【参加〆】47人の代表者
《2階》
その場にカップ麺の匂いが漂う。
「はぁ、それにしても2階に非常食があって良かったわ。ほら晴翔も食い食い」
「ありがとうございます、」
その場にいた4人は2階の広場でカップ麺を食べている。
在最は麺をすすり終わると話し始める。
「んで、こっからどーすんの??正直、することなくない?」
「同感じゃな。思い切って3階に上がってみるのも1つじゃ!!」
史紅はカップ麺を食べ終わったらしく、
腕を組んで「[斜体]3階行ってもええな〜[/斜体]」と考えている。
晴翔は麺をすすりながら3階の様子を思い出す。
そういえば瑞姫が華京とはぐれたと言われていた。
その場合華京も3階にいる可能性が高い。
「華京さんが3階にいるかもしれないので、そこと合流するのも十分良いかと」
「じゃ、食べ終わったら3階行こ」
在最が立ち上がった。
[水平線]
《3階》
「思ったより建物残ってますね」
「今[漢字]13:00[/漢字][ふりがな]1時[/ふりがな]やろ??[漢字]15:00[/漢字][ふりがな]3時[/ふりがな]にここ集合にして、1回他の代表者探そうや」
史紅が 3-2 と書かれた階段の柱をぺしぺしと叩いて言う。
在最が頷く。
「おっけぇ了解。」
全員はバラバラと別れた。
晴翔は3階の通路を見回す。
すると、奥の方の部屋から話し声が聞こえてくる。
「[斜体]〜〜〜〜でしょう[/斜体]」
「[斜体]それは〜〜〜〜だよ、、、、??[/斜体]」
声からして華京と燈瑠だ。2人で何を話しているのか。
晴翔は、欲望に抗えず扉に片耳をつけた。
[水平線]
「また自分を連れてきてどうしたの、、、、??」
「いえ、君がどこまで覚えているのか知りたくて」
華京がにこっと笑う。
柔らかな印象だが、それは有無を言わせないものだった。
「、、、、17年前までなら辛うじて」
「じゃあ、最初から聞かせてください。僕に。」
「なんで自分が華京くんに、、、、??」
「僕の父親もどうせ関係しているんでしょう??」
燈瑠の目が見開かれる。
それに対して華京は何も言わない。
「それは自分は分からないことだよ、、、、??」
「いいえ、知っていますね。君は」
「、、、、君、どこまで知ってるの??」
華京はいやらしく笑う。
「少しだけ。」
少しの沈黙の後、燈瑠が話し出す。
「17年前。何も面白くない話。」
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燈瑠には親がいなかった。
その理由は燈瑠だって知らない。
「師範!!」
「ん、何だ?」
『師範』。燈瑠の親代わり、といえば簡単だろう。
燈瑠は目を輝かせて言う。
「悪霊のお話聞かせてください!!」
師範は悪霊を守る組織に入っていた。
組織の名前は、、、、燈瑠も知らない。
「今日はな、女の人の悪霊だったぞ。子供が死んでしまって気を病んでしまったらしい。」
「そうなんですね、、、、」
「でも、相談に乗ってやったら成仏してくれた。」
「成仏してくれたならなによりですっ!!」
「いいか、燈瑠。悪霊にも良い奴と悪い奴がいるんだ。それを見極めないといけない。」
燈瑠は師範がつけてくれた名前だ。孤城里という名字は誰のものか知らない。
「はい!!」
そんなある日、燈瑠は師範に呼び出された。
「燈瑠。俺が東京都の代表者と協力してるのは知ってるだろ??」
「はい、東京都の代表者さんも悪霊と仲良くしたい方だと」
「東京都の代表者の秘密がバレた。手伝ってくれるか??」
燈瑠はその時、秘密が何かは分からなかった。
でも、師範の味方になるのが大事。そう思い、頷いた。
[水平線]
秘密を知っているのは『滋賀県の代表者』らしい。
その男を殺さなければいけないと師範は燈瑠に告げた。
燈瑠はもう、感覚が狂っていたのかもしれない。ただ、師範の言葉に頷くだけだった。
攻め込んだ邸宅は和風建築だった。
確か、表札には「華鳥」と書かれていたと思う。
師範と燈瑠が放った悪霊はすぐに邸宅を飲み込んだ。
燈瑠も中に入って、武器を振り下ろした。人を殺した。
血がべっとりと服についた。
しばらく経って、邸宅の中に入ると男が一人血まみれになって倒れていた。
「師範、あれが滋賀県の代表者ですか??」
「ああ。」
その傍には、当時の燈瑠よりも歳が上に見える少年がいた。
泣きもせず、怒りもしていなかった。ただ、呆然とその男を見つめていた。
燈瑠が去ろうとした時、その少年と目が合った。
あの顔が脳裏に焼き付いて離れない。
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「分かってくれた、、、、??」
「、、、、そうですか。随分壮絶な過去ですね」
そんな割には華京は楽しそうである。
少し笑うと、燈瑠に華京は訊く。
「つまり、僕の父親のことは何も知らないと。」
「ただ、悪霊と共存したいと思っていた人ってことしか分からないかな、、、、」
「ありがとうございます。「あかり」。」
「、、、、なんでまだその名前で呼ぶのさ、、、、」
にこっと笑う華京はもう、それ以上言わなかった。
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燈瑠が少年ではなく、青年になった頃。
師範と同じく悪霊を成仏させたり悪霊と共に生活していた燈瑠は、
路地裏で変な少年と出会った。
「はじめまして!!」
「、、、、はぁ??」
年は六歳くらいだろうか。
燈瑠はあからさまに嫌そうな顔をする。
「ぼくの名前は『かきょう』です!!きみの名前はなんですか??」
「、、、、あかり」
「そうですか!!さよなら〜!!」
路地裏から走って消えていく『かきょう』。
燈瑠の燈は「あかり」とも読む。適当に返したつもりだった。
ややおかしな少年と、それを適当に流した青年が出会うのはもう少し後のお話。
その場にカップ麺の匂いが漂う。
「はぁ、それにしても2階に非常食があって良かったわ。ほら晴翔も食い食い」
「ありがとうございます、」
その場にいた4人は2階の広場でカップ麺を食べている。
在最は麺をすすり終わると話し始める。
「んで、こっからどーすんの??正直、することなくない?」
「同感じゃな。思い切って3階に上がってみるのも1つじゃ!!」
史紅はカップ麺を食べ終わったらしく、
腕を組んで「[斜体]3階行ってもええな〜[/斜体]」と考えている。
晴翔は麺をすすりながら3階の様子を思い出す。
そういえば瑞姫が華京とはぐれたと言われていた。
その場合華京も3階にいる可能性が高い。
「華京さんが3階にいるかもしれないので、そこと合流するのも十分良いかと」
「じゃ、食べ終わったら3階行こ」
在最が立ち上がった。
[水平線]
《3階》
「思ったより建物残ってますね」
「今[漢字]13:00[/漢字][ふりがな]1時[/ふりがな]やろ??[漢字]15:00[/漢字][ふりがな]3時[/ふりがな]にここ集合にして、1回他の代表者探そうや」
史紅が 3-2 と書かれた階段の柱をぺしぺしと叩いて言う。
在最が頷く。
「おっけぇ了解。」
全員はバラバラと別れた。
晴翔は3階の通路を見回す。
すると、奥の方の部屋から話し声が聞こえてくる。
「[斜体]〜〜〜〜でしょう[/斜体]」
「[斜体]それは〜〜〜〜だよ、、、、??[/斜体]」
声からして華京と燈瑠だ。2人で何を話しているのか。
晴翔は、欲望に抗えず扉に片耳をつけた。
[水平線]
「また自分を連れてきてどうしたの、、、、??」
「いえ、君がどこまで覚えているのか知りたくて」
華京がにこっと笑う。
柔らかな印象だが、それは有無を言わせないものだった。
「、、、、17年前までなら辛うじて」
「じゃあ、最初から聞かせてください。僕に。」
「なんで自分が華京くんに、、、、??」
「僕の父親もどうせ関係しているんでしょう??」
燈瑠の目が見開かれる。
それに対して華京は何も言わない。
「それは自分は分からないことだよ、、、、??」
「いいえ、知っていますね。君は」
「、、、、君、どこまで知ってるの??」
華京はいやらしく笑う。
「少しだけ。」
少しの沈黙の後、燈瑠が話し出す。
「17年前。何も面白くない話。」
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燈瑠には親がいなかった。
その理由は燈瑠だって知らない。
「師範!!」
「ん、何だ?」
『師範』。燈瑠の親代わり、といえば簡単だろう。
燈瑠は目を輝かせて言う。
「悪霊のお話聞かせてください!!」
師範は悪霊を守る組織に入っていた。
組織の名前は、、、、燈瑠も知らない。
「今日はな、女の人の悪霊だったぞ。子供が死んでしまって気を病んでしまったらしい。」
「そうなんですね、、、、」
「でも、相談に乗ってやったら成仏してくれた。」
「成仏してくれたならなによりですっ!!」
「いいか、燈瑠。悪霊にも良い奴と悪い奴がいるんだ。それを見極めないといけない。」
燈瑠は師範がつけてくれた名前だ。孤城里という名字は誰のものか知らない。
「はい!!」
そんなある日、燈瑠は師範に呼び出された。
「燈瑠。俺が東京都の代表者と協力してるのは知ってるだろ??」
「はい、東京都の代表者さんも悪霊と仲良くしたい方だと」
「東京都の代表者の秘密がバレた。手伝ってくれるか??」
燈瑠はその時、秘密が何かは分からなかった。
でも、師範の味方になるのが大事。そう思い、頷いた。
[水平線]
秘密を知っているのは『滋賀県の代表者』らしい。
その男を殺さなければいけないと師範は燈瑠に告げた。
燈瑠はもう、感覚が狂っていたのかもしれない。ただ、師範の言葉に頷くだけだった。
攻め込んだ邸宅は和風建築だった。
確か、表札には「華鳥」と書かれていたと思う。
師範と燈瑠が放った悪霊はすぐに邸宅を飲み込んだ。
燈瑠も中に入って、武器を振り下ろした。人を殺した。
血がべっとりと服についた。
しばらく経って、邸宅の中に入ると男が一人血まみれになって倒れていた。
「師範、あれが滋賀県の代表者ですか??」
「ああ。」
その傍には、当時の燈瑠よりも歳が上に見える少年がいた。
泣きもせず、怒りもしていなかった。ただ、呆然とその男を見つめていた。
燈瑠が去ろうとした時、その少年と目が合った。
あの顔が脳裏に焼き付いて離れない。
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「分かってくれた、、、、??」
「、、、、そうですか。随分壮絶な過去ですね」
そんな割には華京は楽しそうである。
少し笑うと、燈瑠に華京は訊く。
「つまり、僕の父親のことは何も知らないと。」
「ただ、悪霊と共存したいと思っていた人ってことしか分からないかな、、、、」
「ありがとうございます。「あかり」。」
「、、、、なんでまだその名前で呼ぶのさ、、、、」
にこっと笑う華京はもう、それ以上言わなかった。
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燈瑠が少年ではなく、青年になった頃。
師範と同じく悪霊を成仏させたり悪霊と共に生活していた燈瑠は、
路地裏で変な少年と出会った。
「はじめまして!!」
「、、、、はぁ??」
年は六歳くらいだろうか。
燈瑠はあからさまに嫌そうな顔をする。
「ぼくの名前は『かきょう』です!!きみの名前はなんですか??」
「、、、、あかり」
「そうですか!!さよなら〜!!」
路地裏から走って消えていく『かきょう』。
燈瑠の燈は「あかり」とも読む。適当に返したつもりだった。
ややおかしな少年と、それを適当に流した青年が出会うのはもう少し後のお話。