【参加〆】47人の代表者
《東京本部前》
「【[明朝体][太字]花紅柳緑[/太字][/明朝体]】。大人しくしときい」
菫が拳銃を取りだしたのと同時に蔓が伸びる。
A級のヒトガタは下から伸びてくる蔓に反応し上に飛び上がる。
「そう来ると思った」
その瞬間空中にいたヒトガタが爆発する。
ヒトガタはすたりと着地するがそれなりにダメージは入っているようだ。
「威力どうやった〜?」
薫はニコニコしながら手榴弾を片手に持っている。
「、、、どコからそんナものを、、、」
「まぁ、それは秘密ってことで。」
薫が手榴弾を懐にしまうと、
A級のヒトガタが襲いかかってくる。
すっ、すっと避けヒトガタの腹を蹴り飛ばす。
「案外弱いやん。」
ニヤリと煽り拳銃をペンのようにくるくると回す薫。
ヒトガタはゆっくりと立ち上がり、武器を出す。
「、、、嫌な予感しかしないな」
それも束の間。ヒトガタは薫の後ろに一瞬で回り込み剣をふりかざす。
本能的に薫はその剣を屈んで避ける。
「[小文字]あぶねッ、[/小文字]」
薫は上に銃を投げる。
するとまた追撃が飛んでくる。
次は剣ではなくハンマーだった。勢いを殺せず横に吹っ飛ぶ。
ヒトガタの追撃は止まらない。
次はライフルの焦点が薫の首元に合う。
「もう追撃なんてさせへんから!!!!【[明朝体][太字]花紅柳緑[/太字][/明朝体]】!!」
ヒトガタの足に蔓が絡みつき、
別の蔓が上から落ちてきた銃の引き金を引く。
ヒトガタに銃弾が当たると、そこから無数の花が咲く。
「ッッ、あがっ」
「即効性の毒。まあすぐに能力で作ったから大した強さじゃないんやけど」
その瞬間、ヒトガタが蔓を引きちぎり通行人の方へ向かう。
「またか!!!もう食わせへんで!!!」
すると青白い光がヒトガタの右腕を切り裂く。
「[小文字]、、、もう、おっそいわ、、、美味しいとこだけ奪っとるし[/小文字]」
「これ以上行かせる訳にはいきませんな」
B級のヒトガタの赤い血で染まっている正輝の和服。
それは薫が考える「最悪の状況」を裏付けるには最高の条件であった。
うめくヒトガタをよそ目に正輝は薫の元にやって来る。
「薫殿。分かっているでしょうが。」
「、、、あれ、『人間を依代にしたヒトガタ』やね。」
「いかにも。切った時のこの赤い血が何よりの証拠ですな」
ヒトガタには2つの種類がある。
①人の形をした悪霊。
②人間を器にした強い悪霊。
この場合②である。つまりは元人間なのだ。
「あア、そうだナ。それ二シても、お前ラは殺せルノか?俺を。」
「、、、胸糞悪いなぁ」
「確かに人間でしょう。ですが貴方は人を殺めてきた。その事実は揺るぐことは一生ないでしょうぞ。」
正輝が刀を握ったまま続ける。
「そして、我らはそんな貴方を殺さなければいけませぬ。そして、、、」
刀を構えて言い放つ。
「拙者は、命をかけて一般市民をお守りしまする!!!!」
「よく言った正輝さん!!」
薫と正輝が踏み込んで一瞬でヒトガタの前に移動する。
すると、きらりと正輝の目が青く光る。
「【[明朝体][太字]瞬時斬櫂[/太字][/明朝体]】」
薫が出していた蔓ごとヒトガタの体がズバリズバリと斬れていく。
ニヤリと笑って薫は勘づく。
「、、、覚醒か。じゃあ援護かな。【[明朝体][太字]花紅柳緑[/太字][/明朝体]】。」
さっき当たった銃弾の場所からヒトガタに別の花が咲く。
「っ!!!なゼ、」
「即効性だけやと思った?」
ヒトガタがうずくまる。その首に、日本刀が触れた。
「【[明朝体][太字]瞬間斬り[/太字][/明朝体]】」
正輝がどさりと道端に大の字で倒れ込む。
それをみて薫も横になる。
「もう動けませぬ、、、」
「俺ももう動けへん、、、」
横になったままけらけらと笑う2人。
「ちょっとぐらい寝ててもいいかな〜、、、」
「そんなんじゃすぐにやられてしまいますぞ。」
2人は重い腰を上げた。
[水平線]
《2階》
「、、、あっちに雅と蓮也置いて言って良かったん?」
在最が眉を下げながら言うと、
史紅が腕を組んで返す。
「大丈夫や。あいつらが簡単にやられる奴らちゃうってのはわかっとるやろ」
「まあ、あちらよりもこちらのこれからの行動を考えるべきじゃな。」
義丸の視線の向こうには信じられないほどの悪霊がうじゃうじゃと湧いていた。
「明らかにおかしい量なんやけど??」
「ま、しゃーないなぁ。とりあえず、片っ端からぶっ倒すか!!」
「俺様は戦闘向きではないのじゃが、、、、、、、、、まあ良いか!!!!」
3人は三様の武器を構えた。
[水平線]
《7階》
「ドッペルゲンガーが本当にいるなんてな」
「まぁ、そうやねぇ。でも会ったら戦うしかないやろ?」
すると、こつこつと足音が聞こえる。
「あ!!オリジナル見つけた!!!」
白い髪に黄色い目の男だ。
男は蓮也を指さすと、後ろを向く。
「お嬢〜!!!!オリジナルおりましたよ〜!!」
「そんなに言わなくても聞こえてるわよ馬鹿」
ゆっくりとやって来るポニーテールの女。
白い髪に黄緑色の目をしている。
「別にええやないですか〜」
「んで、オリジナルとやり合うの?」
「どっちでもええですよ。」
男と女はずっと言い合っている。
「、、、あれが僕たちのドッペルゲンガーなのか?」
「なんかそれっぽいなぁ」
雅が考え込む。
すると、男の方、蓮也のドッペルゲンガーがニコッと笑い言う。
「俺ら別に戦わないで良くないですか??」
「、、、は?」
ぽかんと蓮也が固まった。