何も起きなかった。
そう、本当に何も。
「4...5...6...」
「ハぁ?ナニをイっていルんだォまえは」
「7...8...9...」
「10」
ヒトガタが飛び散った。正式には即死した。
「僕の能力とは相性が良かったみたい」
「、、、[小文字]まじかよ[/小文字]、、、」
「さすがにこれじゃあ大丈夫だよ、、、ね、、、??」
だが、ヒトガタの方を見ると、黒い血を滴らせながらも
確かに立っていた。
「すげェ能力を使うもんだなァ」
「、、、知能が上がってる?」
晴翔が目を見開く。
心々が少し焦りながら言う。
「まさか攻撃を受けたら受けるほど強くなるとかじゃないよね、、、??」
「、、、!!」
「([斜体]これも、、、燈瑠さんの言っていた「能力持ち」のせいなら、、、犯人は京都府の代表、、、???[/斜体])」
晴翔の中で色んな考えが渦巻く。
「[太字][大文字]晴翔っ!![/大文字][/太字]」
心々の一言でこちら側に戻ってくる。
いつの間にか斬撃が目の前にある。間に合わない。
「[明朝体]晴翔、考えるのは自由ですが、時を見極めなさい[/明朝体]」
自分よりも大きな背中が、前に立った。
黒い執事服が微かに揺れる。
「【[明朝体][太字]右近の桜[/太字][/明朝体]】」
桜吹雪が舞い、目の前が見えなくなる。
腕を掴まれた。桜吹雪が舞い終わると、
ヒトガタが米粒ほどに見える位置にまで自分と心々は移動している。
「やれやれ、久しぶりに焦りました」
黒髪のセンターパートに黒い目、シックな色合いの執事服にモノクル。
2人の目の前に居たのは長崎県の代表、「[漢字]輝夜[/漢字][ふりがな]かぐや[/ふりがな] [漢字]蝶爾[/漢字][ふりがな]ちょうじ[/ふりがな]」その人であった。