文字サイズ変更

短編集

#4

もしもの世界

[中央寄せ]・・・[/中央寄せ]

[明朝体]君[/明朝体]が亡くなって一年経った。
毎日喪失感に襲われる慣れない日々。
ずっと隣にある当たり前の存在だった。
それも今では“当たり前”ではない。
悲しい、辛い、悔しい、そんな言葉で片付けたくない。
また[明朝体]君[/明朝体]に会えますか?


目が覚めるといつもと何も変わらない光景。
カーテンを開け、陽の光を浴びる。
顔を洗い、歯磨きをする。そして、朝食を食べる。
そんな変哲もない いつものルーティーン。
それが、今現在進行形で“いつも”ではなくなった。
眼前に居るのは、紛れもなく亡くなった[明朝体]君[/明朝体]。

「不法侵入...?」
『失礼な!』
『久しぶりに出会った恋人にかける第一声がそれ!?』
「警察呼ぶ?」
『おいっ!』
「ふふっ笑」

初めは、夢を見ている、幻覚を見ていると思っていた。
だけど、夢なら幻覚なら逆に好都合だ。
また[明朝体]君[/明朝体]と話せるのだから。
夢でも幻覚でも構わない。だから終わらないで...

「で、何しに来たの?」
『え~、理由も無しに来たら駄目?』
「いや、別に。」
『もう照れちゃってぇ~笑』
『内心めちゃくちゃ嬉しいでしょ!』
「...ぅん//(小声」
『素直だね~(手』

そう言って[明朝体]君[/明朝体]は頭を撫でようとした。
生前はいつもこうやって頭を撫でてくれていたなと、
思い出す。
そんな思い出とは裏腹に、[明朝体]君[/明朝体]の手は俺の体をすり抜けた。

『あ、僕幽霊だから、触られないわ笑』
『ごめんね、折角会えたのに...』
「まぁ。良くないけど、」
『良くないんかい!』


たわいもない話を沢山した。
一緒に外にも出かけた。
触れる事は出来ないけれど、楽しく過ごした。
[明朝体]君[/明朝体]との時間はあっという間だった。
そうこうしている間に、時刻は零時前となっていた。

「ねぇ、消えないよね?」
『さぁ~?明日には消えてるかもね笑』

その言葉を聞いて、自然と俯いてしまう。
こんな日が永遠に続いてほしいと願っている自分が居る。
消えてほしくないと、想う。

『何ゞ、もしかして消えるの悲しいw?』
「・・・」
『お~い、、』
「悲しい、泣きたい、辛い、嫌だ...(ポロポロ」

俺の口から出た言葉はそれだった。
それと同時に涙が溢れてきた。
嘘偽りもない俺の本心で、隠しようもない本音。

『本当は言う筈じゃなかったけど、そう言われたらね〜』
「?(ポロポロ」
『明日、僕は消えてるよ』
『僕がそう願ったから。今まさに。』
「そんなに俺と居たくない?」
『まさか、ずっと一緒に居たいよ。』

そう言って、俺を抱きしめてきた。
触れれないはずなのに。
最後にくれた奇跡なのだろうか。

『僕は死んでいて、君は生きている。』
『だから、直ぐにでも消えないと、別れが悲しいでしょ?』
『それに、もう零時を回りそうだね。』
『そろそろ消えるかなぁ~』

ただただ泣く事しかできない自分。
それを慰める[明朝体]君[/明朝体]に違和感を覚えた。
それよりも、消えてしまうという事実に動揺している。
永遠に一緒に居たい、そう願うばかり。

『ほら、こっち見て!』
「ぅうん(泣」
『無理しなくて良い、君の裁量で良い。』
『だから最後にお願い聞いて?』

[明朝体]君[/明朝体]は初めからこれをお願いしにきたのではないか、と思う。
悲しさを増してまで会いにきた理由はこれではないか。

『僕が今からする事を全て許して下さい。』

[中央寄せ]・・・[/中央寄せ]

目が覚めるといつもと何も変わらない光景。
とはいかなかった。
今いる場所には壁など存在せず、何処までも行けそうな果てしなく広がっている空間だった。
それに加えて、
目の前には、大好きな[明朝体]君[/明朝体]が立っている。

『これでずぅっといっしょだね』

[中央寄せ]・・・[/中央寄せ]

作者メッセージ

朝食後にします。

2025/03/11 16:05

せな⚡️ ID:≫ 80Ap5RDPRIhlQ
続きを執筆
小説を編集

パスワードをおぼえている場合はご自分で小説を削除してください。(削除方法
自分で削除するのは面倒くさい、忍びない、自分の責任にしたくない、などの理由で削除を依頼するのは絶対におやめください。

→本当に小説のパスワードを忘れてしまった
▼小説の削除を依頼する

小説削除依頼フォーム

お名前 ※必須
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
削除の理由 ※必須

なぜこの小説の削除を依頼したいですか

ご自分で投稿した小説ですか? ※必須

この小説は、あなたが投稿した小説で間違いありませんか?

削除後に復旧はできません※必須

削除したあとに復旧はできません。クレームも受け付けません。

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
小説のタイトル
小説のURL
/ 16

コメント
[0]

小説通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

盗作されたと思われる作品のタイトル

※できるだけ具体的に記入してください。
特に盗作投稿については、どういった部分が元作品と類似しているかを具体的にお伝え下さい。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
小説のタイトル
小説のURL