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ただイチャイチャするだけ。
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人間ですが、獣人専用高校で結ばれました

#24

君の愛②

タクシーを捕まえるか隼人のところまで走るか一瞬迷ったけど、じっとしていられなくて走り出す。

隼人......!お願い、無事でいて!





「歩美ちゃん...!もしかして、走ってきたの?何て無茶を!」
「ご、ごめ...な、さ...」

蒼馬さんが私に気付いて、近寄ってきた。
だけど息切れが凄くて、まともに話すことができない。
喉が痛いし、足も震えている。
でもそれよりも、何よりも、隼人に会いたい。

「少し休む?」

返事の代わりにふるふると首をふって、じっと蒼馬さんを見つめる。
蒼馬さんは困ったような顔をして、でも、諦めたようにうなずいた。


「...分かったよ。隼人はこっち」

廊下を進んでいくにつれて、すれ違う人の数が減っていく。
少しして、蒼馬さんが立ち止まった。

「ごめん。獣人はここまでしか入れないんだ。ここをまっすぐ進んだ突き当たりに、隼人がいるから」
「はい。ありがとうございます」


私が人間でよかったと思った。
このウイルスは人間には感染しないし、付着することさえないそうだ。
そんなに人間が嫌いなのか。別にいいけど。安心だけど。
だから他の人にウイルスを移す心配もせずに、隼人と会える。

私は思い切りドアを開けたいのを我慢して、ドアを叩いた。

「...隼人。起きてる?歩美だよ。入ってもいいかな」
「............ああ」


聞こえてきた声は少し掠れていて、胸が痛む。
ゆっくりと部屋に入ると、そこにはベッドしかなかった。

こんな小さな部屋に、1人で、ただ病と戦うなんて......。

私はすぐ、ベッドに近付いてしゃがむ。

「隼人......」

「そんなに心配することじゃない」


隼人はゆっくりと手を動かして、私の頭に乗せた。

「無理しないで。じっとしていて」
「...してない」
「してるよ」


優しく、隼人の手を握る。
大きな手は少し乾燥していた。
でも暖かくて、心からほっとする。
...よかった。隼人が生きていて。

どのくらいそうしていたかは分からないが、いつの間にか隼人は目を閉じて寝ていた。
何だかどっと疲れた。
迫ってきた眠気に逆らえず、私もゆっくり目を閉じた。




「...............はっ」

目を覚ますと、隼人の顔。
穏やかな顔で、こちらを見つめている。

「おはよう」


掠れた声。
そうだ。隼人はウイルスに感染していたんだった。
あまりにも隼人が優しく微笑んでいるから、一瞬そのことを忘れてしまった。
そういえばお腹が空いた。
...隼人は何か食べたのだろうか?食欲はあるのかな?


「おはよう。隼人、お腹は空いてる?」
「...腹?......確かに、空いている」

「本当?じゃあ、何か食べられそうなものを持ってくるね」


隼人にそう伝えて、私は部屋を出た。

歩いていると、突然後ろから肩を叩かれる。

「きゃあっ!?」

思わず大きな声を出してしまった。
自分の声が反響して、響く。
恥ずかしくて顔が熱くなるのが分かった。

「ごめん、驚かせちゃったね」
「蒼馬さん、いいえ。こちらこそごめんなさい」

「歩美ちゃん、どうしたの?何かあった?トイレならあっちだけど」
「あ、違うんです。何か隼人が食べられるものがあったらな、と思って...」

蒼馬さんはそういうことなら、と、どこかへ行って帰ってきた。
手にはバナナ。

「これくらいしかないんだけど、どうかな?」
「わ、ありがとうございます!助かります」

それを受け取って、ふと疑問だったことを聞いてみる。


「...あの、この病気ってどうすれば治るんですか?」
「.........薬を飲めば治る。でも、......」

やけに歯切れが悪い。何か問題があるんだろうか。


「......今、ここに...この街に、その薬がない」


「............えっ」


一気に絶望のどん底に突き落とされる。
そんな私を慰めるように、蒼馬さんは言った。

「で、でも。一週間後に薬が支給されるんだ。だから、それまでの辛抱だよ」


一週間........。
その間に隼人に何かがあったら?
考えたくもない。

何かあったのかと隼人に聞かれたけど、曖昧に笑うことしかできなかった。

作者メッセージ

まあ君たち二人には神の加護(私の都合)があるから死なないよ。大丈夫だよ。
メタい?何それ私分かんなーい(笑)

2025/07/26 21:40

まっちゃん ID:≫ 9tLeB9AxJiZq2
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