二次創作
夢見た少女の扉の鍵
ドアをガラリと開けると、目に入ってくる灯りが眩しく、目を細めた
瞬きを繰り返し、目を開ける。目の前にカラフルな色が飛び交う
どこか懐かしさを感じて、寂しくなるが、焦りが勝つ。
『........』
色々な視線が私に向けられる
嫌悪、疑い、安堵、焦燥。
......ま、そうだよな
私が会ったあの2人は知り合いだったみたいだし。
多分、知り合いがいっぱい居る中、私が........って感じか
淡々としながらも、心の内を隠すように表情を重ねる
私に近づく足音が2つ鳴った
「○○さん!マジで.....」
「●●、手前.......」
え、なんか1人怖いんだけど。逃げよっかな
てかお前いつの間に名前呼びしてんだよ
駆け寄ってきた高尾に手を握られ、
「まっじで、無事でよかったっす.....!」
『あはは、ごめんね』
眉を下げながら高尾に謝罪する
それより私は、キミの隣に居る怖い人から逃げたいっすね
「おい、●●」
『やぁー、宮地くん!悪いとは思ってるんすけどね!?』
一歩ずつ近づく宮地に、冷や汗を垂らす
「おうおう、手前は何が悪かったか分かってんだな?」
『宮地くん!!落ち着こーって!』
すっかり警戒心が無くなった宮地に隠れ、警戒心と疑いが混じった視線が嫌になる
コト、と綺麗な足音が鳴る
宮地の後ろから現れた赤髪少年が口を開いた
「.......●●さん、で合ってますか?」
『人に名前聞くなら、自分から名乗ろーね』
「.....赤司征十郎です。幾つか聞きたいことがあるんですが......宜しいですか?」
宜しいですか、目の前の此奴はそう言ったが、私に拒否権は無いように聞こえた
敵に回したくないタイプだな
『いーよ。答えられる範囲なら』
「ありがとうございます。では先ず一つ、●●さんは何処で起きましたか」
ここで、「貴方は敵か?」と聞いてこない限り、頭はいい
「6の1、時刻は6時40分」と素直に答えて、純粋さを見せる
「次に、
化け物はどう倒されましたか」
.....此処で、化け物をなぜ倒せたのを聞くのではなく、どう倒したか.....遠回しに敵か定められてるな
少し目を細めて、彼方を伺いながら回答する
『.......その場で勢いを付け、頭に回し蹴り』
「.......へぇ。何故、そのような方法で倒せると、分かったんですか?」
今、盛大に舌打ちを抑えた私に拍手を願いたい。なんだこの赤いの
気持ちをぐっと抑えて、表情を固める
『逃げてる時に、化け物の頭部に傷を発見したの。他の部位は綺麗さっぱりで、頭だけが、凹んでいた。』
『そこで、化け物の弱点は頭かと思ったの。まぁ、確証も何も無かったんだけどね。』
『そして、体育館に高尾くん達を入れたとて、体育館が本当に安全地帯かは分からなかったし、どうせまた追いかけられるなら......と思って一か八かで倒したのね』
私の話を真剣に聞いた赤司。何か考えた後に、「.....ふむ」と言っていたから、多方結果は出たのだろう
まぁ、でもアホじゃないんだ。これだけで信じると思ってない
........でも、味方は多い方がいいしね?
「貴方は危機迫るその状況で、冷静に判断できたと?」
『人の命が掛かってるから』
冷静に判断はできたのか.....
大分頭パンクしそうだったけどね
先の鼓動の速さを思い出して、どこか他人事に思う
「●●さんは何故、体育館が安全地帯だと分かったんですか?」
『それ、私も聞きたかったんだよね。君達はなんで此処にいたの?全員が全員、此処で起きたわけじゃないよね』
私が入った時の1の疑問を、彼方へぶつける
だけど、目の前の少年は間入れず「質問を質問で返さないでくださいね」とにっこりしながら言い放った
主導権は握らせないってね.........
『私は、学校の安全地帯は何処かって考えた時に、避難場所としても使われる体育館だと思ったの』
で、君達は?そう言わんばりの視線を送る
「.....俺達は、コレを見ましたので」
そう言って、赤司が出した一つの紙切れを渡された
(少しの懐かしさに、乾杯を)