【短編集】ぼくの懺悔室
#1
入試後のはなし
「それでは面接は終了です。どうぞお帰りください。」
「ありがとうございました!」
終わったぁ~~~!!終わった終わった!
入試が終わって門を出た俺は、開放感に浸っていた。
すでに門の前は、受験生の保護者たちでごった返していた。
人混みをうまく避けながら進み、すぐそこの駅の入り口を目指す。
しかしそこには、入試レベルの試練が待っていた。
(塾の勧誘だ...!)
何人もの人が、塾のパンフレット、チラシ等を配っている。
受け取っても、家ではどうせすぐ捨てられてしまうものだから、俺はもう受け取らないと、最初から決めていた。
(でも、あの人たちも頑張って配ってるんだよね...受け取らなかったらどんな気持ちになるんだろう。きっと悲しいよね...)
ハッ、余計な思考が...!
そうだ、そもそも配られないように存在感を消して歩けばいいんだ。
俺は陰キャだから、きっと大丈夫...!
歩道に、3人。1人目は、別の人に配っている最中だったので、配られずに済んだ。
2人目も、後ろを通ってなんとか気づかれないことに成功。
(よし、このままいけば...!)
「どうぞー」
一番聞きたくなかった言葉と同時に、目の前には白い袋に入った塾のパンフレットが差し出された。
(3人目、気づかれた...!!どうしよう、うまく断れないのに...!)
俺が咄嗟にとった行動は、[頭を軽く下げて通りすぎる]だった。
俺はその人の顔を見ないようにした。悲しそうな顔が見たくなかった。もしかしたら、怒ってたのかもしれない。
俺は塾の勧誘が嫌いだ。なぜなら、うまく断れないから。
誰も悲しませぬように、うまく断れなかったこと。俺は深く反省した。
「ありがとうございました!」
終わったぁ~~~!!終わった終わった!
入試が終わって門を出た俺は、開放感に浸っていた。
すでに門の前は、受験生の保護者たちでごった返していた。
人混みをうまく避けながら進み、すぐそこの駅の入り口を目指す。
しかしそこには、入試レベルの試練が待っていた。
(塾の勧誘だ...!)
何人もの人が、塾のパンフレット、チラシ等を配っている。
受け取っても、家ではどうせすぐ捨てられてしまうものだから、俺はもう受け取らないと、最初から決めていた。
(でも、あの人たちも頑張って配ってるんだよね...受け取らなかったらどんな気持ちになるんだろう。きっと悲しいよね...)
ハッ、余計な思考が...!
そうだ、そもそも配られないように存在感を消して歩けばいいんだ。
俺は陰キャだから、きっと大丈夫...!
歩道に、3人。1人目は、別の人に配っている最中だったので、配られずに済んだ。
2人目も、後ろを通ってなんとか気づかれないことに成功。
(よし、このままいけば...!)
「どうぞー」
一番聞きたくなかった言葉と同時に、目の前には白い袋に入った塾のパンフレットが差し出された。
(3人目、気づかれた...!!どうしよう、うまく断れないのに...!)
俺が咄嗟にとった行動は、[頭を軽く下げて通りすぎる]だった。
俺はその人の顔を見ないようにした。悲しそうな顔が見たくなかった。もしかしたら、怒ってたのかもしれない。
俺は塾の勧誘が嫌いだ。なぜなら、うまく断れないから。
誰も悲しませぬように、うまく断れなかったこと。俺は深く反省した。
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