短編集
[中央寄せ]・・・[/中央寄せ]
「いたた. . .」
腕をさすりながポツリと呟く。
構え方が下手なのかは分からないが、ボールを受け止める度に痛かった。加えて、その後もずっと痛い。
初心者に体育でバレーはキツイですって!先生!!
と内心悪態をついておかないと気が済まない痛さだ。
「えぇ、明日も体育ある。」
明日の時間割には「6時間目:体育(バレー)」とある。
私の腕がバレーの生贄となる未来が決まったらしい。
「はっ、はっ、うぅ」
休憩時間に息を整えるために、俯いて座り込む。
これだから対人スポーツ、特に球技は大嫌い。
腕は痛いし、ボールを落とせば仲間に申し訳ないし。
もう最悪のフルコンボじゃん。
「はぁ、、(溜息」
『腕、大丈夫?』
「え、はいっ!え?」
慌てながら振り返る。
クラスの話したことのない女子が立っていた。
『赤くなってるね。このまま続けたら折れるよ』
「お、おれッッ!?」
『うん、保健室行こっか。』
冷たい態度ながらも私の腕を引いて連れて行く。
ほぼ初対面でこんなに優しいことあります?
疑問に思うは思うけど、されるがままにされておこう。
『ん、どう?痛くない?』
「わー、ありがとう!」
『そ、なら良かった。』
丁寧に包帯が巻かれた腕は心なしか赤みが引いている。
救急箱を片付けた彼女が私の目の前に真剣な顔で座る。
え、なになに。私、殺される?
『アンタ、バレー下手だね。』
「. . . は?」
『あんなオカシな構え方するから痛くなるんだよ。』
「え、えっ?え?」
『私が教えてあげる。あんなオカシな構え方見てると、こっちが腹たってくるの。』
唐突な罵倒に呆気に取られる。
戸惑っている間に、背後から腕を支えられる。
『正しい構え方はこう。こうしたら痛くないから。』
「あ、はい。」
『アンタがやってたのはこうね。こんなんしたら、痛いに決まってるじゃない。』
「す、すみません。」
『分かればいいのよ。』
なぜ私が謝ってるかって?さぁ?私にとっても難問だ。
一応教えてもらっている身なので、抗わず従っておく。
そうこうする事数十分。
どこか満足げな顔を浮かべている彼女。
『よし、これで完璧よ。』
「あ、ありがとう。色々教えてくれて。」
『感謝なんていらないから。』
相変わらず冷たい態度な人だなぁ。
指導中に思い出したが、確かこの人はバレー部だ。
そうなれば、下手すぎる人を見れば腹が立つのも...
分からない。その心理は分からない。
『はー!これでセイセイした!またね。』
「あ、うん。またっ!」
嵐のように私を連れ去り、そして去って行った。
一人ポツンと保健室に残される。
不思議な時間だった。
ほとんど話した事ないのに気まずくならなかった。
気まずくなるどころか、なんだか気持ちが楽だった。
なんでだろう、そう思っても答えは分からない。
でも、それで良いって思えた。
あの子も、私と同じ気持ちだったらいいな___
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「いたた. . .」
腕をさすりながポツリと呟く。
構え方が下手なのかは分からないが、ボールを受け止める度に痛かった。加えて、その後もずっと痛い。
初心者に体育でバレーはキツイですって!先生!!
と内心悪態をついておかないと気が済まない痛さだ。
「えぇ、明日も体育ある。」
明日の時間割には「6時間目:体育(バレー)」とある。
私の腕がバレーの生贄となる未来が決まったらしい。
「はっ、はっ、うぅ」
休憩時間に息を整えるために、俯いて座り込む。
これだから対人スポーツ、特に球技は大嫌い。
腕は痛いし、ボールを落とせば仲間に申し訳ないし。
もう最悪のフルコンボじゃん。
「はぁ、、(溜息」
『腕、大丈夫?』
「え、はいっ!え?」
慌てながら振り返る。
クラスの話したことのない女子が立っていた。
『赤くなってるね。このまま続けたら折れるよ』
「お、おれッッ!?」
『うん、保健室行こっか。』
冷たい態度ながらも私の腕を引いて連れて行く。
ほぼ初対面でこんなに優しいことあります?
疑問に思うは思うけど、されるがままにされておこう。
『ん、どう?痛くない?』
「わー、ありがとう!」
『そ、なら良かった。』
丁寧に包帯が巻かれた腕は心なしか赤みが引いている。
救急箱を片付けた彼女が私の目の前に真剣な顔で座る。
え、なになに。私、殺される?
『アンタ、バレー下手だね。』
「. . . は?」
『あんなオカシな構え方するから痛くなるんだよ。』
「え、えっ?え?」
『私が教えてあげる。あんなオカシな構え方見てると、こっちが腹たってくるの。』
唐突な罵倒に呆気に取られる。
戸惑っている間に、背後から腕を支えられる。
『正しい構え方はこう。こうしたら痛くないから。』
「あ、はい。」
『アンタがやってたのはこうね。こんなんしたら、痛いに決まってるじゃない。』
「す、すみません。」
『分かればいいのよ。』
なぜ私が謝ってるかって?さぁ?私にとっても難問だ。
一応教えてもらっている身なので、抗わず従っておく。
そうこうする事数十分。
どこか満足げな顔を浮かべている彼女。
『よし、これで完璧よ。』
「あ、ありがとう。色々教えてくれて。」
『感謝なんていらないから。』
相変わらず冷たい態度な人だなぁ。
指導中に思い出したが、確かこの人はバレー部だ。
そうなれば、下手すぎる人を見れば腹が立つのも...
分からない。その心理は分からない。
『はー!これでセイセイした!またね。』
「あ、うん。またっ!」
嵐のように私を連れ去り、そして去って行った。
一人ポツンと保健室に残される。
不思議な時間だった。
ほとんど話した事ないのに気まずくならなかった。
気まずくなるどころか、なんだか気持ちが楽だった。
なんでだろう、そう思っても答えは分からない。
でも、それで良いって思えた。
あの子も、私と同じ気持ちだったらいいな___
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