短編集
[中央寄せ]・・・[/中央寄せ]
この学園の旧校舎は人気があまりない。
そのため、1人になりたい時にもってこいの場所。
今日は登校後、即ここに来てしまった。
朝から親に理不尽に怒鳴られて嫌になってしまった。
気付かない内に、いつもよりも更に奥の方まで来ていた。
今目の前にある教室は、「美術室」のようだ。
鍵が掛かっていなかった為、入ってみる事にした。
「・・・ぇ」
思わず、声にならないような声が溢れる。
部屋に入るや否や、大きな一つの絵。
目が釘付けとなった。
その絵にはどこまでも続いている青い海が描かれていた。
澄んでいて、それでいてどこまでも深い。
一瞬にして心を奪われた。
[明朝体]キーンコーンカーンコーン[/明朝体]
「あぁ、こんな時間か。」
絵に釘付けになってしまい、時間など頭の外だった。
朝礼の予鈴で何とか現実に戻った。
急いで教室へと走った。
放課後。
もう一度今朝の絵が見たくなり旧校舎へと向かった。
到着すると、美術室の扉が少し開いていた。
先客が居る、と思い今日は遠慮しておく事にした。
しかし、見たい思いが勝ち扉の前で立ち止まっていると、
『どうしました?』
「あっ、えっと...」
『今の時期寒いですし、取り敢えず中入りましょう。』
そう言われ、自分の手が悴んでいる事に気付いた。
お言葉に甘えて美術室へと入っていく。
教室内には、先程の男子生徒が描いてたと思われる描き途中の絵がある。
そして、今朝見た絵も一緒に。
私は今朝の絵を指差しながら、
「この絵って誰が描いたか知ってますか?」
「一目惚れしちゃって...」
『あぁ、それ僕が描いたものです。』
「へ、?」
つい、情けない声が出てしまった。
名札の色が同じ為、多分同い年の子だ。
それなのにこんな素敵な絵が描けるという事実に驚いた。
『絵を描くのが大好きで。』
『よくここに来てよく描いてるんです。』
『将来は、美大に入ろうと思っていまして。』
「、、良いですね!夢があって...(ポロポロ」
“夢”とは、私にとって無縁の存在。
今朝も私の好きな事を否定されたばかりだ。
私はヴァイオリンを弾くのが大好き。
音大で勉強して世界に行きたい、といった日は猛反対された。
その日からテストで少しでも点数を落とすと、家から追い出される。
点を上げたところで、褒めてもくれない。
そんな日々。
『!?どうしましたか?』
「なんでもッ、ないです...泣」
「ただ、夢を追いかけている姿が胸にきて...」
「私は親に反対されてて、情けないなぁって」
こんな話をしたのは人生初めてだった。
親しい友達にも話した事はない。
相談でもして引かれたら、と思うと勇気が出なかった。
『なんでもなくない、じゃないですか。』
『それに情けなくもないですよ。』
『諦めずに居て、凄いと思います。』
『僕の話になってしまうのですが、こう見えて体が弱いんです。』
『だから両親は、僕に好きな事をさせてくれてて。』
『もし親に反対されてたら、僕辞めてたかもしれません笑』
そんな事を言っていた。
けど、絶対にこの人は諦めないなと何故か思えた。
「辞めてないと思います!」
『え?』
「そんな感じが言動の端々から伝わってきます!!」
『そうかなぁ?』
『でも、ありがとう(ニコ』
凄く美しい笑顔。
なんで素敵な絵が描けるのかが分かった気がした。
やはり夢を追いかけ続ける人はかっこいい。
私も、こんな人になりたい。
いつしか思うようになっていた___
[中央寄せ]・・・[/中央寄せ]
この学園の旧校舎は人気があまりない。
そのため、1人になりたい時にもってこいの場所。
今日は登校後、即ここに来てしまった。
朝から親に理不尽に怒鳴られて嫌になってしまった。
気付かない内に、いつもよりも更に奥の方まで来ていた。
今目の前にある教室は、「美術室」のようだ。
鍵が掛かっていなかった為、入ってみる事にした。
「・・・ぇ」
思わず、声にならないような声が溢れる。
部屋に入るや否や、大きな一つの絵。
目が釘付けとなった。
その絵にはどこまでも続いている青い海が描かれていた。
澄んでいて、それでいてどこまでも深い。
一瞬にして心を奪われた。
[明朝体]キーンコーンカーンコーン[/明朝体]
「あぁ、こんな時間か。」
絵に釘付けになってしまい、時間など頭の外だった。
朝礼の予鈴で何とか現実に戻った。
急いで教室へと走った。
放課後。
もう一度今朝の絵が見たくなり旧校舎へと向かった。
到着すると、美術室の扉が少し開いていた。
先客が居る、と思い今日は遠慮しておく事にした。
しかし、見たい思いが勝ち扉の前で立ち止まっていると、
『どうしました?』
「あっ、えっと...」
『今の時期寒いですし、取り敢えず中入りましょう。』
そう言われ、自分の手が悴んでいる事に気付いた。
お言葉に甘えて美術室へと入っていく。
教室内には、先程の男子生徒が描いてたと思われる描き途中の絵がある。
そして、今朝見た絵も一緒に。
私は今朝の絵を指差しながら、
「この絵って誰が描いたか知ってますか?」
「一目惚れしちゃって...」
『あぁ、それ僕が描いたものです。』
「へ、?」
つい、情けない声が出てしまった。
名札の色が同じ為、多分同い年の子だ。
それなのにこんな素敵な絵が描けるという事実に驚いた。
『絵を描くのが大好きで。』
『よくここに来てよく描いてるんです。』
『将来は、美大に入ろうと思っていまして。』
「、、良いですね!夢があって...(ポロポロ」
“夢”とは、私にとって無縁の存在。
今朝も私の好きな事を否定されたばかりだ。
私はヴァイオリンを弾くのが大好き。
音大で勉強して世界に行きたい、といった日は猛反対された。
その日からテストで少しでも点数を落とすと、家から追い出される。
点を上げたところで、褒めてもくれない。
そんな日々。
『!?どうしましたか?』
「なんでもッ、ないです...泣」
「ただ、夢を追いかけている姿が胸にきて...」
「私は親に反対されてて、情けないなぁって」
こんな話をしたのは人生初めてだった。
親しい友達にも話した事はない。
相談でもして引かれたら、と思うと勇気が出なかった。
『なんでもなくない、じゃないですか。』
『それに情けなくもないですよ。』
『諦めずに居て、凄いと思います。』
『僕の話になってしまうのですが、こう見えて体が弱いんです。』
『だから両親は、僕に好きな事をさせてくれてて。』
『もし親に反対されてたら、僕辞めてたかもしれません笑』
そんな事を言っていた。
けど、絶対にこの人は諦めないなと何故か思えた。
「辞めてないと思います!」
『え?』
「そんな感じが言動の端々から伝わってきます!!」
『そうかなぁ?』
『でも、ありがとう(ニコ』
凄く美しい笑顔。
なんで素敵な絵が描けるのかが分かった気がした。
やはり夢を追いかけ続ける人はかっこいい。
私も、こんな人になりたい。
いつしか思うようになっていた___
[中央寄せ]・・・[/中央寄せ]