人間ですが、獣人専用高校で結ばれました
私は少しドキドキしながら、ステージに出た。
でもそんなに緊張してないかも。
反対側から、隼人が出てくる。
歩調を合わせて、ちょうどセンターで向き合った。
か...かっこいい。
それと歓声がすごい。さすが...
隼人はちょっと嬉しそうに笑った。
太陽が銀髪にあたってキラキラしてる。綺麗。
二人で並んでランウェイを歩き出した。
ちょうど一番端まで行ったときに、隼人が私の手をひいた。
私が隼人を見上げると、隼人は私を抱き上げた。
しかもお姫様抱っこ。
その上、顔を寄せてくる。
まさか...と思ったときには、唇がくっついていた。
歓声が大きくなる。悲鳴も聞こえてくる。
耳がいたい。
そうして隼人はUターンをして、またステージに戻った。
早くおろしてほしい。
さっきの美男美女と目があった。
二人はぽかんとしていたが、すぐにこちらを睨みつけてきた。
やっぱり、私たちを負かしたかったのかな。
残りの数ペアもステージに出てきて、司会者が声をあげた。
「さあ皆さん、ベストカップルだと思うカップルの名前のときに、思い切り拍手を送ってください。一番音が大きかったカップルが優勝です!」
うーん、結構アバウトなのね。
ペアの名前が呼ばれていく。
美男美女カップルも、なかなか支持を得ているみたい。
拍手が大きかった。
いよいよ私たちのカップルが呼ばれる。
「隼人、歩美カップル!」
すごい大きさの拍手が鳴る。
しかも、いつまでも鳴りやまない。
私たちはびっくりして顔を見合わせる。
さっきまでいた部屋の窓を見ると、満足そうな顔をしてガッツポーズをする香里たちの姿が見えた。
ガッツポーズをしていたのは香里だけだったけど。
優勝カップが持って来られる。
私と隼人は一緒にそれを受け取った。
拍手が鳴っている中、よく通る声が響いた。
「ちょっと待ってください」
匠だ。
何でここに?
そう思っていると、スピーカーから何かが流れ始めた。
話し声?
【おい、どこだ?あったか?】
【ああ、これだわ。これさえなくなれば、私たちが優勝ね】
【見つかる前に破っちまえよ...ってうわ!】
【ちょっと!衣装についたじゃない、どうしてくれるの!?】
【上からこうやって...ほら、わからねぇよ】
【まったく...ほら、あんたはそっちの衣装やって】
ビリ、ビリという音の後、ドアが閉じられた音がして、音声は終わった。
匠は冷ややかな目をして言った。
「そこの一番最初に幕に戻ろうとしている...そう、あなたたちです」
匠ってそんな声出せたんだ。
私が感心していると、会場がどよめきだす。
匠は破かれた、私たちの衣装を取り出した。
「この衣装は、優勝したカップルが元々着る予定だったものです。ですが、誰かに破られた様子。...ああ、さっきの音声は、たまたまスマホのビデオが切れていなかったんですよ。映像は残っていませんでしたが。弁解は...ありますか?」
美男美女カップルの男の人の方が言った。
「はっ、映像が残っていないんだったらそれが俺らかどうかなんて分からないじゃないか」
匠はやれやれという風な顔をした。
「...その衣装、ペアルックですよね。それなのになぜ、そちらの女の方のスカートは不自然に色が違うのでしょう」
「...っ!」
「それは、衣装が置いてあった部屋にあったペンキを蹴って、それがついてしまったから。そしてそれが音声にも残っている。違いますか?」
二人は黙りこんでしまった。
そして、言いあいを始める。
「あんたが衣装をパクろうなんて言い出したからじゃないの!」
「はぁ?そもそもペンキがついたからバレたんだ、お前のせいだよ!」
「ペンキをこぼしたのはそっちでしょ!?」
「お前の動きがトロいから...」
「醜い言い争いは後にしてもらえます?とりあえず2人に謝ってください。2人は実力で優勝したわけですし、言うつもりはなかったんですけど、あなたたちが拍手もせずにすごすごと帰ろうとするからこうなったんです」
『.....すみませんでした』
言ってることは間違ってないんだけど...ちょっと可哀想だと思うのは私だけ?
甘いのだろうか。
その後皆にたくさん誉めてもらって、すごく嬉しかった。
匠にあんなギャップがあったなんて!と言ったら、隼人が拗ねてしまった。
隼人の機嫌をもとに戻すのが、その日で一番大変だった。
でもそんなに緊張してないかも。
反対側から、隼人が出てくる。
歩調を合わせて、ちょうどセンターで向き合った。
か...かっこいい。
それと歓声がすごい。さすが...
隼人はちょっと嬉しそうに笑った。
太陽が銀髪にあたってキラキラしてる。綺麗。
二人で並んでランウェイを歩き出した。
ちょうど一番端まで行ったときに、隼人が私の手をひいた。
私が隼人を見上げると、隼人は私を抱き上げた。
しかもお姫様抱っこ。
その上、顔を寄せてくる。
まさか...と思ったときには、唇がくっついていた。
歓声が大きくなる。悲鳴も聞こえてくる。
耳がいたい。
そうして隼人はUターンをして、またステージに戻った。
早くおろしてほしい。
さっきの美男美女と目があった。
二人はぽかんとしていたが、すぐにこちらを睨みつけてきた。
やっぱり、私たちを負かしたかったのかな。
残りの数ペアもステージに出てきて、司会者が声をあげた。
「さあ皆さん、ベストカップルだと思うカップルの名前のときに、思い切り拍手を送ってください。一番音が大きかったカップルが優勝です!」
うーん、結構アバウトなのね。
ペアの名前が呼ばれていく。
美男美女カップルも、なかなか支持を得ているみたい。
拍手が大きかった。
いよいよ私たちのカップルが呼ばれる。
「隼人、歩美カップル!」
すごい大きさの拍手が鳴る。
しかも、いつまでも鳴りやまない。
私たちはびっくりして顔を見合わせる。
さっきまでいた部屋の窓を見ると、満足そうな顔をしてガッツポーズをする香里たちの姿が見えた。
ガッツポーズをしていたのは香里だけだったけど。
優勝カップが持って来られる。
私と隼人は一緒にそれを受け取った。
拍手が鳴っている中、よく通る声が響いた。
「ちょっと待ってください」
匠だ。
何でここに?
そう思っていると、スピーカーから何かが流れ始めた。
話し声?
【おい、どこだ?あったか?】
【ああ、これだわ。これさえなくなれば、私たちが優勝ね】
【見つかる前に破っちまえよ...ってうわ!】
【ちょっと!衣装についたじゃない、どうしてくれるの!?】
【上からこうやって...ほら、わからねぇよ】
【まったく...ほら、あんたはそっちの衣装やって】
ビリ、ビリという音の後、ドアが閉じられた音がして、音声は終わった。
匠は冷ややかな目をして言った。
「そこの一番最初に幕に戻ろうとしている...そう、あなたたちです」
匠ってそんな声出せたんだ。
私が感心していると、会場がどよめきだす。
匠は破かれた、私たちの衣装を取り出した。
「この衣装は、優勝したカップルが元々着る予定だったものです。ですが、誰かに破られた様子。...ああ、さっきの音声は、たまたまスマホのビデオが切れていなかったんですよ。映像は残っていませんでしたが。弁解は...ありますか?」
美男美女カップルの男の人の方が言った。
「はっ、映像が残っていないんだったらそれが俺らかどうかなんて分からないじゃないか」
匠はやれやれという風な顔をした。
「...その衣装、ペアルックですよね。それなのになぜ、そちらの女の方のスカートは不自然に色が違うのでしょう」
「...っ!」
「それは、衣装が置いてあった部屋にあったペンキを蹴って、それがついてしまったから。そしてそれが音声にも残っている。違いますか?」
二人は黙りこんでしまった。
そして、言いあいを始める。
「あんたが衣装をパクろうなんて言い出したからじゃないの!」
「はぁ?そもそもペンキがついたからバレたんだ、お前のせいだよ!」
「ペンキをこぼしたのはそっちでしょ!?」
「お前の動きがトロいから...」
「醜い言い争いは後にしてもらえます?とりあえず2人に謝ってください。2人は実力で優勝したわけですし、言うつもりはなかったんですけど、あなたたちが拍手もせずにすごすごと帰ろうとするからこうなったんです」
『.....すみませんでした』
言ってることは間違ってないんだけど...ちょっと可哀想だと思うのは私だけ?
甘いのだろうか。
その後皆にたくさん誉めてもらって、すごく嬉しかった。
匠にあんなギャップがあったなんて!と言ったら、隼人が拗ねてしまった。
隼人の機嫌をもとに戻すのが、その日で一番大変だった。