短編集
・・・
「あ゛ー。先生話長ぇよっ!!」
「進路は考えてるかだの、勉強しろだの。うるさいったらありゃしない!ほんとにさ〜。」
『wwwそれはお前がちゃんとしないからだろ?』
「はぁ?何でそうなるんだよ。」
小学校からの親友に視線を投げれば、面白いものを見るかのように笑っていやがる。癪に触る奴だな。
いーよな、お前は勉強もできて進路もあって。
いちいち言葉には出さないけど、いつも思ってる事。
『説教も終わったし、さっさと帰ろ?』
「説教じゃねぇよ。進路相談だよっ!( 怒」
『あーそうだったね。ごめんゞ笑笑』
「思ってねぇだろ。」
そんな冗談を言い合いながら昇降口に向かう。
校舎に茜色の斜光が入って、優しく包み込んでいる。
いつだってこの学校には[漢字]お前[/漢字][ふりがな]親友[/ふりがな]が居る。
俺の隣にはこいつが居て、こいつの隣も俺だ。
それが[明朝体]当たり前[/明朝体]で、それが[明朝体]日常[/明朝体]だ。
そう思っていた自分を殴ってやりたい。
・・・
「おはよう。」
『. . .』
俺の隣席はいつだって[漢字]空席[/漢字][ふりがな]親友が居ない[/ふりがな]。
俺の嫌いな数学は教えてくれない。
俺が授業でミスった時に笑ってくれない。
移動教室の時、姿を探してもどこにもない。
放課後、馬鹿やってはしゃぐ事もない。
どう足掻いてたって事実は変わらない。
その事実を受け入れられずにずっと引きずっている。
なんで[漢字]悪い奴[/漢字][ふりがな]いじめっ子[/ふりがな]が生きて、[漢字]良い人[/漢字][ふりがな]親友[/ふりがな]が死ぬ?
なんでこの世界でお前が死ななきゃならなかった?
なんで、なんで、なんで、なんで、、、
[明朝体]この世界は理不尽だ[/明朝体]
***
親友が死んだ日の放課後。
いじめっ子達に強制されて、あいつは校舎の屋上から飛び降りた。
最後に見たあいつは空に浮かんでいた。
あいつは『用事があるから』と言って俺を待たせた。
だから、俺は校門であいつが来るのを待ってた。
その日も[打消し]当たり前[/打消し]に一緒に帰ろうとしていた。
しかし、一緒に帰れる事は、もう一生無い。
自分が何も出来なかった事に嫌気が差す。
あいつがいじめられていた事に気付けなかった。
あいつは苦しんでいるのに頼ってくれなかった。
何より、あいつが居る事が[明朝体]当たり前[/明朝体]だと思っていた。
何回も聞いた。
【一秒、一分、一日後、生きている保証はない】
頭で理解していても納得はしていなかったのだろう。
だから、今、こんな事になっている。
[右寄せ][斜体]お前、何してんの?[/斜体][/右寄せ]
「!」
[右寄せ][斜体]俺と同じ死に方とかやめろよw[/斜体][/右寄せ]
「...俺が死ぬことは、否定しねぇの?」
[右寄せ][斜体]言ったら、そうしてくれるの?[/斜体][/右寄せ]
「あぁ. . .そうだよ、、そうだよっ!!」
「最初から全部言えよっ!!」
「苦しいんだったら、早く頼れよっ!」
[右寄せ][斜体]ごめん。[/斜体][/右寄せ]
「、俺もそっちに行っても良い?( ポロッ」
[右寄せ][斜体]俺はお前に生きて欲しい。[/斜体][/右寄せ]
[右寄せ][斜体]この世界はとても美しくて残酷だから。[/斜体][/右寄せ]
「どういうこと?」
[右寄せ][斜体]この世界には、自分にとって大切な存在を見つける事ができる。[/斜体][/右寄せ]
[右寄せ][斜体]俺が死んでも世界が変わらないように、誰が居なくなろうと、日々は続く。[/斜体][/右寄せ]
[右寄せ][斜体]そんな「美しくて残酷な世界」でも、お前に生きて欲しい。[/斜体][/右寄せ]
「生きて欲しい理由になってねぇぞ笑」
[右寄せ][斜体]とにかく、生きてて[/斜体][/右寄せ]
[右寄せ][斜体]俺に会いに来るのは、また今度で良いよ。[/斜体][/右寄せ]
「はっwそうか、ならしょうがないか。」
「飛び降りるのは止めるよ。」
[右寄せ][斜体]良かった( ニコッ[/斜体][/右寄せ]
「俺、失ってから《大切な存在》に気付いたんだ。」
「今度は二度と失わないように...とか言いたいけど、多分無理だ。」
[右寄せ][斜体]それって俺のことw?[/斜体][/右寄せ]
「だから、お前だけは忘れない。」
[右寄せ][斜体]__[/斜体][/右寄せ]
最後の言葉は、あいつに届いたのだろうか。
届いていなかったとしても、やる事は決まった。
本当に大切な存在は、失ってから気付く。
失う前に気付く事はない。断言する。
だから、
[明朝体]お前を忘れないでいてやるよ___。[/明朝体]
[中央寄せ]・・・[/中央寄せ]
「あ゛ー。先生話長ぇよっ!!」
「進路は考えてるかだの、勉強しろだの。うるさいったらありゃしない!ほんとにさ〜。」
『wwwそれはお前がちゃんとしないからだろ?』
「はぁ?何でそうなるんだよ。」
小学校からの親友に視線を投げれば、面白いものを見るかのように笑っていやがる。癪に触る奴だな。
いーよな、お前は勉強もできて進路もあって。
いちいち言葉には出さないけど、いつも思ってる事。
『説教も終わったし、さっさと帰ろ?』
「説教じゃねぇよ。進路相談だよっ!( 怒」
『あーそうだったね。ごめんゞ笑笑』
「思ってねぇだろ。」
そんな冗談を言い合いながら昇降口に向かう。
校舎に茜色の斜光が入って、優しく包み込んでいる。
いつだってこの学校には[漢字]お前[/漢字][ふりがな]親友[/ふりがな]が居る。
俺の隣にはこいつが居て、こいつの隣も俺だ。
それが[明朝体]当たり前[/明朝体]で、それが[明朝体]日常[/明朝体]だ。
そう思っていた自分を殴ってやりたい。
・・・
「おはよう。」
『. . .』
俺の隣席はいつだって[漢字]空席[/漢字][ふりがな]親友が居ない[/ふりがな]。
俺の嫌いな数学は教えてくれない。
俺が授業でミスった時に笑ってくれない。
移動教室の時、姿を探してもどこにもない。
放課後、馬鹿やってはしゃぐ事もない。
どう足掻いてたって事実は変わらない。
その事実を受け入れられずにずっと引きずっている。
なんで[漢字]悪い奴[/漢字][ふりがな]いじめっ子[/ふりがな]が生きて、[漢字]良い人[/漢字][ふりがな]親友[/ふりがな]が死ぬ?
なんでこの世界でお前が死ななきゃならなかった?
なんで、なんで、なんで、なんで、、、
[明朝体]この世界は理不尽だ[/明朝体]
***
親友が死んだ日の放課後。
いじめっ子達に強制されて、あいつは校舎の屋上から飛び降りた。
最後に見たあいつは空に浮かんでいた。
あいつは『用事があるから』と言って俺を待たせた。
だから、俺は校門であいつが来るのを待ってた。
その日も[打消し]当たり前[/打消し]に一緒に帰ろうとしていた。
しかし、一緒に帰れる事は、もう一生無い。
自分が何も出来なかった事に嫌気が差す。
あいつがいじめられていた事に気付けなかった。
あいつは苦しんでいるのに頼ってくれなかった。
何より、あいつが居る事が[明朝体]当たり前[/明朝体]だと思っていた。
何回も聞いた。
【一秒、一分、一日後、生きている保証はない】
頭で理解していても納得はしていなかったのだろう。
だから、今、こんな事になっている。
[右寄せ][斜体]お前、何してんの?[/斜体][/右寄せ]
「!」
[右寄せ][斜体]俺と同じ死に方とかやめろよw[/斜体][/右寄せ]
「...俺が死ぬことは、否定しねぇの?」
[右寄せ][斜体]言ったら、そうしてくれるの?[/斜体][/右寄せ]
「あぁ. . .そうだよ、、そうだよっ!!」
「最初から全部言えよっ!!」
「苦しいんだったら、早く頼れよっ!」
[右寄せ][斜体]ごめん。[/斜体][/右寄せ]
「、俺もそっちに行っても良い?( ポロッ」
[右寄せ][斜体]俺はお前に生きて欲しい。[/斜体][/右寄せ]
[右寄せ][斜体]この世界はとても美しくて残酷だから。[/斜体][/右寄せ]
「どういうこと?」
[右寄せ][斜体]この世界には、自分にとって大切な存在を見つける事ができる。[/斜体][/右寄せ]
[右寄せ][斜体]俺が死んでも世界が変わらないように、誰が居なくなろうと、日々は続く。[/斜体][/右寄せ]
[右寄せ][斜体]そんな「美しくて残酷な世界」でも、お前に生きて欲しい。[/斜体][/右寄せ]
「生きて欲しい理由になってねぇぞ笑」
[右寄せ][斜体]とにかく、生きてて[/斜体][/右寄せ]
[右寄せ][斜体]俺に会いに来るのは、また今度で良いよ。[/斜体][/右寄せ]
「はっwそうか、ならしょうがないか。」
「飛び降りるのは止めるよ。」
[右寄せ][斜体]良かった( ニコッ[/斜体][/右寄せ]
「俺、失ってから《大切な存在》に気付いたんだ。」
「今度は二度と失わないように...とか言いたいけど、多分無理だ。」
[右寄せ][斜体]それって俺のことw?[/斜体][/右寄せ]
「だから、お前だけは忘れない。」
[右寄せ][斜体]__[/斜体][/右寄せ]
最後の言葉は、あいつに届いたのだろうか。
届いていなかったとしても、やる事は決まった。
本当に大切な存在は、失ってから気付く。
失う前に気付く事はない。断言する。
だから、
[明朝体]お前を忘れないでいてやるよ___。[/明朝体]
[中央寄せ]・・・[/中央寄せ]