【参加〆】47人の代表者
静寂の中、轟音が響いた。
《3階》
「([斜体]またかよ!!!![/斜体])」
このサイレンにももう慣れた。
3階にある自室を出て廊下を走る。右に曲がって次は左に曲がる。
「([斜体]嫌な予感しかしない、、、!![/斜体])」
すると、突然爆発音が鳴り天井が突き破られる。
4階から交戦をした影響で落ちてきたようだ。砂埃が舞う中2つの人影が見える。
1人は白色の髪でぼさぼさ。瞳は黄緑色の青年。
もう1人はその青年にそっくりだったが、髪と瞳は真反対の色合いをしていた。
晴翔に気付いていないのか、2人は交戦を続ける 。
「はは、お前面白いなァ!!」
「ちょっとそういうのやめてくれない?」
白髪の青年が1歩後ろに下がってロケットランチャーを撃つ。
もう1人はそれを能力の影響か浮いて躱す。
ぼーっとしていた晴翔は、大きく息を吸い込んで言う。
「っ、[大文字]『代表者』はどっちですか!!!![/大文字]」
「こっち。」
白髪の青年が言う。
もう1回ロケットランチャーを撃った後、晴翔の方に近付いてくる。
「僕の名前は都木。正直、今忙しいから詳しくは自己紹介できない。」
「晴翔です。」
「了解。あっちがいわゆるドッペルゲンガーってやつ。まあ、偽都木とでも言っておけばいいよ」
その言葉に晴翔は踏み込むと、一気に偽都木の前に移動する。
「【[明朝体][太字]蒼刀一閃[/太字][/明朝体]】ッ!!!」
青白い斬撃が偽都木の片腕を抉る。
「痛ってェなァ、、、」
「再生はしないみたいだね」
都木がロケットランチャーを構えながら言う。
「今の技もう1回出せる?」
「はい。出せますけど」
「僕が抑えるから。」
都木は偽都木に手をかざしてボソリと言う。
「【[明朝体][太字]重力[/太字][/明朝体]】」
一瞬のうちに偽都木の体が地面に押さえつけられる。
4階から落ちてきたのはこれが原因のようだ。
「【[明朝体][太字]蒼刀一閃[/太字][/明朝体]】!!!」
ずばっ、と音が鳴り偽都木の体が真っ二つになる。
そのまま灰になりぼろぼろと崩れていった。
「ありがと、助かった」
「いえ。お気になさらず」
都木はひょいっとジャンプして上の階に上がり、
すぐに走り去っていく。
「([斜体]、、、今のがドッペルゲンガー、、、[/斜体])」
刀を持ったまま3階を走る。
色んな方向から交戦の音が聞こえてくる。
晴翔は荒い息のまま東京本部を駆けた。
[水平線]
《5階》
「あはは、燃えちゃえ〜♪」
「ちょっと。やりすぎはやめてよね」
5階は所々燃えている。
きらるが春花の肩を叩く。
「春花ちゃん!!あそこ!!」
「あれは、、、うちらっぽいね」
「ルラキ〜あれあたしの『オリジナル』だよね〜」
「そうでしょ。カルハ、ちょっとぐらい頭使ってよ。」
カルハと呼ばれた少女はにこにこと笑う。
ルラキはどこか大人びた少女だ。
「あたし達、『オリジナル』は殺してもいいって言われてるんだよね〜♪」
カルハが自分の身長ほどある大きなハルバードを振り下ろす。
驚いた春花ときらるは間一髪で避ける。
ハルバードが落とされたところは燃えている。
「あれ、、、本当にうちらのこと殺す気だよ」
「あ、危なかったぁ、、、っ」
「いい加減にして。『キョウカ』に怒られたの忘れた?」
「あはは〜ごめんね〜♪」
ルラキはカルハを軽く叱ると、ゆっくりと息を吐く。
「【[明朝体][太字]咲蕾玩水[/太字][/明朝体]】」
春花ときらるは水をかけられる。
その瞬間、目を開けると美しい空間がそこにはあった。
蓮の花がところどころ咲いており、下には水が張られている。
歩く度にぴちゃぴちゃと音が鳴る。
「、、、私の能力にそっくり、、、」
きらるが目を見開く。
すると、遠くにルラキとカルハがいた。
「悪いけど、ここであんたらを殺さないといけないから」
「なんでっ、、、??」
「は?」
「なんで君達は私に死んで欲しいのっ、、、?」
カルハがニコニコしながら駆け寄ってくる。
「『あのお方』の命令だからだよ〜、、、??」
「、、、私達に拒否権はないからな」
春花は顔を少し伏せて言う。
「うちら、協力できないのかな」
「、、、協力?」
ルラキの眉がぴくりと動く
「だってうちらだってそんな殺したい訳じゃないんだよ、??」
「そうだよ、協力出来るんだったらっ、、、きらるはそっちがいい、、、」
「だってさ、ルラキ」
ルラキは呆然と佇んでいる。
なぜ、そんなに悲しい顔をするのか。春花ときらるは分からなかった。
「、、、良いのか?」
「まあ、裏切らないなら。」
「仲間は多い方がいいもんっ!!」
「ありがと〜♪よろしくね〜♪」
ルラキは能力を解くと、自己紹介を始める。
それに便乗してカルハも手を振りながら言う。
「[漢字]神宮[/漢字][ふりがな]かんぐう[/ふりがな] ルラキ。あんた、神巫 きらるのドッペルゲンガーってやつだよ。」
「[漢字]花弁[/漢字][ふりがな]かべん[/ふりがな] カルハだよ〜♪その春花ちゃんのドッペルゲンガー?ってやつ!!」
仲間が2人増えた。
[水平線]
《東京本部前》
東京本部の前で夜風に当たる2人。
「拙者は封界を作れるほど器用ではないからこちらに来たのでござるが、、、」
1人は黒色の地面に着くほどに長いポニーテールに茶色の瞳をした男。和装だ。
名前は「桑原 正輝」。高知県の代表だ。
もう1人は黒い髪をで後ろでお団子にしており、目は綺麗な薄紫で切れ長の男。マフィアのような服装だ。
こちらは名を「赤根 薫」といった。
「俺は正輝さんのサポートを、、、[小文字]ゴニョゴニョ[/小文字]」
「本音は?」
「[漢字]我が推し[/漢字][ふりがな]雅[/ふりがな]に会うためサボりに来た☆」
「いい加減真面目にしてくだされ薫殿」
にこりと笑い両手でピースを作る薫に正輝は呆れたように目を伏せながらツッコむ。
すると、どかんと大きな音が鳴り、2人の人影がやってくる。
「おっ、これは戦闘来たんちゃう〜??」
「仕方ありませんな。」
2人は武器を構えた。