人間ですが、獣人専用高校で結ばれました
「遊園地?」
匠は首を傾げた。
「どうしてそんな急に...?」
「いや、別に...嫌か?」
「そんなことない!ちょっと珍しいなって」
そうなのだ。普段のデートは大抵匠が誘ってくれる。
俺がいきなり遊園地に誘ったのには理由があった。
それは今朝のことだ。
「ねえねえ大和」
「香里さん。どうしたの?」
「これ貰ってくれない?」
香里さんが手渡してきたのは、遊園地のチケットだった。
それを受けとる。
「何、これ?」
「知り合いから貰ったんだけど、それ今週の土曜日までなの」
予定があって行けないから、代わりに使ってほしいらしい。
しかもチケットは二枚。これは...
「大和から誘ったらアイツ絶対行くって言うよ」
それは...まあそうだろうと思う。
でも誘うのが難しいんだよ!
そこではっとする。
やばい...匠はまあまあイケメンだし、きっと経験豊富だよな。
いつまでもモジモジしてたら愛想を尽かされるかも...
俺は気合いを入れた。これはいいチャンスだ。
「ありがとう、香里さん!俺、頑張るよ...!」
「ああうん、ガンバッテネー(たぶん変なこと考えてるな)」
...というわけ。
匠はもちろん行くと言ってくれた。
よかった...
で、今日は土曜日。
実は香里さんにきゅんとする行動っていうのを教えてもらった。
よし!匠をきゅんとさせるぞ!
そう意気込んで、匠と遊園地に向かった。
遊園地は人で溢れていた。
そういえば久しぶりに来たな。
俺は絶叫系ウェルカム派だ。たくさん乗りたい。
ちゃんと匠が絶叫系大丈夫かも確認済みだ。
(えーっと...なるべく無邪気に...)
「た、匠!早く行こう!」
匠の手をとり、駆け足でジェットコースターに向かった。
内心はドキドキだ。
(どうかな?どうかな?)
ちらりと隣をうかがう。
それに気づいているのかいないのか、匠は小さくため息をはいた。
「そんなに急がなくてもいいよ」
ぱっと手を離される。
心が急激に冷えていくのが分かった。
何とか声を絞り出す。
「...ご、ごめん...」
匠は焦ったようにこちらを見た。
「大和、違うよ。怒ってない」
「そっか、うん...」
優しいから、きっと気を使ってくれたんだな。
俺もなるべく明るい声を出そうとしてみたけど、全然駄目だ。
ああもう。
鼻がツンとなって、じわりと目頭が熱くなった。
がしっと両頬を掴まれて、無理やり匠の方に向かされる。
ぐいっと顔が近づいた。
「馬鹿。可愛すぎて...手ぇ出したくなっただけだっつの」
「えっ...」
顔が熱くなった。まさか。そういうこと?
ジェットコースターに乗っても、俺たちはぴんぴんしていた。
次のアトラクションを選ぶためにパンフレットを見ていると、着ぐるみがやって来た。
身ぶり手振りで、二人で来たのか聞かれる。
それに頷くと、高校の友達かと言われた。
ちょっと違うが、ややこしくなるだろうと思って、俺は肯定しようとした。
すると匠がいきなり俺のつむじにキスをした。
「!?!?」
ぎろりと匠をにらむ。
着ぐるみはなんだか楽しそうだ。
俺は慌てて匠を次のアトラクションに連れて行く。
当の本人はひらひらと着ぐるみに手をふっていた。
あっという間に閉園時間になった。
俺たちはぎりぎりで滑り込んだ観覧車の中で、すっかり暗くなった園内を見下ろしていた。
...心なしか、観覧車の動きが遅くなってきているような...
いや、気のせいなんかじゃない。確実に遅くなっている。
そう気づいたときには、頂上を少し過ぎたあたりで、観覧車はもう止まっていた。
俺はもうパニックだった。
「た、匠!どうしよう!誰もいないよ!」
「まあここで焦っても仕方ないし、とりあえず大人しくしとこうぜ」
何でそんなに冷静なんだ!?
...と思っていたが、しばらくするとだんだん眠くなってきた。
匠が肩に頭を乗せてきた。
重すぎず、軽すぎず。
心地よい感覚に、俺は眠ってしまった。
目が覚めると、朝。
眩しい。
おじさんが申し訳なさそうな顔で言った。
「いやー、君たちが乗ったことをすっかり忘れててね」
おい!
「ははは、すまないね。まあ何も無かったようでよかったよ」
その言葉を聞いた匠が、気まずそうに視線をそらしたのを俺は知らなかった。
楽しかった。また来たいな。
匠は首を傾げた。
「どうしてそんな急に...?」
「いや、別に...嫌か?」
「そんなことない!ちょっと珍しいなって」
そうなのだ。普段のデートは大抵匠が誘ってくれる。
俺がいきなり遊園地に誘ったのには理由があった。
それは今朝のことだ。
「ねえねえ大和」
「香里さん。どうしたの?」
「これ貰ってくれない?」
香里さんが手渡してきたのは、遊園地のチケットだった。
それを受けとる。
「何、これ?」
「知り合いから貰ったんだけど、それ今週の土曜日までなの」
予定があって行けないから、代わりに使ってほしいらしい。
しかもチケットは二枚。これは...
「大和から誘ったらアイツ絶対行くって言うよ」
それは...まあそうだろうと思う。
でも誘うのが難しいんだよ!
そこではっとする。
やばい...匠はまあまあイケメンだし、きっと経験豊富だよな。
いつまでもモジモジしてたら愛想を尽かされるかも...
俺は気合いを入れた。これはいいチャンスだ。
「ありがとう、香里さん!俺、頑張るよ...!」
「ああうん、ガンバッテネー(たぶん変なこと考えてるな)」
...というわけ。
匠はもちろん行くと言ってくれた。
よかった...
で、今日は土曜日。
実は香里さんにきゅんとする行動っていうのを教えてもらった。
よし!匠をきゅんとさせるぞ!
そう意気込んで、匠と遊園地に向かった。
遊園地は人で溢れていた。
そういえば久しぶりに来たな。
俺は絶叫系ウェルカム派だ。たくさん乗りたい。
ちゃんと匠が絶叫系大丈夫かも確認済みだ。
(えーっと...なるべく無邪気に...)
「た、匠!早く行こう!」
匠の手をとり、駆け足でジェットコースターに向かった。
内心はドキドキだ。
(どうかな?どうかな?)
ちらりと隣をうかがう。
それに気づいているのかいないのか、匠は小さくため息をはいた。
「そんなに急がなくてもいいよ」
ぱっと手を離される。
心が急激に冷えていくのが分かった。
何とか声を絞り出す。
「...ご、ごめん...」
匠は焦ったようにこちらを見た。
「大和、違うよ。怒ってない」
「そっか、うん...」
優しいから、きっと気を使ってくれたんだな。
俺もなるべく明るい声を出そうとしてみたけど、全然駄目だ。
ああもう。
鼻がツンとなって、じわりと目頭が熱くなった。
がしっと両頬を掴まれて、無理やり匠の方に向かされる。
ぐいっと顔が近づいた。
「馬鹿。可愛すぎて...手ぇ出したくなっただけだっつの」
「えっ...」
顔が熱くなった。まさか。そういうこと?
ジェットコースターに乗っても、俺たちはぴんぴんしていた。
次のアトラクションを選ぶためにパンフレットを見ていると、着ぐるみがやって来た。
身ぶり手振りで、二人で来たのか聞かれる。
それに頷くと、高校の友達かと言われた。
ちょっと違うが、ややこしくなるだろうと思って、俺は肯定しようとした。
すると匠がいきなり俺のつむじにキスをした。
「!?!?」
ぎろりと匠をにらむ。
着ぐるみはなんだか楽しそうだ。
俺は慌てて匠を次のアトラクションに連れて行く。
当の本人はひらひらと着ぐるみに手をふっていた。
あっという間に閉園時間になった。
俺たちはぎりぎりで滑り込んだ観覧車の中で、すっかり暗くなった園内を見下ろしていた。
...心なしか、観覧車の動きが遅くなってきているような...
いや、気のせいなんかじゃない。確実に遅くなっている。
そう気づいたときには、頂上を少し過ぎたあたりで、観覧車はもう止まっていた。
俺はもうパニックだった。
「た、匠!どうしよう!誰もいないよ!」
「まあここで焦っても仕方ないし、とりあえず大人しくしとこうぜ」
何でそんなに冷静なんだ!?
...と思っていたが、しばらくするとだんだん眠くなってきた。
匠が肩に頭を乗せてきた。
重すぎず、軽すぎず。
心地よい感覚に、俺は眠ってしまった。
目が覚めると、朝。
眩しい。
おじさんが申し訳なさそうな顔で言った。
「いやー、君たちが乗ったことをすっかり忘れててね」
おい!
「ははは、すまないね。まあ何も無かったようでよかったよ」
その言葉を聞いた匠が、気まずそうに視線をそらしたのを俺は知らなかった。
楽しかった。また来たいな。