壱拾壱＿西行寺幽々子

桜咲く　霊立ち込めた　楼閣に
木が満ちるのは　もう無ゐのかと

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壱拾弐＿封獣ぬえ

怪しむも　怪しまれるも　判らずか
真の姿　誰も知らずに

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壱拾参＿幽谷響子

寺の前　箒で叩く　石の路に
響き渡るは　高き声なり

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壱拾肆＿クラウンピース

月の傷　恨み恨まれ　慣れ果てに
狂気に満ちよ　月夜の奥に

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壱拾伍＿鈴仙・優曇華院・イナバ

偽るは　真の月と　偽の月
赤い瞳が　彼方を追って

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壱拾陸＿ルーミア

闇染まる　森の狭間に　妖は
前は見ゑぬが　進んで中る

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壱拾漆＿本居小鈴

妖の　述べた書物は　奥深き
読んでみるなり　没頭するは

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壱拾捌＿豪徳寺ミケ

金招き　人は招かず　世の中は
選ぶ其の道　そう甘く無ゐ

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壱拾玖＿戎瓔花

鬼様や　石崩されて　また積んで
ある人間の　墓造る為

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弐拾＿道神馴子

出てくるか　待つや待つやと　幾数年
訪れし者に　謎掛けをして