二次創作
夢見た少女の扉の鍵
赤司のその一言で、私への注目がさらに多くなる
女の子に年齢聞くなんて、デリカシーないわぁ
『私は
22だよ』
私がそう言うと、その場が静まり返る
数秒開いて、多方面から驚きの声が上がる。目の前の赤司ですら、少し目を見開いている
『やだなぁ、そんなに若く見えた?』
てか学生じゃないことくらいわかるでしょ?君達と違って私私服だし。そう付け足す
この場にいる全員制服だが、私だけが私服だった。きっと学生じゃないからだろう
いや、この年になって制服はさすがにキツイから良かったけど
「へぇ〜、凄ぉ若見えるわ。自分22なんやな」
急に会話に入ってきた糸目の関西弁
どこか不穏な空気を感じて、一歩下がる。
そして、年齢を公開したにも関わらずタメ口な此奴に、やんわりと"敬語を使え"と伝える。
『んふふ、ありがとうね。あと敬語』
「いや、幼見えるから無理やなぁ」
なんだコイツ
どう考えても嫌味にしか聞こえなかったぞ
コイツも性格悪いのかよ。性悪ばっかだな、ほんとに
ピキ、と罅が入りそうなこめかみを、制御する
『あはは、社会に出たらソレ、使えないからね』
「社会のことよく知っとんなぁ」
マジでなんだコイツ。そう口に出なかった私を褒めて欲しい
幼いの次は、年取ってるって言いたいのかよ。マジコイツ嫌だわ
私の中で、此奴の好感度がみるみる下がっていく
「にしても、ほんまに22なん?」
『.....はは、うん。全然22だよ?なんで?』
「いやぁ、ちっちゃいなぁ思て」
君達が大きいだけだよ?と、口角を無理に上げながら放つ。
こめかみに青筋が立ってる気がする。笑顔引き攣ってないか
どこまでもイラつく発言をするこの男を殴ってしまいたい。
物騒なことを考える心を落ち着かせる
心の広い女の子を演じて、ふわりと微笑んでやる。
「あ、自己紹介忘れっとったわ。ワシは、今吉翔一。よろしゅうな」
『今吉くん、よろしくね。知ってると思うけど、私は●●○○』
「○○ちゃん、な」
いきなり名前呼びかよ........馴れ馴れしい.....
少し眉を歪めてしまって、すぐに修正する
うっすらと目を開けて、口を開いた今吉。
「○○ちゃんさ、ほんまになんも持ってないん?」
『さっき言った通り、私は何も持ってないってば』
少しの隙間で目が合い、その目に後退りをしたくなる
コイツ.....勘が鋭いだけ?ならいいけど........
今吉翔一という男に対しての不穏感が消えず、モヤモヤが続く
「いやぁ、答える時の間が気になってな?嘘、ついてんちゃうんかなて」
『そんな間あったかな?それに、嘘なんてつかないよ』
堂々とした嘘だ。
ニコニコしながらも、今吉と私の間に火花が散る
この男は危険。と私の中で定着した
『そういう今吉くんは何か持ってないかな?』
「残念ながら持ってへんのや」
『そっかぁ.......。残念だね』
この会話を早く終わらせる為に、一歩後ずさる
でも気のせいだろうか?私が下がっても先程と距離が変わらない気がするのは
「○○ちゃんはどこ住みなん?」
『......私は東京だよ。今吉くんは?』
「ワシも東京やわ。会えるかもな」
『生きて帰れたら、ね』
ナンパみてぇな奴だな......胡散臭野郎.....
少し苦笑いをするように、今吉が笑う
おそらく、この言葉の重さを理解しているのだろう。
「えらい怖いこと言うなぁ」
『あはは、冗談だよ』
全然冗談じゃねーよ、アホ
心の中で今吉翔一を見下す。
コト........と足音が私の近くに響く
「......○○ちゃんなぁ」
『ちょっと待って、近くない?』
今吉の顔が近くにあって眉を顰める
頗る不愉快な気分になる。これだから読めない奴は嫌いだ
「よく見たら、かわええな」
『.......っはは、そうかなぁ....?』
気を抜いたら捕食されそうな雰囲気に、一歩思わず後退る
てか、よく見なくても可愛いだろ。ざけんな
今吉を罵倒することで冷静を保つ。
「そんな強張らんくてええのに。なにも、取って食ったりせんよ?」
『あは、は、怖いこと、言うなぁ〜』
此奴......私の本性分かってんな?タチが悪い......
今吉の思考が見えてしまい、顔を顰める
「......なぁ、」
「○○っさーん!」
『......っうお...!』
突然後ろから飛びつかれ、思わず素の声で驚く
ふわりと漂った柔軟剤の香りが、私の鼻を通る
後ろを振り返ってパチリと合わさった目に、
「あ、○○さん驚いたでしょ?」
鷹が巣を飛び立って、私の元に来たように思えてしまった
(心理戦は得意な方ですが)